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ハヤトウリの育て方

監修 
広島市植物公園 島田有紀子

プロフィール

 ハヤトウリは、ウリ科のつる性の多年草です。原産地はメキシコ南部から熱帯アメリカ地域で、日本へは、大正時代に鹿児島へ導入されたのがきっかけで、「薩摩隼人」から「ハヤトウリ」と呼ばれるようになりました。

 洋ナシのような形をしている果実には、緑色のものと白色のものがあります。栽培は、タネを植えるのではなく、果実のまま植える点がユニークといえるでしょう。多くのウリ科植物はタネをたくさんつくりますが、ハヤトウリの果実には、1個のタネがあるだけです。

 寒さに弱く、霜が降りると地上部が枯れますが、暖地では、地下茎が残って冬越しすることがあります。地上部が枯れたあとは、敷きわらやマルチングをして防寒しておくとよいでしょう。

 収穫時期は秋で、霜が降りるまで長く楽しめるカーテンとして重宝します。

 また、ハヤトウリは、ほかのウリ科植物とは異なり、短日植物なので、開花、および収穫ができるのは、秋になってからです。秋になってまず咲くのは雄花で、その後、次々と雌花が咲き始めます。なかなか果実が実らないと諦めることなかれ。雌花が咲いて受粉に成功すれば、2~3週間で300gほどになる果実が収穫できます。白い果実も緑色の果実も、熟しすぎると見た目には色が変わりませんが、皮が硬くなるので、よく観察し、開花後2~3週間で収穫しましょう。もし、皮が硬くなっても、皮をむけばおいしく食べられます。

 ハヤトウリの果実は、酒粕につけて奈良漬にするほか、塩漬け、酢のもの、炒めもの、おでんの具などにしておいしく食べることができます。特に、白い果実は緑色の果実よりもクセがないので、どんな料理にも合います。

 ハヤトウリの果実はほとんどが水分なので、ダイエット中の人にもおすすめです。また、若い茎も根も食べることができるので、摘心した際の新芽や、掘り上げたときの根も食べてみてはいかがでしょうか。



 


育て方

植えつけ

 ハヤトウリの苗は、ほとんど流通していないので、果実(種瓜)を入手します。普通、果実のなかのタネをまくと思いがちですが、ハヤトウリは果実のまま植えつけるので、果実を割ってなかのタネを出してはいけません。果実は入手後放置しておくと、自然に芽が出てきますが、発芽してから植えつけても構いません。

 果実を土に植える場合は、果実のお尻(膨らんだほう)の割れ目(花が落ちた部分=へそ)を斜め上に向けて、浅植えします。

 植えつけ適期は4月下旬~5月です。生育旺盛なので、庭植えが望ましいですが、できない場合は土がたっぷり入る大型のプランターなどに植えつけます。 

 植えつけ2週間ほど前に、苦土石灰を1m2当たり100g混ぜ込んでおき、植えつけ時に、完熟牛ふん堆肥を1m2当たり2kg、粒状肥料「マイガーデン野菜用」を1m2当たり100gを混ぜて耕します。

 プランターには、市販の野菜用培養土に、粒状肥料「マイガーデン野菜用」を1ℓ当たり4g混ぜたものを利用してもよいでしょう。

 株間は60cm程度、プランターであれば1株が目安です。

 なお、プランターを用いる場合は、果実を中心に植えるのではなく、発芽する部分を中心に植えることをお忘れなく。

仕立て方

カーテン例

 植えつけ時に、つるもの用ネットと丈夫な支柱や支柱代わりの金属パイプを準備します。つるは4m以上のびるので、2階建ての家であれば2階のベランダまでのばしてみましょう。

 ハヤトウリはよく繁茂して重くなるので、ネットがたるまないよう、両端には丈夫な支柱や金属パイプを通し、しっかり固定しておきます。

アーチ例

 アーチ支柱と、まっすぐな支柱を垂直に渡してしっかり固定します。アーチ支柱同士の頂上部も、まっすぐな支柱でつないで、ぐらつかないようにします。さらに、つるもの用ネットを張っておくと安心です。

 つるは上へ上へとのびていきますが、下るのは苦手です。必ずアーチ支柱の両側に苗を植えつけます。

棚づくり例

 棚の高さは2mぐらいを想定し、市販の支柱や竹で約30cm角の格子を組み、しっかりと立てます。あるいは、つるもの用ネットを利用してもよいですが、所々に支柱を入れて、補強しておきましょう。

管理

置き場所

 日当たりのよい場所で育てます。真夏に強い西日が当たると、葉が萎れることがありますが、夕方に水やりすれば回復します。

水やり

 土の表面が乾き始めたら、たっぷりと水やりします。庭植えの場合、水やりはほとんど不要です。

肥料

 植えつけ2週間後から、庭植えでは粒状肥料「マイガーデン野菜用」を1m2当たり30g、月1回、地面にばらまいて施します。

 プランターでは、液体肥料「花工場原液」の1000倍液を、週1回水やり代わりに施します。

 なお、果実が実るのは、秋になってからです。栽培期間が長いため、肥料切れしないようにしっかり追肥しましょう。

管理のポイント

 株元から数本の茎が出るので、一番太い茎を1本残して、ほかは摘み取ります。

 また、果実は、親づるよりも子づる、孫づるによくつくので、主茎(親づる)の本葉が6~7枚開いたら摘心し、さらにわき芽(子づる)が1mほどのびたところで摘心して、孫づるをのばします。

 棚仕立てにする場合は、つるは棚上で均一に誘引します。つるは、支柱にひもで留めていきます。

ふやし方

 タネ(=果実)でふやすことができます。秋に収穫したら、果実が消耗しないように、新聞紙などに包んで冬の間は冷暗所で保存します。春になったら、タネを果実から取り出さず、果実ごと植えつけます。

 別名「センナリウリ」の通り、1株からたくさんの果実が収穫でき、家庭では1株で十分です。植え過ぎに注意しましょう。

病気と害虫

 アブラムシには、植えつけ時に殺虫剤「ベストガード粒剤」を植え穴の土に混ぜます。

 うどんこ病炭そ病には、殺菌剤「STダコニール1000」を散布します。

 ウリハムシは、早朝の活動が鈍い時間帯に捕殺します。

ムービー紹介

ビデオは、害虫の生態や寄生植物を広くご紹介するものです。ビデオの中の害虫、寄生植物は、必ずしも植物栽培ナビの害虫、植物とは一致しませんので、ご了承ください。

アブラムシの産子
アブラムシの産子

(2分35秒 WMV形式/8.6MB)

アブラムシの雌の尾部から幼虫が産まれてくる様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

アブラムシの二次被害
アブラムシの二次被害

(5分26秒 WMV形式/9.1MB)

アブラムシの二次被害として、尾部から出る排泄物がアリを誘引したり、すす病を誘発し、ウイルス病を媒介することを紹介しています。さらに、葉を萎縮させたり、湾曲させ、種類によっては葉に虫こぶ(虫えい)を作るアブラムシもいます。

アブラムシの天敵
アブラムシの天敵

(2分46秒 WMV形式/9.2MB)

ナナホシテントウの成虫や幼虫、クサカゲロウの幼虫がアブラムシを捕食する様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

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