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タマネギの育て方

監修 恵泉女学園大学教授
藤田智

プロフィール

 タマネギの栽培の歴史は古く、4000年を超えるとされています。特に北イランからマルタイ、エジプトでは、かなり古い時代から食用として珍重されていたという記録があります。

 タマネギの原産地については諸説あり、アフガニスタン近辺の中央アジアを原産地とする説が有力です。日本へ本格的に導入されたのは、明治4年(1871年)、北海道開拓使によるものでした。当時はほとんど日本人の食生活になじまず、明治後年になって、南半球のニュージーランドをはじめ、海外へ輸出されたという珍しい経緯があります。

 日本では古くから、北海道、大阪府、兵庫県でよくつくられています。戦後に食事が洋風化したことによって、タマネギの消費が伸び、それにともなって、北海道の栽培面積が急増。現在では北海道は、全国一のタマネギの産地となっています。

 タマネギを包丁で切ると涙が出るのは、タマネギに含まれる硫化アリルという成分が揮発して、目に刺激を与えるからです。この硫化アリルという成分は、じつはさまざまな有効作用があります。たとえば、硫化アリルとビタミンB1を一緒に摂取すると、B1の吸収を高め、利尿、発汗作用を促します。また、血液をサラサラにするといわれ、糖尿病、高血圧などの予防に有効といわれています。ただ、辛い、涙が出るだけではないのです。

 野菜の育て方の栽培暦は以下の地域区分で紹介しています。

中間地  新潟を除く関東甲信越、中部、東海、近畿、
 中国地方、石川県と富山県を除く北陸地方
寒冷地  北海道、東北地方、新潟県、富山県、
 石川県と高冷地
暖 地  四国、九州、沖縄県

 上記の地域区分は目安です。それぞれの地域でも標高や地形、年次変動によって気候条件は変わります。住んでいる地域の気候条件に合わせて栽培して下さい。



作型や品種の特徴

 タマネギも品種が増え、多彩なものがラインナップされています。

1. 極早生

 11月上~中旬に苗を植え、4月下旬~5月上旬に収穫できます。‘マッハ'はとう立ちも少なく、低温でも鱗茎が肥大しやすく、病気にも強い品種です。‘チャージII'は、1球が300~350gになる品種で、つくりやすく、食味もよく、家庭菜園向き品種です。

2. 早生

 11月中~下旬に苗を植え、5月中旬から収穫します。‘ソニック'は病気に強く、とう立ちも極めて少ない品種です。また、中早生種では‘オメガ'が病気に強く、揃いもよく、収穫後9月までのつり玉貯蔵に向きます。

3. 中生・中晩生

 11月下旬~12月上旬に苗を植え、6月上旬から順に収穫します。中生では、‘ターボ'、‘O・K黄'、‘O・L黄'、‘O・P黄'、‘アトン'がおすすめです。‘ターボ'は病気に強く、1球320gで収穫量も多い品種です。‘O・K黄'は1球290gほどで貯蔵力がよく、萌芽も少ないので12月まで貯蔵可能な品種です。‘O・L黄'は作りやすく食味よく1球300gになります。‘O・P黄'は分球の心配がなく、作りやすい定番の品種。1球320gになります。‘アトン'は1球600gにもなるので大玉栽培向きです。加工・業務用に最適ですが、大玉でも食味がよく家庭菜園で栽培してもおもしろいでしょう。中晩生では‘ネオアース'が貯蔵性に優れ、色つやがよく人気の品種。1球530gになります。‘アタック'は病気に強く貯蔵性にすぐれ、2月末までつり玉保存が可能です。1球320gになります。‘パワー'は1球290g、長期貯蔵に最適な品種です。

4. 生食用

 オニオンサラダに最適なのが、赤タマネギの‘猩々赤'です。外皮は美しい濃紫色で、サラダの彩りとしても鮮やかです。中晩生で、6月上旬から収穫します。

5. ミニタマネギ

 ペコロスと呼ばれている小タマネギ栽培には、‘貝塚早生黄'などを利用します。普通のタマネギですが、春まきして小玉に育てます。

6. オニオンセット

 子球を植えつけて育てる栽培方法を、オニオンセットといいます。8月下旬に植えつけると年内に収穫可能です。「ホームたまねぎ」という名前でも販売されています。

育て方のコツ

 タマネギは、冬越しさせて栽培する代表的な野菜です(ただし北海道は除く)。自然状態では、冬越しさせると5月に花(ネギ坊主)が咲き、6月にタネができます。しかし、ネギ坊主ができてしまっては、タマネギの栽培は失敗ですから、タマネギの花芽分化の条件を知っておきましょう。タマネギは、ある一定以上の大きさになると寒さに反応し、花芽分化する性質があります。これを緑植物春化型といいます。したがって、タマネギは、植えつける苗の大きさがポイントとなります。苗は必ず、鉛筆の太さぐらい(太さ7~8mm)のものを植えましょう。それより太い苗だと寒さにあってネギ坊主ができてしまい、細い苗だと寒さで傷みやすくなります。

 また、根(鱗茎)が肥大するためには、長日条件が必要です。春先から日が長くなってくると、タマネギが肥大するのはそのためです。

タネまき

 自分で苗をつくる場合は、タネを9月中旬~下旬にまきます。タネまきが早すぎるととう立ちの危険性が高い太すぎる苗に、遅すぎると寒さで枯死する危険性がある細い苗になってしまいます。早生品種は9/15~20ごろ、中生~中晩生は9/25を目安にタネまきするとよいでしょう。

 まず、苦土石灰を1m2当たり100g散布してよく耕します。次いで1m2当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m2当たり120gを全面散布してよく耕し、幅1mの平畝をつくります。条間10~12cmのまき溝をつくり、1cm間隔にタネをまきます。発芽するまで、べたがけで覆いましょう。

苗の植えつけ

 11月中旬~12月上旬は、タマネギの苗の植えつけ時です。苗は、園芸店などから購入しましょう。早生品種は11月中~下旬、中生~中晩生品種は11月下旬~12月上旬が植えつけ適期です。

マルチ栽培の場合

 幅135cmで、15×15cmに穴のあいた黒マルチを用意します。植えつけ2週間前に、苦土石灰を1m2当たり150g散布してよく耕します。植えつけ1週間前に、1m2当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m2当たり120gを全面散布してよく耕し、幅120cmの平畝をつくって、マルチを敷きます。マルチの穴ごとに指を指して穴をあけ、深さ2cmほどに苗を植えます。

マルチなし栽培の場合

 マルチ栽培と同様に土づくりをし、幅60cmの畝をつくります。条間20~30cm、10~12cm間隔で苗を植えつけます。

管理

水やり

 乾燥が激しい場合、たっぷりと水やりします。

追肥

 2月下旬に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m2当たり120g施し、さらに3月下旬に、液体肥料「花工場原液」か、液体肥料「花工場有機液肥100」を500倍に薄めて、1週間間隔で2~3回追肥します。

除草

 マルチ栽培の場合は、マルチの穴の部分、マルチなし栽培の場合は畝全体を見て、雑草が生えていたら、抜きましょう。

収穫

 全体の7~8割の茎葉が倒伏し、葉に緑色が残っている時期に収穫します。収穫後のタマネギは畑に並べて乾かし、収納します。

 なお、家庭菜園では10月上旬ごろまで、風通しのよい軒下などの日陰に吊るし、吊り玉にして保存します。冷蔵貯蔵する場合は、0~2℃が目安です。

病害虫

 アブラムシが発生したら、食品成分を使用した殺虫殺菌剤「ベニカマイルドスプレー」、天然のヤシ油を使用した殺虫殺菌剤「アーリーセーフ」、殺虫剤「家庭園芸用スミチオン乳剤」「家庭園芸用マラソン乳剤」を散布しましょう。


 葉に不規則な線状の食害跡ができるハモグリバエには、発生初期に殺虫剤「家庭園芸用マラソン乳剤」を散布しましょう。


 ネギアザミウマには、殺虫剤「家庭園芸用スミチオン乳剤」「家庭園芸用マラソン乳剤」「家庭園芸用GFオルトラン水和剤 」を散布します。


 タネバエの発生が多い畑では、「家庭園芸用サンケイダイアジノン粒剤3」を土壌混和してから苗を植えつけます。


 オレンジ色の楕円形で、やや膨らんだ小さな斑点ができるさび病には、有機農産物栽培に使える殺菌剤「カリグリーン」を散布します。


 べと病の防除には、殺菌剤「STダコニール1000」を散布します。


 葉の基部が柔らかくなって腐り、異臭を放つのは軟腐病です。被害株は抜き取って処分します。

オニオンセット栽培

 8月末に、タマネギの小さな子球を植えつけ、年内に収穫できるオニオンセット栽培という方法があります。子球は、3月にタネをまき、直径2cm程度の小さな球に肥大させたもので、8~10月にこの子球を植えつけて育てます。植えつけの時期が8月末までだと、年内に新タマネギを収穫することができます。比較的簡単なので試してみましょう。

コンテナで育てるときは

 コンテナで育てるときは、上記のオニオンセット栽培が向いています。

 8月末、標準型のプランターを用意し、プランターの底が見えなくなるぐらい鉢底石や軽石を敷きます。次いでウォータースペースを1~2cmとって用土1ℓ当たり粒状肥料「マイガーデンベジフル」を7gを混ぜた培養土を入れ、土の表面を平らにします。平らにした表土に、子球を10cm間隔で置き、先端が少し隠れるぐらいの深さに埋め、たっぷり水やりをします。その後も土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。水のやりすぎに注意しましょう。

 9月末と10月末に、土の表面を軽く耕し、根元に土寄せして、1週間間隔で2~3回、液体肥料「花工場原液」か、液体肥料「花工場有機液肥100」を500倍に薄めて追肥します。

 11月中下旬に、7~8割の茎葉が倒れてきたら、根元を持って引き抜き、収穫します。収穫後の保存方法は、菜園や畑の場合と同じです。

ムービー紹介

ビデオは、害虫の生態や寄生植物を広くご紹介するものです。ビデオの中の害虫、寄生植物は、必ずしも植物栽培ナビの害虫、植物とは一致しませんので、ご了承ください。

アブラムシの産子
アブラムシの産子

(2分35秒 WMV形式/8.6MB)

アブラムシの雌の尾部から幼虫が産まれてくる様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

アブラムシの二次被害
アブラムシの二次被害

(5分26秒 WMV形式/9.1MB)

アブラムシの二次被害として、尾部から出る排泄物がアリを誘引したり、すす病を誘発し、ウイルス病を媒介することを紹介しています。さらに、葉を萎縮させたり、湾曲させ、種類によっては葉に虫こぶ(虫えい)を作るアブラムシもいます。

アブラムシの天敵
アブラムシの天敵

(2分46秒 WMV形式/9.2MB)

ナナホシテントウの成虫や幼虫、クサカゲロウの幼虫がアブラムシを捕食する様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

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