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トマトの育て方

監修 恵泉女学園大学教授
藤田智

プロフィール
トマトの原産地は、南アメリカのアンデス高原地帯です。1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見したことをきっかけに、ヨーロッパ、そして世界各地に伝播していきました。今や、世界でも最重要とされる野菜のひとつとされていますが、その生産としての栽培が始まったのは18世紀に入ってから。特にイタリアでは、生食用から加工用に至るまで、急速に発展し、たくさんの品種が誕生しました。イタリアやフランスを経てアメリカへ導入されたのも同時期で、19世紀に入って急激に生産量が増えました。日本への渡来は18世紀の初め、観賞用として栽培されるに止まっていました。食用生産のために再導入されたのは、明治に入ってからです。しかし、生産量は微々たるものに過ぎず、栽培が一般化されたのは、1935(昭和10)年頃とされています。

 野菜の育て方の栽培暦は以下の地域区分で紹介しています。

中間地  新潟を除く関東甲信越、中部、東海、近畿、
 中国地方、石川県と富山県を除く北陸地方
寒冷地  北海道、東北地方、新潟県、富山県、
 石川県と高冷地
暖 地  四国、九州、沖縄県

 上記の地域区分は目安です。それぞれの地域でも標高や地形、年次変動によって気候条件は変わります。住んでいる地域の気候条件に合わせて栽培して下さい。



作型や品種の特徴

世界中にたくさんの品種があります。病気に強く日本で育てやすいものは、‘瑞光102'、‘豊福'、‘サターン'、‘強力米寿'などがあります。また、完熟トマトの桃太郎シリーズ、王様トマトシリーズもおすすめです。家庭菜園用には、丈夫でつくりやすいミニトマトがおすすめです。甘くおいしい‘千果'、‘ペペ'、‘ピコ'、‘アイコ'、やや大粒で食べごたえがある‘ココ'、‘小桃'などがあります。洋梨型の‘レッドペア'、同じく黄色い実の‘イエローペア'や、イチゴ形の実の‘トマトベリーガーデン'、珍しいオレンジ色の‘オレンジキャロル'も育てやすい品種です。‘レジナ'は草丈が低く、コンテナ栽培も可能です。また、大玉とミニの中間ぐらいの大きさの実をつけるのが、中玉トマトと呼ばれるグループです。甘く、葉カビ病に耐病性のある‘フルティカ'のほか、育てやすい‘ルイ40'、‘ルイ60'もおすすめです。さらに、簡単に本格的なトマトソースをつくることができる注目のグループ、調理用トマトでは、‘ティオ・クック'、‘パスタ'、‘ルンゴ'などがあります。

育て方のコツ

 トマトはナス科の野菜なので、連作障害に注意します。前年にトマトのほか、同じナス科のナス、ピーマン、ジャガイモなどを植えつけた場所は避けましょう。また、トマトは、第1花房に着果させることが、株の実つきをよくするポイントです。しかし、第1花房の開花時期は低温期です。植物成長調整剤「日産トマトトーン」50~100倍液、または植物成長調整剤「日産トマトトーンスプレー」をそのまま散布して、着果を促しましょう。散布は、1つの花房の2~3花が開花したときに、花房全体に1回だけ散布します。2度がけすると、薬害の原因となるので注意します。

植えつけ

苗の植えつけ適期は、4月下旬~5月中旬です。植えつけの2週間前に、苦土石灰を1m2当たり150gまき、よく耕しておきます。1週間前、1m2当たり完熟牛ふん堆肥を4kg、粒状肥料「マイガーデンベジフル」150~200gをまいてよく耕し、幅120cmの畝をつくります。トマトは水はけのよい場所を好むので、畝は通常よりやや高めがよいでしょう。また、ポリマルチをかけておくと、地温を上昇させることができます。

 植えつけの適期は、晩霜の心配がなくなる4月下旬~5月上旬です。苗を購入するときには、双葉がついて、節間が詰まったがっしりした苗を選びましょう。さらに葉色が濃く、病害虫がないこと、根元がグラグラしないこと、第1花房が開花している苗がベストです。また、市民農園などで前作が分からない場合など、連作障害や病害が気になる場合は、丈夫な接木苗を購入するとよいでしょう。市販苗は、9cmポットサイズが多く、植えつけには小さい場合があります。購入後に一度12cmポットに植え替えて、第1花房が開花してから植えつけることをおすすめします。

 苗は、株間45~50cm、条間60cmの2条植えが基本です。土づくりの際にかけておいたポリマルチに印をつけ、移植ゴテをさして穴をあけ、植え穴を掘ります。植え穴には、まず水をたっぷりと注ぎ、水が引いたら苗を植えつけましょう。苗を植えつける際、通路側に花房が向くように苗の向きに注意します。トマトの花房は同じ向きにつくるので、管理や収穫作業がラクです。

管理

支柱立て

支柱の立て方には、合掌式と直立式がありますが、2条植えの場合は、合掌式がおすすめです。支柱は、2.4mほどのものを使います。植えつけ前にあらかじめ立てておいても、植えつけ後に株の側に立てるのでも、どちらでも構いません。また、植えつけ直後は長さ50~60cmの仮支柱を斜めに立てておき、後ほど本支柱に差し替える方法もあります。

わき芽摘み

葉や茎が勢いよく成長し始めると、葉のつけ根からわき芽が出てきます。トマトは、このわき芽を全て摘み取ることが大切で、主枝1本にだけ実をつけさせる1本仕立てで育てます。わき芽を摘み取ると、実が大きく育つほか、日当たり、風通しがよくなり、病害虫の発生も予防できます。

整枝と誘引

花房のすぐ下のわき芽を摘み取ったら、茎にひもを巻きつけ、8の字状になるよう何度かねじった後、支柱にしっかりと縛って誘引します。わき芽摘みと誘引は、週1回行いましょう。

摘心

トマトが背高くのび、支柱の先端に届くぐらいになったら、茎の先端を摘み取る摘心をします。花房の数が4~5段を目安にし、先端に葉を2枚残して、その先を摘み取ります。

追肥

第1花房の実がピンポン玉の大きさになった時と、第3花房の実がピンポン玉の大きさになった時の計2回、追肥をします。500倍に薄めた液体肥料「花工場原液」や「花工場有機液肥100」を水やり代わりに施します。その後は、生長具合に合わせて、追肥しましょう。

収穫

 開花後50~55日ほどで、実が赤く色づいてきます。ヘタ近くまで赤くなった実を、ヘタのすぐ上で切って収穫します。また、雨に当たると実が裂けることがあるので、雨が多い場合は、雨よけをしつらえておくとよいでしょう。

病害虫

新芽につきやすいアブラムシには、殺虫剤「ベニカベジフルスプレー」、「GFオルトラン水和剤」、殺虫殺菌剤「ベニカグリーンVスプレー」を散布して退治します。殺虫殺菌剤「ベニカマイルドスプレー」の有効成分は食品成分を使用しており、より安心して利用できます。また、苗の植えつけ時、植え穴に殺虫剤「GFオルトラン粒剤」を散布したり、「オルトランDX粒剤」を植え穴の土に混ぜておくと、発生を抑制する効果が持続します。

葉裏に寄生するコナジラミ類は、殺虫剤「ベニカ水溶剤」や殺虫殺菌剤「モスピラン・トップジンMスプレー」で退治します。「モスピラン・トップジンMスプレー」は浸透移行性で効果が続き、葉かび病にも効果があります。

葉かび病の防除には、ほか殺虫殺菌剤「ベニカグリーンVスプレー」や、殺菌剤「STサプロール乳剤」、「ベンレート水和剤」も効果があります。株が突然枯れる疫病には、殺菌剤「STダコニール1000」を散布して予防しましょう。

コンテナで栽培するときは

‘レジナ'は、草丈が30~40cmほどでコンテナ向きです。直径30cm以上のコンテナを使い、1ℓ当たり粒状肥料「マイガーデンベジフル」を5~6gよく混ぜ込んだ用土に植えつけます。また、支柱をしっかり立てれば、ミニトマトはもちろん、大玉品種も栽培できます。また、栽培していると土の表面に根が出てくるので、時々、土を足してやると効果的です。第1花房の実がピンポン玉の大きさになったら、1週間に1回、1,000倍に薄めた液体肥料「花工場原液」や、500倍に薄めた液体肥料「花工場有機液肥100」を水やり代わりに施しましょう。わき芽摘みと誘引をしっかり行い、葉が茂りすぎるのを防ぐことが大切です。

タネから育てるときは

苗が出回らない珍しい品種のトマトを栽培するのであれば、タネをまき、2か月間に渡ってポリポットで育苗する必要があります。また、一般的な植えつけ時期は4月下旬~5月中旬のため、タネは2月中旬~下旬にまき、保温して管理する必要があります。家庭用の保温器もありますが、保温器がない場合は4月にタネをまき、6月に畑に植えつけるのが無難です。12cmポリポットにタネまき用培養土を入れ、3粒のタネをまき、発芽したら2本残して間引きます。本葉2~3枚で元気のよい苗を1本残して育苗します。その後、週に1回1,000倍に薄めた液体肥料「花工場原液」や、300倍に薄めた液体肥料「花工場有機液肥100」を水やり代わりに施し、肥料切れに注意します。第1花房が開花する頃に植えつけます。

ムービー紹介

ビデオは、害虫の生態や寄生植物を広くご紹介するものです。ビデオの中の害虫、寄生植物は、必ずしも植物栽培ナビの害虫、植物とは一致しませんので、ご了承ください。

アブラムシの産子
アブラムシの産子

(2分35秒 WMV形式/8.6MB)

アブラムシの雌の尾部から幼虫が産まれてくる様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

アブラムシの二次被害
アブラムシの二次被害

(5分26秒 WMV形式/9.1MB)

アブラムシの二次被害として、尾部から出る排泄物がアリを誘引したり、すす病を誘発し、ウイルス病を媒介することを紹介しています。さらに、葉を萎縮させたり、湾曲させ、種類によっては葉に虫こぶ(虫えい)を作るアブラムシもいます。

アブラムシの天敵
アブラムシの天敵

(2分46秒 WMV形式/9.2MB)

ナナホシテントウの成虫や幼虫、クサカゲロウの幼虫がアブラムシを捕食する様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

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