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ピーマンの育て方

監修 恵泉女学園大学教授
藤田智

プロフィール

「ピーマン」の語源は、フランス語のPimentに由来するといわれています。原産地は、中央アメリカから南アメリカの熱帯地域で、アメリカ大陸を発見したコロンブスによって1493年にスペインに紹介されたことにより、ヨーロッパ全域へ広まっていきました。さらにインドから中国へ伝わったのが17世紀頃。日本には16世紀には伝わっていたとされています。

ピーマンとトウガラシは同じカプシクム属(Capsicum annuum)で、日本では、辛味のあるものをトウガラシ、辛味がないものをピーマン呼んでいます。ただし、激辛のハバネロやハラペーニョなどは、別種になります。また、高温性のため暑さに強く、病虫害も少ないため、比較的栽培しやすい果菜類です。 

栄養面で見ると、ピーマンは、カロテン、ビタミンCを多く含みます。近年、おなじみの緑色の未熟果だけでなく、完熟した赤、黄、オレンジ色、紫などの、カラフルなカラーピーマンも広く作られるようになりました。鮮やかな色彩が、サラダや料理の彩りとして利用されています。

 野菜の育て方の栽培暦は以下の地域区分で紹介しています。

中間地  新潟を除く関東甲信越、中部、東海、近畿、
 中国地方、石川県と富山県を除く北陸地方
寒冷地  北海道、東北地方、新潟県、富山県、
 石川県と高冷地
暖 地  四国、九州、沖縄県

 上記の地域区分は目安です。それぞれの地域でも標高や地形、年次変動によって気候条件は変わります。住んでいる地域の気候条件に合わせて栽培して下さい。



作型や品種の特徴

ピーマンは、実の大きさによって、3タイプに分類されています。

おなじみの緑色の実のピーマンは、中果種です。果実が40gほどの‘エース'、‘ニューエース'はつくりやすく、濃緑色の実が美しく、何よりも収穫量が多いのが魅力です。‘京波'は、1果30gほどの実がよくそろってつきます。‘京ひかり'、‘京鈴'は、ウイルス病の抵抗性があり、低温期でもよく実がつきます。‘京みどり'は柔らかく、食味に優れます。‘京ゆたか'は、収穫量が多く、日持ちがする品種です。‘京ゆたか7'は、低温期から高温乾燥期でも実つき、実の肥大がよい品種。‘翠玉二号'は形がよい実が長期間収穫できる、家庭菜園向きの品種です。

菜園の彩りとしても取り入れたい、カラフルな実をつける大果種は、パプリカ種ともいわれます。1果の重さが150gにもなる‘ワンダーベル'の真っ赤に完熟する実は肉厚で甘味があり、サラダに向きます。牛角型の‘イエローホルン'はウイルス病抵抗性品種です。味がよく、栽培も容易です。‘フルーピーイエロー'は、ビタミンC、ルティンが豊富な黄実品種。栽培しやすく、初期でも十分な収穫量が望めます。甘みが強く赤い色が美しい‘フルーピーレッド'は、ビタミンCを豊富に含み、栽培しやすい品種です。

ピーマンの仲間の小果種が、いわゆるシシトウガラシです。‘ししとう'は、鮮緑色のよい実がたくさんつく、作りやすい品種です。‘甘とう美人'は、実の長さが15cmほどになります。味わいがよい、甘長トウガラシです。‘伏見甘長'は、実の長さが10~12cmになります。ツヤのある実は緑色が濃く、辛味が少なく食べやすい品種です。なお、京都の地方野菜「万願寺トウガラシ」は、このシシトウガラシのひとつです。大正時代に京都府舞鶴市で、伏見トウガラシとピーマンの交雑から誕生しました。万願寺地区で多く作られたことから、この名で呼ばれています。伏見トウガラシなどに比べればまだ歴史が浅いため、「京の伝統野菜34種」には含まれていませんが、柔らかく、煮浸しや天ぷらなどにするととても美味です。家庭菜園に向く品種としておおいにおすすめします。

育て方のコツ

ピーマンはナス科の野菜なので、連作による土壌病害などの発生が見られます。3~4年以上、ナス科の野菜をつくっていない場所を選びましょう。

また、畑のシシトウが突然辛くなってしまうのは、トウガラシの花の花粉を受粉した結果ではなく、水不足などのストレスを受けて辛味が増すのがその理由です。乾燥、肥料不足に注意し、適切な管理を心がけましょう。

植えつけ

4月下旬~6月上旬が苗の植えつけ適期です。ピーマンは通気性のよい土壌を好みます。植えつけ2週間前に、畝幅60cmを測り、苦土石灰を1m2当たり100gまき、よく耕しておきます。植えつけ1週間前、畝の中央に深さ30cmほどの溝を掘り、1m2当たり完熟牛ふん堆肥を3kg、粒状肥料「マイガーデンベジフル」150~200gを施して埋め戻し、溝施肥にします。通気性と水はけをよくするために、20cmほどを目安にし、やや高めの畝を立てます。ポリマルチをかけておくと地温が上昇し、生育を促します。1週間後、株間45~50cmをとって植え穴を掘り、注いだ水が引いたら苗を植えつけ、40~50cmの仮支柱を立てて誘引しておきます。

管理

整枝・誘引

1番果がついて肥大し始める頃、わき芽がのびてきます。主枝と勢いよくのびるわき芽2本を残し、それより下からのびるわき芽は全て取り除いて「3本仕立て」にします。このとき、長さ150cmの支柱を2本を60度の角度でX型立て、それぞれの枝をしっかりと結び留めて誘引しましょう。生長とともに枝が込み合ってきたら、適宜枝を剪定します。

追肥

1番果を収穫した時に、追肥を始めます。1週間に1回、500倍に薄めた液体肥料「花工場原液」や「花工場有機液肥100」を水やり代わりに施します。次々に実がつくので、疲労させないように追肥を忘れないように施しましょう。

収穫

 開花から収穫までの日数は、約15~20日です。たくさん実がついた場合は、早めにどんどん収穫し、株が疲労するのを防ぐことが大切です。収穫が遅れた実は皮が硬くなり、色も悪くなります。なお、完熟した実を取る場合や大果種(パプリカ種)は、開花後60日前後の実を収穫します。

病害虫

新芽に発生しやすいアブラムシには、殺虫剤「ベニカ水溶剤」、食品成分を使用した殺虫殺菌剤「ベニカマイルドスプレー」を散布して退治します。また、苗の植えつけ時には植え穴へ、および生育期中には株元へ、殺虫剤「GFオルトラン粒剤」を散布しておくと、アブラムシの発生を抑える効果が持続します。

夏の高温期に発生しやすいハダニには、天然ヤシ油使用の殺虫殺菌剤「アーリーセーフ」や、殺虫剤「ダニ太郎」なら、収穫前日まで使用できます。

風通しの悪い場所で発生しやすいうどんこ病は、殺菌剤「STダコニール1000」、殺虫殺菌剤「兼商モレスタン水和剤」を散布します。

夜間に活動し、見つけにくいヨトウムシには、殺虫剤「ST ゼンターリ顆粒水和剤」を散布します。化学殺虫成分ではなく、天然成分を使用した、環境への影響にも配慮した殺虫剤です。

コンテナで栽培するときは

直径、深さともに30cm以上、25ℓ以上の大型コンテナを使い、水はけのよい培養土を使います。2cmほどウォータースペースをとって市販の野菜用培養土を入れ、まず、用土1ℓ当たり粒状肥料「マイガーデンベジフル」5~6g をよく混ぜ込み、中央に植え穴を掘って苗を植えつけます。たっぷりと水やりをし、その後は乾かしすぎないように日当たりのよい場所で育てます。畑と同様に支柱を立て、整枝をして3本仕立てにします。のびた枝をこまめに誘引しながら育てます。肥料切れさせないように、植えつけ2週間後から、1週間に1回、1,000倍に薄めた液体肥料「花工場原液」や、500倍に薄めた液体肥料「花工場有機液肥100」を水やり代わりに施します。

タネから育てるときは

タネまきから植えつけ適期の苗を育てるまでに、ピーマンはおよそ70日前後要します。5月の植えつけを目標にするには、2月下旬のタネまきが必要で、保温が欠かせません。家庭では、4月上旬にタネをまき、6月植えつけをプランしましょう。直径12cmのポリポットにタネまき用培養土を入れ、4~5粒のタネをまきます。発芽後、よい芽を3本残して間引きます。本葉2~3枚の時に2本に、本葉4~5枚の時期に1本立ちにして育てます。2回目の間引き後から、週に1回、1,000倍に薄めた液体肥料「花工場原液」や、300倍に薄めた液体肥料「花工場有機液肥100」を施しましょう。1番花が開花する頃、畑やコンテナに植えつけます。

ムービー紹介

ビデオは、害虫の生態や寄生植物を広くご紹介するものです。ビデオの中の害虫、寄生植物は、必ずしも植物栽培ナビの害虫、植物とは一致しませんので、ご了承ください。

アブラムシの産子
アブラムシの産子

(2分35秒 WMV形式/8.6MB)

アブラムシの雌の尾部から幼虫が産まれてくる様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

アブラムシの二次被害
アブラムシの二次被害

(5分26秒 WMV形式/9.1MB)

アブラムシの二次被害として、尾部から出る排泄物がアリを誘引したり、すす病を誘発し、ウイルス病を媒介することを紹介しています。さらに、葉を萎縮させたり、湾曲させ、種類によっては葉に虫こぶ(虫えい)を作るアブラムシもいます。

アブラムシの天敵
アブラムシの天敵

(2分46秒 WMV形式/9.2MB)

ナナホシテントウの成虫や幼虫、クサカゲロウの幼虫がアブラムシを捕食する様子を拡大顕微鏡で撮影しています。

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