植物栽培ナビイチゴ【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

コンテナで育てるときは

 イチゴの苗は、10月中旬ごろから11月上旬に園芸店などで購入します。苗を購入する際は、株元のクラウンが充実していること、根鉢がしっかりできていること、葉に光沢があり病害虫にやられていないこと、株ががっしりしていることなどをポイントに選びます。また、3月~4月に出回る、開花している苗を購入してもよいでしょう。

 コンテナに3株植えつける場合は、標準型(20×65×20cm程度、12ℓ)のプランターを利用します。コンテナの底に、底が見えなくなるぐらいの量の軽石を敷き、ウォータースペースを2cmぐらいとって、用土1ℓ当たり粒状肥料「マイガーデンベジフル」を5~6gを混ぜた培養土を入れます。苗をポットから取り出し、株間20~25cm間隔で植え穴を掘って、クラウンを埋めないように浅めに植えつけます。また、ランナーの跡をそろえて植えつけると、実のなる向きが揃います。

 コンテナは日当りのよい場所に置き、植えつけ後と、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。

 1月下旬~2月上旬、用土1ℓ当たり粒状肥料「マイガーデンベジフル」を5~6g を目安に、土の上にばらまいて追肥します。あるいは、週に1回、500倍に薄めた液体肥料「マイガーデン液体肥料」か、液体肥料「花工場原液」か「ベジフル液肥」を、水やり代わりに与えてもよいでしょう。また、開花し始める3月下旬と、実が肥大し始める4月中旬に、同量の肥料を施します。そのほか、枯れ葉摘みや、収穫は、畑や菜園で栽培する場合と同じです。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

作型や品種の特徴

 作りやすい品種は、‘宝交早生'、‘ダナー'、‘北の輝'などです。これらの品種は、畑でもプランターでもよく実がつきます。また、人気品種としては、甘味が強くジューシーな‘とよのか'、酸味が少なく甘い‘さちのか'、甘酸が調和している‘女峰'、実が長めで甘味の強い‘章姫'、甘味と酸味のバランスが良い‘アスカルビー'などがあります。

 

育て方のコツ

 イチゴの葉のつけ根には、ギザギザの部分があります。これをクラウンといいます。このクラウンがほんの少し隠れる程度に浅植えにするのがコツです。

 

植えつけ方

植えつけ

 イチゴは水はけがよく、適度の保湿性と通気性をもった肥沃な土で、日当たりのよい場所を好みます。苗は10月中旬から11月上旬、種苗店や園芸店で購入して用意しましょう。

 植えつけの2週間前に、1m²当たり100~150gの苦土石灰を散布してよく耕します。1週間前、1m²当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり150~200gを散布し、さらによく耕します。幅60cm、高さ10cmの平畝をつくり、株間30cm、条間30cmの2条植えにします。葉のつけ根のクラウンが、少し隠れる程度に浅植えにし、たっぷりと水やりをします。

 

栽培管理

管理

水やり

 乾燥が激しい場合、たっぷりと水やりします。

中耕・除草・追肥

 植えつけ後、除草を兼ねて、1~2回中耕します。3月上旬に条間に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり150gをばらまいて追肥し、中耕します。果実の肥大開始期に週に1回、500倍に薄めた液体肥料「マイガーデン液体肥料」か、液体肥料「花工場原液」か「ベジフル液肥」を与えると効果的です。

枯れ葉摘み

 植えつけ後、寒冷期に入ると成長が止まって休眠します。1~2月に枯葉をこまめに取り、病気が発生しないよう注意します。

マルチング

 2月~3月、幅95cmの黒マルチをイチゴの株の上からかけ、マルチの周囲を土で押さえます。マルチの上からイチゴの株を探り、マルチを破ってイチゴの株を上にのぞかせます。果実が汚れるのを防ぎ、地温を上げるのに効果があります。

次年度の苗づくり

 収穫が始まるころから、ランナーが伸びはじめ、子株ができます。培養土を入れた10.5cmポリポットを用意し、その真ん中に親株から伸びてきた子株を置き、ランナーを小石やUピンなどで押さえ、1日1~2回水やりすると、10~15日ほどで活着します。子株にランナーを2cmぐらいつけて、ハサミで親株と切り離すと、翌年の苗が完成します。ポリポットのまま、植えつけ適期の10月中旬まで管理しましょう。

 

収穫

収穫

 5月中旬ごろから、ヘタ近くまで真っ赤に色づいた完熟の実を収穫します。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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