植物栽培ナビしゅんぎく【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

コンテナで育てるときは

 培養土が12ℓ程度入る、標準型(20×65×20cm程度)のプランターを使います。プランターの底が隠れるぐらいの量の鉢底石を敷き、ウォータースペースを1~2cmとって、用土1ℓ当たり粒状肥料「マイガーデンベジフル」を7gを混ぜた培養土を入れます。土の表面を平らにし、10~15cm間隔、深さ1cm程度のまき溝を2条つくって、タネを1cm間隔でまきます。タネが少し隠れる程度に薄く覆土し、土の表面を軽く押さえて、たっぷりと水やりしましょう。タネが発芽するまでは、土の表面が乾かない程度に水やりします。

 発芽したら、本葉1~2枚のころに3~4cm間隔に間引きます。間引いたら、株元に土をつまんで寄せておきましょう。本葉3~4枚のころに2回目の間引きをし、5~6cm間隔にします。その際に、500倍に薄めた液体肥料「マイガーデン液体肥料」か「花工場原液」か「ベジフル液肥」を、水代わりに与えます。

 本葉6~7枚のころ、10~15cm間隔に間引き、同様に追肥して土寄せします。草丈が20~25cmになったら、主枝を手で折って収穫します。このとき、株元に近い葉のわき芽を残しておくと、新しい葉が伸びて、2~3回収穫できます。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

作型や品種の特徴

 シュンギクは、葉の切れ込み程度により、大葉種、中葉種、小葉種に分類されています。日本全国で最も栽培の多い品種が、中葉種です。中葉種は、側枝の分岐が少なく、茎が伸びやすい「摘み取り型」と、根元から株が張り、側枝の分岐が多い「株張り型」の2タイプに分類されます。

 摘み取り型の品種では、‘きわめ中葉春菊'が寒さに強く、低温伸長性があり、葉色も濃く品質もよくおすすめです。また、‘中葉新菊'も収量が多く、つくりやすい品種です。

 株張り型の品種では、‘菊次郎'が分枝性が強く、揃いもよく、柔らかな葉です。また石灰欠乏症にも強いので、家庭菜園向きです。‘株張り中葉春菊'は、耐暑性、耐寒性ともに強く、株元からの分枝が多い多収品種です。

 「大葉種」は、葉が大型で、切れ込みが浅く、葉肉が厚い品種です。中葉種より葉が柔らかく、苦味が少ないのが特徴です。代表的な品種‘大葉春菊'は、風味のよい大型で、肉厚の葉が自慢。鍋物だけでなく、サラダ野菜として生でもおいしく利用できます。 「小葉種」は、葉が小型で、切れ込みが多く、葉肉が薄い品種です。収量も少なく、とう立ちも早いので、現在、あまり栽培されていません。

育て方のコツ

 シュンギクのタネは好光性種子(光発芽種子[こうはつがしゅし])なので、覆土はごく薄くかけましょう。

タネまき

 タネまきは、春まきは4月~5月中旬、秋まきは9月~10月上旬がベストです。タネまきの2週間前までに、1m²当たり100~150gの苦土石灰を散布してよく耕します。次いで1週間前までに、1条まきでは畝幅60cm、2条まきでは畝幅1mとし、畝全面に1m²当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり200gを散布し、土に混ぜ込み、高さ10cm程度の平畝を作ります。

 1条まきでは、畝の中央に深さ5mmほどの浅いまき溝をつくり、タネを1cm間隔でまきます。2条まきでは条間30cmとし、同じく深さ5mm程度のまき溝に、1cm間隔でタネをまきます。タネまき後は、十分に水やりし、発芽まで乾燥させないようにします。

 

栽培管理

管理

水やり

 乾燥が激しい場合、たっぷりと水やりします。

間引き・追肥・土寄せ

 1 抜き取り収穫の場合

発芽したら、本葉1~2枚の頃に3cm間隔に間引き、軽く土寄せし、株がぐらつかないようにしましょう。同時に500倍に薄めた液体肥料「マイガーデン液体肥料」か「花工場原液」か「ベジフル液肥」を、水代わりに与えます。さらに、本葉5~6枚頃に、同様の肥料を施して土寄せします。

 2 摘み取り収穫の場合

発芽したら3cm間隔に間引き、土寄せをするまでは1 と同じです。本葉3~4枚の頃、6cm間隔に2回目の間引きをし、同様の肥料を追肥します。さらに、本葉5~6枚頃に、15~20cm間隔に3回目の間引きをし、同様の肥料を施して土寄せします。

防寒対策

 シュンギクは、5℃以下になると、生育が急に劣ります。葉が傷みやすいため、晩秋から冬には防寒するとよいでしょう。収穫が大幅にアップします。防寒は、ビニールフィルムや不織布を使ったトンネル栽培にするのが一般的です。

 

収穫

収穫

 1 抜き取り栽培の場合

草丈が20cm程度に育ってきたら、根から株ごと引き抜いて収穫します。

 2 摘み取り栽培の場合

草丈が25~30cm程度になったら、地際を4~5cm残して手で摘み取り、収穫します。以後、わき芽が伸びてくるので、それを順次収穫できます。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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