植物栽培ナビブロッコリー【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

コンテナで育てるときは

 コンテナ栽培には茎ブロッコリーが向きます。大型(25ℓ以上)のプランターを用意し、底が見えなくなるくらいの鉢底石を敷きます。ウォータースペースを2~3cmあけて、あらかじめ用土1ℓ当たり7gの粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混ぜ込んだ市販の野菜用培養土を入れます。表面を平らにし、コンテナの中心に畑や菜園同様、植え穴を掘り、たっぷり水を注ぎます。水が引いたらポリポットから出した苗を据え、株元を軽く押さえ、再びたっぷりと水やりしましょう。

 コンテナでも、畑同様の時期に追肥をします。週に1回、液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「ベジフル液肥」を水で500倍に薄めて、1週間毎に与えます。早生種なら、苗の植えつけから55~60日ほどで花蕾を収穫できます。収穫の目安は、畑や菜園と同様です。ただしコンテナでは、育つ花蕾もやや小振りです。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

作型や品種の特徴

 ブロッコリーは、苗の植えつけ後50日余りで収穫できる、極早生種の‘シャスター'や、植えつけ後55日余りで収穫可能の早生種、‘エルデ'、‘すばる'などが、初心者向けの品種です。

 また、中早生種の‘ハイツ'、‘緑嶺'は、植えつけ後65日で収穫でき、さらにたくさんの側花蕾も収穫できる多収品種で、くせがなくおいしいので、家庭菜園におすすめの品種です。

 植えつけ後75日で収穫できる中生種には、‘グリーンハット'、‘グリーンパラソル'などがあります。大きな花蕾が収穫できる中晩生~晩生種には、‘エンデバー'や‘ビッグドーム'などが家庭菜園向きです。

 また、最近登場した茎ブロッコリーの‘スティックセニョール'や‘グリーンボイス'は、小さな蕾と柔らかく長い茎を食用にする品種で、耐暑性に富み、夏季でも安定した収穫が期待できます。

育て方のコツ

 ブロッコリーやカリフラワーの花蕾を大きく育てるコツは、できるだけ外葉を大きく育てること。株自体が小さいと、小さな花蕾しかできません。そのためには、まず土作りが大切です。完熟堆肥などの有機物を、たっぷり施すように心がけましょう。

タネまき

 春まきでは、2月中旬~3月中旬にタネまきし、6月に収穫します。夏まきでは、7月中下旬にタネをまき、10月下旬から収穫します。まず、培養土を入れた9cmポットにタネを5~6粒まき、発芽したら3本に間引きます。本葉2枚で2本に、本葉3~4枚の時に1本立ちにし、本葉5~6枚になったら、植えつけます。

 

植えつけ方

植えつけ

 苗は、タネまきから育苗するか、購入して用意します。苗が園芸店などに並ぶのは、春なら3月下旬ごろから、秋には8月中・下旬ごろからです。タイミングを逃さず、本葉5~6枚の苗を入手しましょう。

 以前にアブラナ科の植物を植えた場所を避けて、植え場所を準備します。植えつけの2週間前に、1m²当たり100gの苦土石灰を散布し、よく耕しておきます。1週間前、1m²当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり200gを散布し、よく土に混ぜ込みます。幅60~70cmの平畝をつくり、株間40~45cmをあけて植え穴を掘って、水をたっぷり注ぎます。水が引いたら苗を植えつけ、株元をしっかり押さえて、土と根鉢を密着させましょう。

 なお、アブラナ科野菜を連作し、根こぶ病が多発している畑では、堆肥を多めに施し、同時に「石原フロンサイド粉剤」などの土壌殺菌剤を処理することをおすすめします。

 

栽培管理

管理

追肥・土寄せ

 花蕾が形成される前に、いかに株を大きくするかで花蕾の大きさが決まるので、植えつけ後の追肥・土寄せが重要です。

 植えつけ後、本葉が10枚程度になったら、株元に軽く土寄せし、液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「ベジフル液肥」を水で500倍に薄めて、1週間毎に2~3回与えます。第2回目の追肥は、その1ケ月後。土寄せとあわせて、同様に肥料を与えます。

 

収穫

収穫

 ブロッコリーの花蕾が大きく育ち、小さな蕾がはっきりと見え、固く締まってくれば収穫適期です。茎の部分も柔らかく美味しいので、アスパラガスのように利用しましょう。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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