植物栽培ナビイチゴ【鉢植え】の育て方

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

漢字表記では、苺と書きます。

 

現在私たちが普通に見かけ、食しているイチゴは、栽培イチゴと呼ばれるグループです。この栽培イチゴは、北アメリカ原産のバージニアイチゴと、チリ原産のチリイチゴの交雑種といわれ、18世紀のオランダで誕生したとされています。

 植物分類的には、オランダイチゴ属(Fragaria)に属します。オランダイチゴ属には20以上の種、雑種、栽培品種などが含まれており、作物としても大きなグループといえます。

 

日本にもヘビイチゴやナワシロイチゴなどの野生のイチゴが自生していますが、栽培イチゴとは種類が違います。栽培イチゴはオランダから、江戸時代末期に日本へ導入されました。しかし、当初は観賞用として用いられ、普及が始まったのは、フランス、アメリカなどからさまざまな栽培イチゴが導入され、品種改良が行なわれるようになる明治時代に入ってからです。

 

日本のイチゴの誕生の地は、現在の新宿御苑です。宮内省(現在の宮内庁)管理の農業試験場であった同地に務めた福羽逸人(ふくばはやと)博士は、フランスからイチゴのタネを取り寄せ、育った苗からタネを採取、選別し、1899年、日本で育てやすい新たな品種「福羽」を作出しました。

 

ハーブとしても挙げられるワイルドストロベリーは、ヨーロッパ、西アジア、北アメリカに分布する野生イチゴのひとつ、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)で、オランダイチゴとは同属の別種です。栽培イチゴがつくられる以前は、イチゴといえば、このワイルドストロベリーを指していました。果実(正式には偽果)は小ぶりなものの、丈夫で四季なり性があるので、庭の彩りにも利用されます。

 

おすすめの品種:[一季なり]とちおとめ、宝交早生、女峰、章姫など。

[四季なり]セリーヌなど。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・苗(元気な葉がつき、株元の袴状のクラウンが太く大きな苗)
・ストロベリーポット
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット
・移植ゴテ、または土入れ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・ジョウロ

 

ワンポイント

ストロベリーポットは、まさにイチゴの果実が土や雨水の跳ね返りで汚れないようにつくられた鉢です。ただし、ポケットの部分が浅すぎたり、前傾していて土がこぼれやすい製品もあります。購入するときは、よく確認しましょう。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 10月中旬~11月中旬

①ストロベリーポットの底から下段のポケットの下まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れます。

②下段のポケット部分に、ポリポットを外したイチゴの苗をさし、用土を注いで植えつけます。

③上段のポケットの下まで、①と同じ用土を入れ、②と同様に苗を植えます。

④上部の縁から3~4cm下まで①と同じ用土を入れて苗を植えつけ、上面、各ポケットともにたっぷり水やりをします。

 

イラストのA~Fのアルファベット順のように、ストロベリーポットの底部に用土を入れ、ポケットに苗をさし込んで植えて用土を足しながら植えていく。

 

ワンポイント

クラウンが埋もれてしまわないように注意し、果実がポケットから垂れるようにするため、ランナーの跡を背面にします。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・フォーク(食事用のものを専用に)

 

ワンポイント

ストロベリーポットは、1週間に1回を目安に1/3〜1/4回転ほどさせて、全部のポケットの株に、まんべんなく日が当たるようにしましょう。

置き場所

 

風通しのよい日なたで、できれば軒下などに置きましょう。

 

水やり

 

土の表面が乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。葉や果実に水がかからないように注意しましょう。水やり回数の目安は以下です。10月中旬 2日に1回、11月〜3月 3〜5日に1回、4月〜6月 2日に1回

 

肥料

 

2月下旬から3月上旬ごろ、規定倍率に希釈した液体肥料を定期的に施します。

 

防寒・冬越し

 

プランターは、北風が当たらない南向きの軒下などに置きましょう。強く霜が下りるようなら、防虫ネットをかけるとよいでしょう。冬越し中の水やりは、午前10時〜午後1時の暖かな時間帯に行ない、夜間に土が凍るのを防ぎます。ジョウロやバケツに溜めておいた水を用いると、冷たすぎるのを避けられます。

 

ふやし方

 

収穫後の6月ぐらいから、ランナーが伸びて子株がつくので、これを切ってポリポットに植えて育て、次の苗にします。親株の病気がうつっていないように、2番目以降の子株をとるようにしましょう。
ワンポイント 大きく形のよい果実をつけさせるために、人工授粉を行ないます。特に寒い時期は、花粉を運ぶ昆虫がまだ少なく、マンションの高層階のベランダには昆虫が飛来しにくいので、人工授粉が効果的です。

 

ワンポイント

大きく形のよい果実をつけさせるために、人工授粉を行ないます。特に寒い時期は、花粉を運ぶ昆虫がまだ少なく、マンションの高層階のベランダには昆虫が飛来しにくいので、人工授粉が効果的です。

 

花が咲いたら、毛先の柔らかい筆などで花粉を雌しべにそっとなでつけて受粉させる。

収穫

へたのすぐ下まで果実が色づいたら、収穫します。

ワンポイント

へたの部分に手を添えて果実を引っ張ると、かんたんに果実が外れます。

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」園主。 野菜ソムリエ(ジュニア)。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。

害虫・病気対策

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イチゴ【鉢植え】で適用のある害虫・病気と対処薬剤

害虫

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使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
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