植物栽培ナビきゅうり【鉢植え】の育て方
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植えつけから収穫までの期間 | |
開花から収穫までの期間 |
漢字表記では、胡瓜と書きます。
キュウリはナスと同様、インド原産の野菜です。そして日本では、代表的な夏野菜のひとつと数えられています。しかし、その場所はヒマラヤ山脈山麓。そのため意外にも冷涼な気候を好みます。夜の気温が20℃以上になると、疲労し、花が咲かなくなったり、曲がった果実をつけるようになります。
発芽から約3カ月、花が咲いてからは7~8日で収穫できる、果菜類のなかでは短期間で収穫に至ります。果実の長さは1日で3~4cmも伸びるといわれます。収穫のタイミングを逃さないように、身近なベランダなどで栽培するには恰好の野菜です。
本来キュウリの果皮は、白っぽい粉のブルームが付着していて、自らを乾燥や雨から守っていました。以前はこのブルームキュウリが主流でしたが、見かけが悪いとのことでブルームのないキュウリが開発され、現在はブルームレスキュウリが主流となっています。
また、現在見られるキュウリのいぼは、ほぼ白いものばかりですが、かつては黒いぼ系が主流でした。黒いぼ系は寒さに強い利点があり、漬物に向きます。食生活の変化からサラダなどで食される機会がふえ、生食に向く白いぼ系が主流に変わっていったのです。白いぼ系は黒いぼ系に比べ、耐病性が高い利点があります。
おすすめの品種:R夏すずみ、夏さんご、よしなり など。[そのほか]ラリーなどのミニキュウリや、イボが特徴の四葉(すーよー)キュウリなどもあります。四葉キュウリは、とくに漬物に向きます。
キュウリは、苗を購入して育てるのが一般的ですが、タネから育てる場合は、3月上旬~4月上旬にタネをまきます。発芽温度が20~30℃と高いので、ホットマットなどの加温用具があるとよいでしょう。
3号(直径9cm)ポリポットに培養土を入れ、3粒のタネをまき、しっかり覆土します。3~4日後に発芽したら1本間引き、本葉1枚のときにもう1回間引いて1株にして育てましょう。
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準備
使用するもの
・苗(本葉2〜3枚の若い苗)
・大型プランター
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターに付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・支柱2本(仮支柱用30〜40cm)
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・ジョウロ
本葉2 〜3枚で、太く節間が詰まった苗を選びましょう。双葉がついた苗なら、さらによいです。できるだけ根鉢が回っていない苗を選ぶと、植えつけ後の活着がよいです。また、水もちがよいように、できるだけ大型のプランターを使いましょう。
植えつけ方
植えつけ適期:関東地方以西 4月中旬〜5月上旬
①プランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3〜4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。
②①の中心に、苗のポリポットがすっぽりはまる大きさの穴を移植ごてで掘ります。
③ポリポットを外した苗を②の穴に据え、すき間に土を寄せて植えつけます。
④仮支柱をクロスさせて立て、茎を固定させます。再びプランターの底穴から流れ出てくるまで、たっぷり水やりをします。
2本の支柱をクロスさせ、株元を軽くはさむようにすると固定できる。
植えつけたとき、根鉢の上面が鉢土の表面より高くなったり、低くなったりしないように注意します。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・支柱2本(本支柱用。高さ180cmぐらいのもの)。またはオベリスクなど。
・つるもの用ネット
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」「ベジフル液肥」など)
・フォーク(食事用のものを専用に)
・麻ひもなど
キュウリは水切れしやすいので、土の表面の乾き具合をチェックして、乾いてきたらたっぷり水やりするのが栽培のコツです。
置き場所
風通しのよい日なたに置きましょう。
水やり
土の表面が白っぽく乾き切る前に、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。水やり回数の目安は以下です。5月〜6月 1日1回、7月〜9月中旬 1日1〜2回(そのほか、雨が降っていない夕方には、葉水も与える)
肥料
肥料を好むので、植えつけから1カ月後から、定期的に追肥を施します。
間引き・土寄せ
株元にときどき土寄せしておきます。さらに、株周りの土の表面を、フォークなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。キュウリは根が浅く張るので、作業時に根を切らないように注意します。
支柱立て
本葉が5〜6枚に成長したら、プランターに本支柱を2本立て、その間につるもの用ネットを、麻ひもなどで支柱に結び留めて張ります。ベランダの物干し竿などを利用して、ネットを吊るしてもよいでしょう。オベリスクを利用する場合は、脚部をしっかり用土にさして立てます。
わき芽摘み
茎がそのまま親づるになります。下から3〜5節目のわき芽は、伸びて子づるになるまえに摘み取ります。
整枝と誘引
植えつけから1週間ほどたつと茎が伸びて親づるになるので、ネットにまっすぐ添わせ、所々、麻ひもで結び留めて誘引します。3〜5節目のわき芽を摘み取り、それより上から出たわき芽は伸ばして子づるにします。子づるに雌花2つが咲いたら、その先にある葉を1枚残し、先端はカットして整枝します。オベリスクを利用する場合は、親づる、子づるともに、重ならないように巻きつけ、ところどころ麻ひもなどで誘引します。
摘心
張ったつるものネットやオベリスクの上部に親づるが届いたら、つるの先端を切って摘心します。また、3〜5節目までに雌花がついていたら、早めに摘花して、株の疲労を防ぎます。
親づるは、つるものネットの上部まで伸ばして摘心する。親づるの3~5節目のわき芽と雌花はすべて摘み取る。6節目より上のわき芽を伸ばして子づるとして育てる。子づるに雌花がふたつついたら、葉を1枚つけて子づるの先端を切り詰める。
剪定
必須の作業ではありませんが、もし7月下旬になっても葉が傷んでいなければ試してみましょう。葉がきれいでも株が疲労してくると曲がったキュウリができ始めます。こうなったら土の表面から30cmほどの高さで切り戻しましょう。色が濃く、しっかりした葉を残すようにするのがコツです。また、つるの途中で切っても構いません。剪定後はプランターを日陰に移動して養生し、追肥をしておきます。
親づるの3〜5節目のわき芽と、そのあたりについた雌花は早めに摘み取り、子づるを伸ばしてそちらに雌花を咲かせるようにします。なお、キュウリは雌花だけで果実ができるので、人工授粉は不要です。
収穫
収穫初期は、果実の長さが10~15cmになったら収穫します。
コンスタントに果実がつくようになったら、長さ18~20cm程度が収穫に向くサイズです。大きくなりすぎる前に収穫していくのが、株を疲れさせないポイントです。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。
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