植物栽培ナビだいこん【鉢植え】の育て方

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
続きを見る

基本情報

基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

ダイコンは、多くのアブラナ科野菜と同様に、地中海沿岸、中東原産です。ユーラシア大陸の各国を経て伝わり、日本へはすでに弥生時代に渡来していました。平安時代中期に編まれた辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には、すでにダイコンの古語である古保禰(こほね)が掲載されています。

 

生産量、消費量ともに、日本は世界でも1番のダイコン王国です。各地方品種のなかでも、とくに練馬、三浦、桜島、聖護院、守口などが広く知られており、それらは漬物や煮物といった和食文化をベースに発展してきたといえます。

 

生育温度が17 ~ 20℃と、涼しい気候を好みますが、10℃以下の低温に遭うと、花芽分化を起こし、根が太らなくなります。寒冷地では夏まきは、11月上旬までに収穫しておきましょう。

 

海岸などに群生し、ピンク色の花を咲かせているハマダイコンは、ダイコンの栽培品種が野生化したものといわれていました。しかし、近年の遺伝子解析調査により、日本へ渡来した当時の古い系統を引き継いでいる可能性が高いことがわかりました。

 

おすすめの品種:[春まき]仙水など。 [秋まき]三太郎など。 [周年まき]ころっ娘(ミニ品種)など。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・タネ
・大型プランター、または直径30cm以上の深鉢
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターには、付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・不織布
・ジョウロ

 

ワンポイント

ダイコンは根が長く伸びるので、深型のプランターや深鉢を使用しましょう。また、プランター栽培では、根がそれほど長くならない、ミニダイコンや短形ダイコンと呼ばれる品種を選ぶのがおすすめです。

植えつけ方

タネまき適期:関東地方以西 春まき 4~5月、夏まき 8月中旬~9月中

①プランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3~4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。水が引いたら、手で平らにならします。

②①の表面にプランターなら7~8カ所を千鳥に、鉢なら6カ所、指を土にさして深さ2cm程度のまき穴をあけます。1カ所につき4~5粒のタネをまきます。

③②のまき穴に土をかぶせ、手のひらで軽く押さえて土とタネを密着させます。

④表土に不織布をかぶせて、はす口をつけたジョウロでたっぷり水やりをします。

土の表面は手で平らにならす。1カ所に偏らないように、深さ2cmほどのまき穴をあけてタネをまく。

 

ワンポイント

タネを1穴に4~5粒まくと、発根した時にお互いが影響し合って、根がスッとまっすぐ伸びるようになります。1粒まきでは、根が曲がることがあります。また、タネをまいた後に不織布をかぶせておくと、害虫や用土の乾き過ぎを防げます。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・防虫ネットや寒冷紗(白)
・U字支柱
・麻ひもなど

 

ワンポイント

タネまき後は土を乾かし過ぎないように水やりします。水は、不織布の上からかけて大丈夫です。発芽したら不織布は外しましょう。

置き場所

 

風通しのよい日なたに置きましょう。7、8月は、半日陰に移動させるとよいでしょう。

 

水やり

 

土の表面が乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。水やり回数の目安は以下です。 4〜7月中旬 1〜2日1回、7月下旬〜9月上旬 1日1回、9月中旬〜10月中旬 1〜2日1回、10月下旬〜翌年1月中旬 2〜4日1回

 

肥料

 

発芽して間引きをしたら、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。

 

間引き・土寄せ

 

発芽し、草丈が20cmほどになったら、プランターなら2株、鉢なら中央の1株を残して間引きます。残す株の株元を押さえて、ゆっくり引き抜きましょう。その後、残す株の株元には、土を寄せておきます。間引いた株は、細めの間引きダイコンとして楽しめます。

 

プランターの周縁部の株から抜いて収穫し、細めのダイコンとして楽しみます。残す中央の株を本命にし、その品種ならではの太さ、長さを目ざして栽培しましょう。

 

防寒・冬越し

 

プランターは、北風が当たらない南向きの軒下などに置きましょう。防虫ネットは霜よけにもなります。冬越し中の水やりは、午前10時〜午後1時の暖かな時間帯に行ない、夜間に土が凍るのを防ぎます。ジョウロやバケツに溜めておいた水を用いると、冷たすぎるのを避けられます。

 

ワンポイント

プランターにU字支柱をさして、防虫ネットなどをかけておくと、害虫の被害を防げます。

収穫

タネまきから2カ月ほど経ち、地上に出ている首の部分が、その品種ならではのサイズになったら収穫どきです。葉のつけ根をまとめて持って、ゆっくり上に引き抜きます。

ワンポイント

収穫適期を逃してとり遅れると、ダイコンが割れたりすが入ったりするので注意しましょう。

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」園主。 野菜ソムリエ(ジュニア)。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。

害虫・病気対策

写真を選んで対処薬剤へGO!

だいこん【鉢植え】で適用のある害虫・病気と対処薬剤

害虫

病気

対象の「害虫」と「病気」を防除する薬剤は・・・

使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
だいこん【鉢植え】の育て方のページです。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。
商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。