植物栽培ナビたまねぎ【鉢植え】の育て方

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

漢字表記では、玉葱と書きます。

 

タマネギは、ニンニクと同様に中央アジア原産といわれますが、野生種は見つかっていません。また、有効成分のアリシンなどニンニクと共通する部分があり、古代エジプトでは同様に栽培、労働者のスタミナ源として活用されていた記録があります。

 

日本へ導入されたのは江戸時代ですが、トマトなどと同様、観賞用として広まりました。その後、明治時代に入ってから、食用として新たに導入されました。

 

タマネギにはよく見かける、皮が茶色い黄玉系のほか、白玉系、赤玉系があります。白玉系、赤玉系は保存性が低いので、日本ではあまり普及していません。逆に、家庭菜園で栽培してみれば、採りたてを味わえる楽しみがあります。

 

新タマネギとは、普通の黄玉系タマネギを早めに収穫し、乾燥させずに出荷されたものです。家庭でも収穫後に乾燥させず、すぐにいただけば、みずみずしい味わいが楽しめます。ただし、保存性が低いので、1週間以内に食べるようにしましょう。

 

おすすめの品種:[中生・中晩生]ソニック、O・K黄、ターボ、ネオアースなど。 [生食用]猩々赤(赤タマネギ)など。

 

タマネギをプランターで栽培する場合は、「オニオンセット」「ホームタマネギ」などと呼ばれる、子球を利用してもよいでしょう。8月下旬に植えつけ、9月下旬に追肥を行なえば、年内に収穫可能です。

 

タマネギは、タネからも育てられますが、苗が大量にできるので、プランター栽培では、苗からスタートするのがよいでしょう。タネから育てる場合は、9月にタネをまきます。プランターに培養土を入れ、条間10cmで深さ6~8mmのまき溝をつけて2cmおきにタマネギのタネをまいてしっかり覆土します。乾かしすぎないように管理し、茎の直径が植えつけに適する7~8 mmになるまで育てましょう。苗はいったん抜いて、苗からと同じように植え直して栽培します。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・苗(鱗茎)
・深型プランター
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターに付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・園芸用ハサミ
・ジョウロ

 

ワンポイント

11月~12月中旬ごろ、園芸店に並ぶ苗を購入します。草丈25cm程度、根元の白い部分の太さが7~8mm ほどで、鉛筆より少し細い苗を選びましょう。白い部分の太さが15mmを越えると、とう立ち(蕾)しやすくなります。逆に細すぎる苗は、植えつけ後に寒さで傷みやすくなります。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 11月~12月中旬

①苗の根は3cmほど残してカットし、すぐに切り口だけ10~15分ほど水に浸して水揚げします。

②プランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3~4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。水が引いたら、表面を平らにならします。

③条間、株間ともに12~15cmとって指で深さ3cmほどの穴をあけます。苗を1本ずつさして土を寄せ、白い部分が埋まり切らないように植えつけます。

④プランターの底穴から流れ出てくるまでたっぷり水やりをします。

 

条間、株間ともに12~15cmあけて植え穴を指であけ、苗をさして、深植えにならないように植えつける。

 

ワンポイント

植えつけ時に苗の根をいったんカットしておくと、植えつけ後に新たな根の伸びが促されます。水揚げするのを忘れないようにしましょう。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・フォーク(食事用のものを専用に)

 

ワンポイント

過湿になると傷むので、乾かし気味に管理しましょう。特に冬越し中は、過湿にならないよう、用土の乾き具合をよくチェックします。

置き場所

 

風通しのよい日なたに置きましょう。

 

水やり

 

土の表面が白っぽく乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。水やり回数の目安は以下です。9月〜10月 2日に1回、11月〜3月 5〜7日に1回、3月〜6月 2日に1回

 

肥料

 

植えつけから2週間後と、冬越しが終わりに近づく2月上旬、3月上旬に、株元に適量の粒状肥料を追肥します。

 

追肥は、2月上旬、3月上旬の2回行なう。株元の周辺に、肥料をパラパラとまいておく。

 

間引き・土寄せ

 

株元にときどき土寄せしておきます。さらに、株周りの土の表面を、フォークなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。

 

摘花

 

4月ごろ、とう立ちといって、蕾がつく花茎が上がってきます。天候不順や極端な低温、冬越し中の肥料切れなどが原因です。タマネギの芯が固くなってしまうので、花茎はつけ根の5cmほど上で切っておきましょう。切った蕾つきの花茎は、天ぷらなどで食べられます。

 

防寒・冬越し

 

プランターは北風が当たらない南向きの軒下などに置き、乾かし気味に管理します。細い苗を植えたときや、霜が降りるような場所では、防虫ネットをかけるとよいでしょう。とう立ちするのも防げます。

 

ワンポイント

冬越し中の水やりは、午前10時〜午後1時の暖かな時間帯に行ない、夜間に土が凍るのを防ぎます。ジョウロやバケツに溜めておいた水を用いると、冷たすぎるのを避けられます。

収穫

5月中旬~6月中旬、葉が8割ほど倒れたら、根元を持って引き抜いて収穫します。晴天が続いて用土が乾いているときに作業するとよいでしょう。

ワンポイント

収穫したタマネギは、葉の部分をまとめてしばって、風通しのよい日陰にぶら下げて乾燥させ、保存性を高めます。

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」園主。 野菜ソムリエ(ジュニア)。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。

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