植物栽培ナビなす【鉢植え】の育て方

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

漢字表記では、茄子と書きます。ただし、漢名は茄です。

 

ナスはインド原産の高温を好む野菜です。そのため日本では、代表的な夏野菜のひとつに数えられています。

 日本へは、中国を経て、奈良時代には渡来しており、「一富士・二鷹・三なすび」など、いくつものことわざに使われるほど、親しみのある野菜になりました。

 

古い時代に伝わって各地へ広がったため、各地方には伝統的な在来品種があるのも、ナスの楽しみです。たとえば京都府の加茂なす、山形県の民田なす、大阪府の泉州水なすなどが挙げられます。地元の伝統品種を調べて、栽培してみるのもよいでしょう。

 

おすすめの品種:[中長ナス]千両2号など。[長ナス]筑陽など。[そのほか]米ナスのくろわし、水ナスのみず茄などもあります。

 

タネから育てる場合:ナスは、苗を購入して育てるのが一般的ですが、タネからも育てられます。2月下旬 ~ 3月上旬なら、加温器にセットしやすいセルトレイを利用します。セルトレイに培養土を敷き込み、タネを1粒ずつまき、本葉2~3枚のころに3号(直径9cm)のポリポットに植え替えて育苗します。

 4月下旬 ~ 5月上旬なら、3号のポリポットに2~3粒ずつまいて育苗します。発芽したら間引いて、1株にして育てましょう。

 なお、ナスのタネは発芽適温は20 ~ 30℃ です。平均気温が20℃の場所で管理した場合、発芽まで7~10日要します。タネまき適期の時期は外気温が低いので、ポリポットはよく日の当たる暖かい窓辺に置きましょう。温度をキープするのに、ホットマットや加温器などを利用してもよいでしょう。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・苗(本葉7 〜9枚で、太く節間が詰まった接ぎ木苗)
・大型プランター
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターに付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・支柱2本(仮支柱用30〜40cm)
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・ジョウロ

 

ワンポイント

本葉7 〜9枚で、太く節間が詰まった苗を選びましょう。また、接木苗を選べば、耐病性に期待できます。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 5〜6月
①プランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3〜4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。
②①の中心に、苗のポリポットがすっぽりはまる大きさの穴を移植ごてで掘ります。
③ポリポットを外した苗を②の穴に据え、すき間に土を寄せて植えつけます。
④仮支柱をクロスさせて立て、茎を固定させます。再びプランターの底穴から流れ出てくるまで、たっぷり水やりをします。

 

2本の支柱をクロスさせ、株元を軽くはさむようにすると固定できる。

 

ワンポイント

植えつけたとき、根鉢の上面が鉢土の表面より高くなったり、低くなったりしないように注意します。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・支柱2本(本支柱用。高さ180cmぐらいのもの)
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・フォーク(食事用のものを専用に)
・麻ひも、またはビニールタイ

 

ワンポイント

使わなくなったフォークなどで、ときどき土の表面をフォークでほぐしておくと、土の通気性がよくなります。

置き場所

 

風通しのよい日なたに置きましょう。

 

水やり

 

土の表面が乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。水やり回数の目安は以下です。5月〜6月 1日1回、7月〜9月中旬 1日1〜2回(そのほか、雨が降っていない夕方には、葉水も与える)

 

肥料

 

肥料を好むので、植えつけから1カ月後から、定期的に追肥を施します。

 

間引き・土寄せ

 

株元にときどき土寄せしておきます。さらに、株周りの土の表面を、フォークなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。

 

支柱立て

 

植えつけから1カ月経ったら、仮支柱と同様に本支柱をクロスさせてプランターの土にさして立てます。茎に麻ひもなどをかけて、支柱に結び留めます。仮支柱は外しましょう。

 

主枝と側枝のどちらか1本を支柱に沿わせ、麻ひもなどで結び留める。

 

わき芽摘み

 

1番花の下の元気のよいわき芽を2つ残し、それ以外のわき芽はすべてつけ根から摘み取ります。

 

整枝と誘引

 

主枝とわき芽2本の合計3本の茎を伸ばして育てると、バランスがよくなります。また、収穫する果実より下のわき芽に花が咲いたら、1〜2枚葉を残して茎の先を切ります。こうすると日当たりと風通しがよくなり、実つきがふえます。傷んだ下葉は見つけ次第、つけ根から摘み取っておきましょう。

 

剪定

 

7月下旬、裏側が白っぽくガサガサしてきた茎は切り取ります。鮮やかな紫色の茎を残すようにしましょう。

同時期、株は暑さで疲労して実つきが悪くなるので、 茎を1/3〜1/2ほど切り戻してリフレッシュさせます。色の濃い茎を残すようにしましょう。また、剪定後はプランターを日陰に移動して養生し、追肥をしておきます。

 

ワンポイント

第1、2花を結実させると、その後の花つきがよくなります。花に規定倍率に希釈した植物成長調整剤「日産トマトトーン」を散布すると、果実がつきやすくなります。

収穫

 中長ナスは10~12cm、長ナスは25cmぐらいの長さになったら、ヘタの上を切って収穫します。

ワンポイント

ナスのヘタには鋭いトゲがあるので、収穫した果実のトゲは、ハサミで切っておきましょう。手に刺さったり、果実を傷つけるのを防げます。

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」園主。 野菜ソムリエ(ジュニア)。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。

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