植物栽培ナビにんにく【鉢植え】の育て方

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

植えつけは種球(鱗茎)を植えつけます。漢字表記では、大蒜と書きます。

 

ニンニクは中央アジア原産といわれますが、古代エジプトではすでに栽培され、活用されていたと伝わっています。日本へな中国を経て、8世紀ごろには伝わっていたそうで、日本に残る1番古いとされる農学書『大和本草』(1709年/宝永7年 貝原益軒編纂)にも、ニンニクの記述があります。

 

ニンニクの独特なにおいは、アリシンと呼ばれる成分で、殺菌・抗菌作用があるといわれています。また、アリシンには、ビタミンB1の吸収を高める効果が期待でき、疲労回復作用が知られています。

 

ニンニクは、鱗茎だけではなく、葉、茎も食用になります。青果店で見かける「ニンニクの芽」とは、5月ごろ伸びはじめる花を咲かせる茎のことです。

 

おすすめの品種:[寒さが苦手な温暖地系]改良早生、島ニンニクなど。[暑さが苦手な寒冷地系]ホワイト六片など。

いずれも地域にあった系統や品種の種球を選ぶことが大切です。

「無臭ニンニク」「ジャンボニンニク」「エレファントガーリック」と呼ばれるものは、ヨーロッパの長ネギに似た野菜、リーキの鱗茎です。ニンニクに比べてにおいが控えめで、暑さ、寒さによく耐えるので、幅広い地域で栽培が可能です。 

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・種球(鱗茎)
・大型プランター
・市販の「野菜の土」(水はけのよいもの)
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターに付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・ジョウロ

 

ワンポイント

9〜10月ごろ、園芸店に並ぶ種球を購入します。皮の色が均一で変色がなく、表面につやと張りがある、形がよいものを選びましょう。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 9~10月

①プランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3~4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。

②種球はあらかじめ1片ずつにわけておき、痩せたものは取り除きます。皮はむかなくて大丈夫です。

③鱗片の尖がったほうをつまんでもち、10~15cm間隔になるように3~4cmの深さになるよう、土に押し込んで植えつけます。

④プランターの底穴から流れ出てくるまでたっぷり水やりをします。

 

鱗片の先端を上向きにして、等間隔に植えつける。植えつけ後、表土を軽く押さえておく。

 

ワンポイント

用土が過湿になると種球が腐るので、必ず水はけのよい土を利用します。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・フォーク(食事用のものを専用に)

 

ワンポイント

過湿になると鱗片が腐るので、乾かし気味に管理するとよいでしょう。特に冬越し中は、過湿にならないよう、用土の乾き具合をよくチェックします。

置き場所

 

風通しのよい日なたに置きましょう。

 

水やり

 

土の表面が白っぽく乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。水やり回数の目安は以下です。9月〜10月 2日に1回、11月〜3月 5〜7日に1回、3月〜6月 2日に1回

 

肥料

 

発芽後と、成長期に入る3月ごろ、株元に適量の肥料を追肥します。

 

間引き・土寄せ

 

株元にときどき土寄せしておきます。さらに、株周りの土の表面を、フォークなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。

 

摘花

 

5月ごろ、蕾がつく花茎が上がってきます。鱗茎を太らせるためにもこの花茎は早めに切っておきましょう。切った花茎が、青果でも流痛する「ニンニクの芽」です。 花茎が伸びてきてから1〜2週間を目安に収穫しましょう。

 

防寒・冬越し

 

プランターは北風が当たらない南向きの軒下などに置き、乾かし気味に管理します。霜が降りるような場所で、温暖地向きの品種を栽培している場合は、防虫ネットをかけるとよいでしょう。

 


冬越し中は、プランターは凍らない場所に置き、乾かし気味に管理する。霜が降りる場所では寒冷紗をかけるとよい。

 

ふやし方

 

収穫した鱗茎を9〜10月の植えつけどきまで保存し、種球にすることができます。ただし、鱗茎が傷んだり、ウイルスに侵されているようであれば、新しい種球を入手したほうがよいでしょう。

 

ワンポイント

冬越し中の水やりは、午前10時〜午後1時の暖かな時間帯に行ない、夜間に土が凍るのを防ぎます。ジョウロやバケツに溜めておいた水を用いると、冷たすぎるのを避けられます。

収穫

 5~6月、葉が枯れはじめたら、根元を持って引き抜いて収穫します。晴天が続いて用土が乾いているときに作業するとよいでしょう。

ワンポイント

収穫したニンニクは、鱗茎から1~2cm上の部分をカットし、さらに根を短く切って束ねます。風通しのよい日陰で乾かしておくと、長期保存できます。

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」園主。 野菜ソムリエ(ジュニア)。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。

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