植物栽培ナビししとう【鉢植え】の育て方
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植えつけから収穫までの期間 | |
開花から収穫までの期間 |
漢字表記では、獅子唐と書きます。
シシトウは、トウガラシの辛味がないグループのことです。植物学的にシシトウは、トウガラシやピーマンと同じ仲間です。
原産地は熱帯アメリカで、新大陸発見時にコロンブスによって、ヨーロッパへ持ち込まれました。このときコロンブスは、トウガラシをコショウ(胡椒)と間違えていたため、コショウもトウガラシも英語ではペッパー(Pepper)と呼ぶことになったそう。
日本へは17世紀ごろ、ポルトガルを経由して導入されました。おもしろいことに、日本でも地方によっては、トウガラシを「こしょう」と呼んでいます。たとえば九州特産の柚子胡椒は、柚子の果皮とトウガラシを合わせた調味料です。また、北信越地方の伝統野菜、ぼたんこしょうは、形はピーマンに似ていますが辛味が強いトウガラシの仲間です。
甘味種のシシトウは、ときどき辛味が強くなりますが、辛味種のトウガラシと交雑したのではなく、水やりや施肥が適切でなかったり、虫害を受けたりして株が強いストレスを受けたことが理由です。適切に管理するよう、心がけましょう。
おすすめの品種:甘とう美人、伏見甘長、ししとう、翠光など。
タネから育てる場合:シシトウは、苗を購入して育てるのが一般的ですが、タネからも育てられます。2月下旬 ~ 3月上旬なら、加温器にセットしやすいセルトレイを利用します。セルトレイに培養土を敷き込み、タネを1粒ずつまき、本葉2~3枚のころに3号(直径9cm)のポリポットに植え替えて育苗します。
4月下旬 ~ 5月上旬なら、3号のポリポットに2~3粒ずつまいて育苗します。発芽したら間引いて、1株にして育てましょう。
なお、シシトウのタネは発芽適温は20 ~ 35℃ です。平均気温が20℃の場所で管理した場合、発芽まで7~10日要します。低温期には、ホットマットや加温器などを利用してもよいでしょう。
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準備
使用するもの
・苗(元気のよい葉がつき、太く節間が詰まったもの)
・大型プランター
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターに付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・支柱2本(仮支柱用30〜40cm)
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・ジョウロ
元気のよい葉がつき、太く節間が詰まった苗を選びましょう。また、第1花が開花しているもの。もしくは開花直前のものが最適です。
植えつけ方
植えつけ適期:関東地方以西 4月下旬~5月
①プランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3~4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。
②①の中心に、苗のポリポットがすっぽりはまる大きさの穴を移植ごてで掘ります。
③ポリポットを外した苗を②の穴に据え、すき間に土を寄せて植えつけます。
④仮支柱をクロスさせて立て、茎を固定させます。プランターの底穴から流れ出てくるまでたっぷり水やりをします。
2本の支柱をクロスさせ、株元を軽くはさむようにすると固定できる。
プランターにU字支柱をさして防虫ネットなどで覆っておくと害虫、防風対策になります。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・支柱1本(本支柱用。高さ120cmぐらいのもの)
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・フォーク(食事用のものを専用に)
・麻ひも、またはビニールタイ
使わなくなったフォークなどで、ときどき土の表面をフォークでほぐしておくと、土の通気性や透水性が保持できます。また、土の表面に根が出てきたら、土を足してカバーしておきます。
置き場所
水やり
土の表面が乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり水やりします。水やり回数の目安は以下です。5月〜6月 1日1回、7月〜9月中旬 1日1〜2回(そのほか、雨が降っていない夕方には、葉水も与える)
肥料
植えつけから1カ月後から、定期的に追肥を施します。
間引き・土寄せ
株元にときどき土寄せしておきます。さらに、株周りの土の表面を、フォークなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。
支柱立て
植えつけから1カ月経ったら、主枝に添わせて本支柱を立てます。茎に麻ひもなどをかけて、支柱に結び留めます。仮支柱は外しましょう。
立てた支柱に、主枝を麻ひもなどで結び留める。1番花より下のわき芽は、すべて摘み取る。
わき芽摘み
1番花の下のわき芽はすべてつけ根から摘み取ります。わき芽は同じ場所から、繰り返し発生するので、こまめに摘み取りましょう。また、1番花は早めに摘み取ります。
整枝と誘引
枝が混み合っていたら、内側に向かって伸びている枝をハサミで切り取ります。こうすると日当たりと風通しがよくなり、実つきがふえます。
摘果
花や果実がつき過ぎて混んでいる箇所の果実は摘み取って、よい果実に養分を集中させましょう。
次々に花が咲き、果実ができるので、肥料切れさせないように追肥をしましょう。また、多すぎる果実は適宜摘果して、よい果実を長期間つけさせるようにします。
収穫
果実がつき始めたら、小さめのうちにヘタの上をハサミで切って収穫します。果実の数が安定し始めたら、1果の長さが5~6cmになったら収穫します。ただし、甘とう美人など大実品種は、長さ15cmほどを目安にします。取り忘れがないように、どんどん収穫しましょう。
混み過ぎると風通しや日当たりが悪くなり、病害虫発生の原因になります。混みすぎた枝は適宜透かすように、整枝しましょう。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。
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