植物栽培ナビこまつな【鉢植え】の育て方

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

漢字表記では、小松菜と書きます。

 

コマツナは、広義でいう漬け菜類に含まれます。漬け菜とは、漬物に利用される青菜のことで、カブ、ハクサイ、京菜なども、漬け菜類に含まれます。

 漬け菜類の祖先は、ほかの多くのアブラナ科野菜と同様に、地中海沿岸で発生したといわれています。中国に渡って栽培化され、日本へ渡来しました。日本での古い記録としては、古事記(712年)にも青菜の名前があるそうです。

 日本へ導入された漬け菜は各地へ広まり、そこでその土地ならではの発展をしました。たとえば京都府のうぐいす菜、愛知県の正月菜、福島県の信夫菜、新潟県の大崎菜などがあります。コマツナは、現在の東京都江戸川区で発展した漬け菜で、同地へ鷹狩りに訪れた8代将軍徳川吉宗公がお気に召したことから、小松菜と名づけられ、その伝承とともに、広く知られるようになりました。

 

現在私たちが入手しているコマツナは、チンゲンサイなどほかの漬け菜と掛け合わせ、より丈夫で暑さに強く、栽培しやすくなった交配種がほとんどです。

 しかし、近年、1960年代につくられていた「後関晩生」などの固定種のコマツナが脚光を浴び、「伝統小松菜」と呼ばれ、東京都内の篤農家によって栽培されるようになりました。伝統小松菜は、現在の一般的なコマツナと比べて葉数が少なく、株元から伸びる葉が開張ぎみにつくなど草姿が違い、また、やわらかくおいしく、小松菜本来の味がするといわれ、東京都にその発祥が由来する「江戸東京野菜」のひとつにラインナップされています。

 

おすすめの品種:きよすみ、菜々美、よかった菜など。 

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・タネ
・標準型プランター
・市販の「野菜の土」
・鉢底石
・鉢底ネット(プランターに付属の鉢底ネットがない場合)
・移植ゴテ、または土入れ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・支柱(まき溝用 50〜60cm)
・不織布
・ジョウロ

 

ワンポイント

コマツナは、草丈がそれほど高くないうえに、根も長く伸びないので、標準型プランターの深さがあれば栽培できます。また、鉢なら6号(直径18cm)以上を選べば、十分です。

植えつけ方

タネまき適期:関東地方以西 3月下旬~10月

①ププランターの6分目ほどまで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、水をたっぷり注ぎます。次に、縁から3~4cm下の位置まで、適量の肥料を混ぜた用土を入れ、また水を注ぎます。水が引いたら、手で平らにならします。

②①の表面に横にした支柱を押し当てて、まき溝を2本つけます。

③②のまき溝に1cmおきにタネをまき、溝の両側から土をつまんで寄せて覆土します。覆土したら軽く手で押さえておきましょう。

④表土に不織布をかぶせて、はす口をつけたジョウロでたっぷり水やりをします。

 

土の表面は手で平らにならす。支柱を押し当てて、10cmの間隔をあけて、深さ1cmほどのまき溝を2本つける。

 

ワンポイント

タネをまいた後に不織布をかぶせておくと、害虫がつくのを防げます。さらに、発芽までに用土が乾き過ぎてしまうのを防げます。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・防虫ネットや寒冷紗(白)
・U字支柱
・麻ひもなど

 

ワンポイント

タネまき後は土を乾かし過ぎないように水やりします。水は、不織布の上からかけて大丈夫です。発芽したら不織布は外しましょう。

置き場所

 

風通しのよい日なた置きましょう。7、8月まきの場合は、半日陰でも構いません。

 

水やり

 

土の表面が乾いたら、底穴から流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷり株元へ水やりします。水やり回数の目安は以下です。3月下旬〜7月中旬 1日1回、7月下旬〜9月上旬 1日2回、9月中旬〜12月 1日1回

 

肥料

 

発芽して間引きをしたら、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。

 

間引き・土寄せ

 

発芽し、本葉が1〜2枚になったら、3cm間隔になるように間引き、株元へ土を寄せておきます。

 

防寒・冬越し

 

プランターは、北風が当たらない南向きの軒下などに置きましょう。防虫ネットは風よけや霜よけにもなります。冬越し中の水やりは、午前10時〜午後1時の暖かな時間帯に行ない、夜間に土が凍るのを防ぎます。ジョウロやバケツに溜めておいた水を用いると、冷たすぎるのを避けられます。

 

防虫ネットはプランターの外側に出し、裾を麻ひもなどでしばっておく。

 

ワンポイント

プランターにU字支柱をさして、防虫ネットなどをかけておくと、害虫の被害を防げます。

収穫

草丈が20~25cmほどになったら、株元をもってゆっくり引き抜いて収穫します。根が抜け切れるまえに揺すって土を落として、引き抜くのがコツ。抜きにくい場合は、茎をハサミで切っても構いません。

ワンポイント

草丈20cmを目安に収穫すれば、市販のコマツナよりやわらかく、本来の美味しさが楽しめます。

監修  野菜ソムリエ(ジュニア)  加藤 正明
練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」園主。 野菜ソムリエ(ジュニア)。
34歳まで民間企業に勤め、社会経験を積んだのち、家業の農業を継ぐ。
平成17年度に練馬区農業体験「百匁(ひゃくめ)の里」を開園。
一般市民に野菜作りのノウハウを教えると同時に、野菜の美味しい食べ方も伝えている。
NHK趣味の園芸 やさいの時間 ミニコーナー「達人に学ぶ今月の管理作業」を担当。
著書に「加藤流 絶品野菜づくり」(万来舎)などがある。

害虫・病気対策

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