植物栽培ナビきんかん【地植え】の育て方
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植えつけから収穫までの期間 | |
開花から収穫までの期間 |
鉢やコンテナで育てるときは
キンカンは小柄な果樹なので、鉢栽培にも適しています。鉢植えの場合、1年生の苗木は7~10号(直径21~30cm)程度の大きさの鉢を使用します。
まず、鉢底石を敷き、赤土(小粒)、腐葉土、鹿沼土を5:3:2で配合した用土に、用土1ℓ当たり5g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混合し、鉢の深さの半分程度まで入れます。購入した苗木の根鉢を軽く崩して、根を広げ、苗を据えてから、さらに用土を入れます。次に、樹高50cm程度の位置で切り詰めて支柱を立て、最後は、棒などで土をよく突いて、すき間なく土を入れましょう。
苗を植えつけた鉢は、南向きで日当たりがよく、風当たりが弱い場所に置きましょう。水やりは、4~9月までは1日1回、それ以外は表面の土が乾いたら、たっぷり水やりするのが目安です。追肥として液体肥料を施す場合には、液体肥料「花工場原液」や「ベジフル液肥」を1000倍に薄めたものを、2週に1回施します。
なお、キンカンは自然形にまとまりやすいので、剪定は混み合った枝を間引く程度で十分です。
収穫は2月上旬までできますが、果実が凍害を受ける可能性があるので、霜が当たらない軒先に鉢を移動させるか、ビニールシートなどで覆い、防寒しましょう。
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準備
種類・品種選びのポイント
販売されている種類は数品種しかなく、迷うことはありません。ニンポウキンカンやスイートシュガーが一般的な種類で、生食のほか、甘露煮やシロップ漬けなどに適しています。
最近、タネなし品種(小さなタネが入る場合がある)の‘ぷちまる'がよく出回っているようです。タネが少ないので食べやすく、女性や子どもたちに人気の品種です。
地方の植木市に行くと、大実キンカン、またはジャンボキンカンとして販売されている品種があります。これは、正式には「フクシュウキンカン」という種類で、果実は大きく鑑賞価値は高いのですが、果肉の酸味が強く、生食には向きません。生食にはニンポウキンカンなどの種類を選びましょう。
育て方のコツ
キンカンは接ぎ木2年生の苗でも3年目にはたくさんの花が咲き、果実をつけます。また、前述したように年3~4回花が咲くので、果実は不ぞろいになります。果実は枝先に集まって着くので、形がよく、大きなものを残して、ほかは摘み取りましょう。鉢植えの3年生苗程度であれば、1枝に1~2個を目安に、1樹あたり10~15個をならせましょう。摘花や摘果をせず、たくさんの果実を着けさせると木が弱り、次年度に収穫できなくなります。果実の数を管理して、連年結実を目指しましょう。
植えつけ方
植えつけ
キンカンの植えつけや植え替えは、暖かくなる3月下旬~5月上旬が適期です。キンカンは比較的寒さに強いので、暖地では秋植えもできますが、ほとんどの地域では春植えがよいでしょう。
庭植えの場合は、日当たりと水はけがよく、風当たりが強くない場所を選びます。直径、深さとも50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土、腐葉土、赤玉土(小粒)を5:3:2で配合した用土に、1株当たり200g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混合し、穴の深さの1/2から2/3程度を埋め戻します。次に、苗木の根鉢を崩して根を広げ、苗を据えてからさらに先の用土を入れます。その際、接ぎ木部分が埋まらないように、浅植えにすることがポイントです。枯れ枝を除去し、先端を少々切り詰め、支柱を立てます。しっかりと水やりをしたらできあがりです。
管理
水やり
キンカンを含むカンキツ類の栽培では、春から夏にかけての果実の成長期に水切れさせると、落果や落葉の原因になります。植えつけ直後や空気が乾燥している時は、十分に水やりしましょう。
しかしながら、成熟期に当たる10~12月は、土を乾かし気味に管理した方が、果実の色づきが早くなり、甘い果実ができます。
肥料
キンカンは、木自体は小さいわりに、果実をたくさんつけます。そのため、果実を多くつけすぎると木が弱りやすいことから、施肥は、年間を通じて非常に重要な作業となります。肥料は、春に芽が出てくる前に、寒肥として粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり200g程度、株元の土の上にばらまいて施し、軽く土を耕しておきます。
さらに追肥として、7月下旬と9月下旬に50g程度を同様に施しましょう。施肥量は、成木になるにつれて徐々にふやします。また、樹勢が弱っている時は、液体肥料を使うと効果的です。液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「花工場原液」を250倍に薄めたものを、株全体にかけて施します。特に、果実が多くつくので、9月の追肥は果実を肥大させるだけでなく、木を維持するのにも大切な作業となります。
仕立て方と剪定
整枝、剪定は3月に行ないます。剪定は樹形を整え、病害虫の発生を防止し、毎年果実をならせるための重要な作業です。キンカンは自然な「ほうき仕立て」にするのが一般的です。主枝を2~3本決め、枝を更新したり、間引いたりして、木の内部の日当たりをよくしていきます。また、カンキツと違って細い枝が密集するので、こうした枝は整理します。さらに、枯れ枝は病害虫の巣になるので、必ず除去しましょう。
収穫
収穫
11月下旬ごろから、果皮に甘みがのり、全体的に黄色から黄橙色に変わっていきます。黄橙色になったものから順次、ハサミで果梗(かこう)を切って収穫しましょう。
最近、宮崎県ではビニールハウスを利用した「完熟キンカン」が栽培されています。樹上で成熟した果実は黄橙色が際だって、甘い果実が収穫できます。ぜひ、挑戦してみてください。ただ、あまり遅くまでならせておくと、果汁が乾燥したような「すあがり」となり、味が落ちるだけでなく、次年度の花芽にも影響するので、2月上旬までにしましょう。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。
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