植物栽培ナビ温州ミカン【地植え】の育て方

監修  宮崎大学農学部教授 國武 久登
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

鉢やコンテナで育てるときは

 鉢植えの場合、1年生の苗木は7~10号(直径21~30cm)程度の大きさの鉢を使用します。

 まず、ゴロ土を入れ、赤土、腐葉土、赤玉土小粒を4:3:3を配合した用土に、用土1ℓ当たり5g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混合し、鉢の深さの半分程度まで入れます。次に、購入した苗木の根鉢を軽く崩して、根を広げて苗を据えてから、さらに用土を入れます。最後は、棒などで土をよく突いて、すき間なく土を入れましょう。用土は鉢縁まで入れずに、9分目程度までにして、ウォータースペースをとりましょう。

 植えつけた鉢は、南向きで日当たりがよく、風当たりが弱い場所に置きましょう。水やりは、4月から9月までは1日1回、それ以外は表面の土が乾いたら、たっぷり水やりするのが目安です。追肥として液体肥料を施す場合には、「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「ベジフル液肥」を1000倍に薄めたものを、2週に1回施します。

耐寒性の分類について・・・東京を基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと越冬できないものを非耐寒性として分類しています。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

育て方のコツ

 温州ミカンを上手に育てるには、庭植えの場合は、日当たりと水はけがよく、風が吹きつけない場所に植えることが大切です。夏に乾燥しやすい場合は、ワラなどで株元をマルチングするとよいでしょう。

 また、実った果実を全て成熟させると、木に負担がかかり、収穫した翌年は果実が着きにくくなる「隔年結果」という現象を引き起こします。毎年、安定的に同じ大きさの果実を収穫するには、「摘果」の作業が重要です。まず、7月に小さい果実を、1カ所に集まって着果しているところから摘み取ります。8月に仕上げ摘果を行い、温州ミカンでは最終的に葉の数約20~25枚につき1果とします。

 

植えつけ方

植えつけ

 温州ミカンなどのカンキツ類は、秋から翌春にかけて1~2年生の接ぎ木苗が販売されます。植えつけ適期は3月中旬~4月中旬です。温州ミカンは寒さに比較的強いので、暖地では秋植えもできますが、ほとんどの地域では春植えがよいでしょう。

 庭植えの場合は、日当たりと水はけがよく、風当たりが強くない場所を選びます。直径、深さとも50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土、腐葉土、赤玉土小粒を5:3:2で配合した用土に、1株あたり200g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混合し、穴の深さの1/2から2/3程度を埋め戻します。次に、苗木の根鉢を崩して根を広げ、苗を据えてからさらに用土を入れます。その際、接ぎ木部分が埋まらないように、浅植えにすることがポイントです。また、苗木の高さの50cm程度までで切り詰め、支柱を添えてさして、ひもで結び留めておきます。最後に十分に水やりを行ない、完成です。

 

栽培管理

管理

水やり

 カンキツ類の栽培では、春から夏にかけての果実の成長期に水切れさせると、落果や落葉の原因になります。植えつけ直後や空気が乾燥している時は、十分に水やりしましょう。

 しかしながら、成熟期に当たる10月~12月は、土を乾かし気味に管理した方が、果実の色づきが早くなり、甘い果実ができます。

肥料

 カンキツ類の施肥は、基本的には年2回です。元肥として2月から3月に施し、追肥として9月から10月に油かすや緩効性化成肥料を施します。2年生以下の苗であれば、元肥として粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり200g程度施し、さらに追肥として100g程度を施しましょう。施肥量は、成木になるにつれて徐々にふやします。また、樹勢が弱っている時は、液体肥料が効果的です。液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「花工場原液」を250倍に薄めたものや「ベジフル液肥」を1000倍に薄めたものを、株全体にかけて施します。

剪定

 カンキツ類の整枝、剪定は、2月から3月に行ないます。まず、1~3年目の苗木は、病害虫の被害にあった枝、前年の秋に伸びた枝、充実していない枝などを切り詰めて樹形を整え、樹の内側まで日光が当たるように、側枝を開くようにします。樹形がある程度できあがった4年目以降の株には、主に間引き剪定を中心に行います。

 

収穫

収穫

 温州ミカンは早生種から中生種まで、品種によって成熟時期が異なりますが、いずれもオレンジ色にしっかりと色づいてから収穫します。特に、早生品種の中には、果皮が緑色でも甘みがでる品種も出てきていますが、基本的には樹上でしっかりと成熟させた方が甘みが出ます。

監修  宮崎大学農学部教授 國武 久登
1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

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害虫

病気

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