植物栽培ナビブルーベリー【地植え】の育て方
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植えつけから収穫までの期間 | |
開花から収穫までの期間 |
鉢やコンテナで育てるときは
ブルーベリーは、鉢やコンテナでも簡単に栽培できます。1年生のさし木苗を鉢栽培するには、6号(直径18cm)程度の鉢を準備します。ラビットアイブルーベリーを鉢植えで栽培する場合は、ピートモス、赤玉土小粒、腐葉土を5:2:3で混合した用土を使用しましょう。また、ハイブッシュブルーベリーの場合はピートモスと赤玉土小粒を、8:2の割合で混合して使用します。
苗からポリポットや鉢を外し、根を軽くほぐします。鉢の底にゴロ土を入れて苗を据えたら、用土ですき間を埋めながら植えつけます。支柱を立て、1株につき3~4個の油かすなどの有機質固形肥料、あるいは5g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」を表土にばらまいて、バークチップなどでマルチングし、十分に水を与えたら終了です。
鉢やコンテナの置き場は、日当たりがよく、水やり時に周囲が濡れても構わない場所に置きましょう。
水やり回数は、4月から7月までは1日1回、8月から9月は1日2回を目安にし、10月~3月は表面の土が乾いたら水やりしましょう。
ベランダ栽培では、夏の乾燥に注意が必要です。また、結実をよくするために、2品種以上を栽培し、開花時には鉢を近くに置いて管理しましょう。
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準備
種類・品種選びのポイント
日本で利用されている主な栽培ブルーベリーは、ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーです。ブルーベリーには多くの品種があり、それぞれに特徴があります。地域に合った品種選びをすることが、栽培を成功させるポイントです。
ハイブッシュブルーベリー
冷涼な気候を好むハイブッシュブルーベリーは、中部地方や東北地方などのリンゴが生産されている地域に適しています。ハイブッシュブルーベリーは大きく分けて、ハイブッシュ系(北部系)とサザンハイブッシュ系(南部系)に分けられます。
ハイブッシュ系(北部系)
果実が大きく、品質もよく、早生種が多いのが特徴です。
サザンハイブッシュ系(南部系)
サザンハイブッシュ系(南部系)サザンハイブッシュ系は、ハイブッシュ系と比較するとやや果実は小さいのですが、極早生品種が多く、暖地での栽培に適しています。
ラビットアイブルーベリー
温暖な気候を好み、温州ミカンが栽培されている地域に適しています。ラビットアイブルーベリーは、耐暑性や耐乾性が強く、栽培が比較的容易で、関東以西の初心者におすすめです。果実は中~小程度の大きさで、晩生品種が多いのが特徴です。収量が多いことから、ジャムなどの加工用にされたり、夏の観光果樹園に最適な品種が多くあります。
育て方のコツ
ブルーベリーは「自家不和合性」といって、自分の花粉では実が留まりにくい性質を持っています。特に、ラビットアイブルーベリーの品種では、その性質が強いようです。同じ種類の違う品種を、2本以上近くに植えることがポイントで、ミツバチなどの放花昆虫によって相互に受粉され、果実が大きくなり、収量もアップします。高層住宅のベランダや人通りが多いような場所では、昆虫が少ないことが予想されます。そのような場所では、違う品種の花粉を用いて、人工授粉を行ないましょう。
植えつけ方
植えつけ
ブルーベリーの苗は、秋から早春にかけて通信販売や園芸店で購入することができます。枝が太く、つやがよいものを選びましょう。植えつけは、ほかの落葉果樹と同様に、1月から2月の極寒期は除いて芽や根の成長が止まっている休眠期に行うのが基本です。この時期に植えつけすると根の傷みがほとんどありません。根の活着の関係から関東地方以北では3月の春植え、関東地方以西では10月から11月の秋植えがよいでしょう。
植える場所は、日当たりと水はけのよいところを選びましょう。用土には、野菜栽培向けに石灰などで酸度調整してあるものは避け、水はけと水持ちのバランスがよい酸性用土を使用します。特に、野菜や花の育苗などに使用される、酸度未調整ピートモスを多めに入れるとよく育ちます。なお、ピートモスは水となじみにくいので、事前に水とよく混ぜておくとよいでしょう。
庭植えであれば、掘り上げた土、吸水させたピ-トモス、赤玉土小粒を3:5:2の割合でよく混合して使用します。植えつける際は、ポリポットから苗を抜き、根鉢をしっかりと崩します。この作業をしないと、根鉢から新しい根が伸びません。次に、あらかじめ吸水させておいたピ-トモスで、根を包むようにして植え穴に入れ、先に混合しておいた土を埋め戻します。
植えつけ後は、しっかりとした支柱を添えてさし、水をたっぷり与えましょう。
最後に、元肥として1株あたり3~4個の油かすなどの有機質固形肥料を置くか、1株あたり100g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をばらまいて、表土に土をかぶせてできあがりです。
管理
水やり | 庭植えでの水やりの目安は、植えつけた年の間は、4月から9月までは週2回程度です。翌年からは、表土が乾いたら水やりします。ブルーベリーは一回水切れしてしまうと、なかなか回復しません。夏の水切れには、特に注意しましょう。株元にバークチップやもみがらなどを敷いて、急激な乾燥を防ぐのもよい方法です。 |
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肥料 |
萌芽が始まる前の3月までに、元肥として油かすや骨粉などの有機質肥料を施します。また、5月から6月に実をつきやすくするために、1株あたり50g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」を施します。さらに、8月から9月にはお礼肥として、同様の肥料を施します。肥料は株元ではなく、樹の枝の広がりよりも、さらに広く周囲の表土に施しましょう。 なお、ブルーベリーの初期の花芽分化は目につきませんが、ハイブッシュブルーベリーでは7月下旬、ラビットアイブルーベリーでは8月上旬から始まっています。したがって、果実をつけて消耗された樹体の栄養分を補い、さらに新梢に充実した花芽がつくようにする「実肥」や「お礼肥」としての追肥は重要です。 |
剪定 |
ブルーベリーの剪定には、1月から2月の休眠期に行なう冬期剪定と、8月から9月に行なう夏期剪定があります。 幼木時は、剪定で花芽を制限して樹の消耗を抑えることで、樹を大きくすることを心がけましょう。植えつけから3年から4年目になると、樹全体が枝で混み合うので、徒長枝、交差した枝(イラストの7)、枯れ枝、基部から出てくるシュート(イラストの5、6)、サッカー(イラストの1)、古い主枝(イラストの2)、を除去します。また、ブルーベリーの花芽(イラストの4)は、枝の先端からから基部に向かって1/3程度まで着き、あと2/3は葉芽(イラストの3)なので、先端ばかりを切り詰めると果実がつかなくなるので注意しましょう。成木になったら、主軸となる枝を4~5本立てて、3年ぐらいを目安に株元から出てくる新しい枝と更新していきます。夏期剪定は、混み合った枝を切除し(イラストの7)、株の内側まで風が通るように心がけましょう。 |
収穫 | ブルーベリーの成熟時期は、サザンハイブッシュ系では5月から6月、ハイブッシュ系(北部系)では6月から7月、ラビットアイ系は7月から8月です。収穫適期は、実が果柄の部分までしっかり着色した時です。この部分がまだピンク色程度では、糖度がのっていません。それぞれの収穫時期は特にしっかりと日光に当てて、やや乾かし気味に管理すると甘みがでます。 |
ふやし方 |
ブルーベリーは休眠枝ざし、または緑枝ざしによってふやすことができます。ここでは、6月に行なう緑枝ざしについて紹介します。まず、新梢を10cm程度の長さに切り、葉を2枚残して取り除きます。残した葉は半分に切ります。次に、先端をナイフで斜めに切り直しましょう。用土には、水で湿らせたピートモスと赤玉土小粒を1:1で混合したものを使用して、さし穂をさします。鉢はビニール袋で覆って日陰で管理し、湿度を保ちます。葉の表面が乾かないように、毎日水をスプレーします。1カ月程度で発根しますが、そのまま管理し、翌春、ポットに移植しましょう。 |
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。
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