植物栽培ナビがまずみ【地植え】の育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

サンゴジュ

 剪定によって樹高を低く抑えることができるが、本来は、高さ10mになる大型の常緑樹。燃えにくいことから火事除けのために、生け垣として植えられる。甘く香る白い花を、6~7月に咲かせる。

 

オオチョウジガマズミ

 長崎県・対馬と韓国に分布する、小型の落葉種。花が甘く強く香ることから、近年よく植えられるようになった。蕾は紅ピンクで、開花すると白色。

 

オオチョウジガマズミ‘ダイアナ’

 赤い蕾が開くにしたがって、ピンク、白と変化する。新葉は茶色で、後に緑になる。

 

ヤブデマリ‘ピンク・ビューティー’

 ガクアジサイに似た花を咲かせる。葉は原種よりも小型で、装飾花は咲き進むと白から紅ピンクに変化する。

 

オオデマリ

 ヤブデマリの花が、すべて装飾花になった園芸品種。真っ白なボール状の花が美しい種類。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 基本的に水はけがよく、腐植質に富んだ日なたに植えつけますが、オトコヨウゾメ、オオカメノキ、ヤブデマリ、チョウジガマズミ、カンボクは、乾燥に弱いため、午前中だけ日が当たるような半日陰で、極端に乾燥しない土壌で栽培します。

 根鉢より1回り大きな植え穴を掘り、植え土の半量ほどの腐葉土と、元肥として緩効性の粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g混合してから植えつけます。根鉢のまわりに十分に水を注ぎ、棒などでつついて根と植え土をなじませます。ぐらつく場合は、支柱を立てます。

 植えつけの適期は、落葉種は厳寒期を除いた落葉期の11~12月、または2月下旬から3月上旬です。常緑種は、2月下旬から3月です。

 

栽培管理

管理

水やり

 植えつけて1回活着すれば、夏の高温で乾燥する時期以外、水やりは不要です。

肥料

新芽が伸びて、次に枝が伸びて成長が盛んになる5月と11~12月に、緩効性の粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g株のまわりの土の上にばらまいて施します。

剪定

 

枝数が少ないオトコヨウゾメ、オオカメノキ、ヤブデマリは、基本的に剪定を行ないません。そのほかの種類は、樹形が乱れたり、大きくしたくない場合、開花後のなるべく早い時期(5~6月)に剪定します。

 まず、長く伸びすぎた枝や、花がつかなくなった古い枝(A)を、基部から切り除きます。次に、好みの樹形になるように、葉や芽がついている節の上1cmほどの部分(B)で切ります。こうすることで、切ったすぐ下の節にある腋芽から枝が伸びてきます。花の咲いた枝を切ってしまうと、秋に果実ができません。

 サンゴジュは、新梢の成長が止まる梅雨明けの時期に、混み合った場所の枝抜き剪定と、刈り込み剪定を行ないます。夏過ぎに伸びた枝は、10~11月に剪定します。

ふやし方

 種類によって難易度は異なりますが、さし木でふやすことができます。一般に落葉種のさし木の発根率は低く、常緑種は発根しやすい傾向があります。 

 今年伸びた新梢が堅くなる6月に、その年に伸びた枝を、長さ15cmほどで切り取り、先端の葉2~3対を残して、30分ほど水あげします。切り口に植物成長調整剤「ルートン」を薄くまぶしてから、赤玉土小粒や市販のさし木用土に、葉が触れる程度の間隔でさします。たっぷりと水やりし、風が当たらない日陰に置いて、乾かさないように管理すれば、秋には発根します。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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