植物栽培ナビぶどう【地植え】の育て方
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植えつけから収穫までの期間 | |
開花から収穫までの期間 |
鉢やコンテナで育てるときは
最近、ベランダ園芸でよく見かけるのが、ブドウの「あんどん仕立て」です。8~10号鉢程度の大きさの鉢を使用し、用土には、赤玉土6、腐葉土3、川砂1の配合土を使います。この用土1ℓ当たり5g程度の粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデン植物全般用」と適量の苦土石灰をよく混ぜ合わせ、苗を植えつけます。
植えつけ後はしっかりと水を与え、高さ30cm程度で切り詰めて支柱を立てます。
開花結実するようになったら、年3回、施肥しましょう。肥料は控えめにし、寒肥として12月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を、その鉢の用土1ℓ当たり5g程度施します。さらに追肥として3月と8月に、粒状肥料「マイガーデンベジフル」を用土1ℓ当たり2g程度、株のまわりの表土にばらまいて施します。
あんどん仕立てにするには、まず、植えつけ後に発生した新梢の中でいちばん成長がよいのものを、まっすぐに伸ばします。冬になり、完全に落葉したら、購入したあんどんに2周り程度巻きつけ、余分な枝先は切ります。春になり、伸び出した新梢はよい結果枝を選びながら誘引していきます。
1鉢当たりの果房数は「デラウエア」などでは6~8房、「巨峰」などでは3~5房がよいでしょう。
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準備
種類、品種選びのポイント
「ヨーロッパ種」は、世界のブドウの主流で品質は極めてよいのですが、日本の気候では栽培がやや難しく、果皮が薄いために腐りやすいのが特徴です。一方、「アメリカ種」は、一般的にやや品質は劣りますが、病気に強い性質があります。
そこで、それらのよいところを併せ持つ品種を育成するために、長年かけて育種されたのが「巨峰」や「デラウエア」などの「欧米雑種」です。家庭で栽培する場合は、これらを選ぶとよいでしょう。
育て方のコツ
ブドウの花や果房のつき方は、前年に伸びた枝のわき芽が春に動き出し、新梢が伸びます。花はこの新梢の基部から数えて4~6節の葉腋に花(果)房となってつきます。この新梢の伸び具合を観察しながら、芽かきをし、摘房や摘粒を適切に行なうことが育て方のコツです。
春の芽かきは、樹勢が強い場合には6月、弱い場合には5月に行ないます。5月になると花穂が出て来ます。果粒を大きくするためには、開花直前からハサミを使って房を切り込み、房づくりをします。
また、結実が確認できたら、1房の果粒数を調整します。残す果粒の数は、品種によって異なりますが、巨峰やピオーネのような大粒品種では30~35粒、マスカット・ベリーAでは60~70粒、デラウエアでは90~100粒ぐらいになります。たくさん収穫したい気持ちはわかりますが、果実のならせすぎは、果実品質や樹勢の低下を招くので、思い切って摘房、摘粒を行ないましょう。
植えつけ方
植えつけ
ブドウの主な産地の平均気温は11~15℃で、7℃以上であれば十分に栽培することが可能です。品種を選べば、日本中どこでも栽培できます。
次に、降水量ですが、一般的には雨の少ない地域が適するものと思われますが、日本で栽培されている欧米雑種は雨に対する抵抗性が強く、問題はありません。
植えつける場所は、日当たりのよい場所であれば、土質は選びません。ブドウは水はけがよく、弱酸性から弱アルカリの土壌が適しているので、日本の多くの土壌が適しています。極端にやせているような場所であれば、完熟堆肥や腐葉土を入れるようにしましょう。
ブドウの苗木は、一般的に秋から春にかけて販売されますが、12~2月の休眠期(極寒期を除く)が植えつけの適期です。苗木には、つぎ木苗とさし木苗がありますが、フィロキセラという「アブラムシ」が寄生している場合があります。多少、高価でも、つぎ木苗を選ぶとよいでしょう。
植えつけ場所は前述したように、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。庭植えの場合、直径60cm、深さ50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土5、腐葉土3、赤玉土中粒2、1株あたり200g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」、苦土石灰を入れてよく混合し、根を広げるようにして植えつけましょう。このとき、つぎ木している部分が土中に埋まらないように注意します。
次に、支柱を立てて、5芽ほど残して主枝を切り詰めます。最後に、水鉢を作り、たっぷりと水を与えます。
管理
水やり
庭植えのブドウは、苗が活着したら水やりは控えめの方がよく育ちます。夏に天気がよい日が続き、乾くようなら、たっぷり水を与えましょう。
肥料
開花結実するようになったら、年3回、施肥しましょう。1回の肥料は控えめにし、まず、寒肥として12月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり200g程度施し、追肥として3月と8月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり50g程度、株のまわりの土の上にばらまいて施します。
仕立て方と剪定
ブドウはつる性果樹なので、どのような形にも仕立てることができます。最も一般的な仕立て方は「棚仕立て」で、日本の生産者の方々がよく用いている手法です。また、フェンスを利用した「垣根仕立て」、支柱を使った「一文字仕立て」や「棒仕立て」なども楽しむことができます。
ブドウは、前述したように、春に伸びる新梢に花穂をつけます。そのため、冬の間に樹形を維持するために枝を切り詰め、棚などに誘引しておきます。
まず、古い枝や生長を妨げる枝など、不要な枝を切ります。残した枝についても樹勢を抑えるために、先端を切り詰めます。樹勢が強くなりすぎると、枝や葉の方に栄養が回ってしまい、果実の品質が低下します。
枝を切り詰める長さは品種によって多少異なり、樹勢の強い「巨峰」や「ピオーネ」などは結果母枝に7~8芽残して剪定し(長梢剪定)、樹勢の弱い「デラウエア」や「マスカットベリーA」などは、2~3芽残して剪定します(短梢剪定)。剪定は、芽と芽の間で切り、1m2当たり2~3本の枝を残すようにします。
剪定が終了したら、バランスを見ながら、棚や垣根に誘引します。
剪定後の切り口、及び傷口のゆ合促進には、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時の枝の切り口に塗布します。
収穫
収穫
ブドウは成熟が近づくと房全体が色づき、品種によっては何ともいえない香りが漂います。また、房の基部(枝に近い方)から房先に向かって成熟してくるので、房先の果実を食べてみて美味しかったら収穫します。
果房は、ハサミで丁寧に切り取りましょう。樹全体の房が一度に成熟するわけではないので、1房ずつ観察しながら収穫することがポイントです。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。
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