植物栽培ナビ温州ミカン【鉢植え】の育て方
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開花から収穫までの期間 |
ミカンこと温州ミカンは、江戸時代に鹿児島県に持ち込まれたカンキツ類(詳細は今でも不明)のタネから誕生した日本原産の果樹です。果皮が指でも簡単にむけ、上品でくせのない味で明治時代から本格的に流通し、今では「こたつにミカン」が冬の定番の慣習となっています。
最近では果肉に含まれるβ-クリプトキサンチンという成分に関する研究がすすみ、骨代謝の働きを助け、骨の健康に役立つことが実証されています。鉢植えでも栽培が可能なのでぜひとも家庭で育ててみましょう。
果実にタネがないのが大きな特徴ですが、これは花に花粉がないことに由来します。そのため、近くに夏ミカンやハッサクなどの花粉が多いカンキツ類の木があると、ミツバチなどの昆虫が正常な花粉を運び、タネができることがあります。このようにほかの果樹とは異なり、受粉樹(ほかのカンキツ類)が悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
栽培上で注意すべきポイント:①-5℃を下回ると寒さで枝葉が傷み、枯れることがあります。鉢植えは冬だけでも暖かい場所に移動させましょう。冬でも葉が光を浴びて光合成をしているので、室内でも日当たりがよい窓際などに置くとよいでしょう。ただし、エアコンなどの暖房器具の温風が直接枝葉に当たると傷む可能性があるので注意が必要です。春になって寒さが緩んだら、再び戸外に出して十分日光に当てます。
②隔年結果といい、豊作と不作の年を交互に繰り返す現象が起きます。果実のなりすぎによる養分不足が原因となるため、7~9月に果実を間引くことで結実量の年格差を少なくすることができます。果実を甘くする効果もあるので、面倒でも摘果を行なうとよいでしょう。
耐寒性の分類について・・・東京を基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと越冬できないものを非耐寒性として分類しています。
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準備
使用するもの
・品種名が明記されたつぎ木苗
・苗木の根鉢より一回りほど大きな鉢。6~10号鉢程度(直径18~30cm)。
・市販の「果樹・花木用の土」→基本用土を配合する場合:「野菜用の土」と鹿沼土小粒を7:3で混合した用土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れ、または移植ゴテ
・支柱(60cm程度)
・ひも(麻ひも、紙ひもなど)
・肥料(用土に肥料が含まれていない場合。粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」など)
・ジョウロ
品種によって性質が大きく異なるので、温州ミカンという表示だけでなく、‘宮川早生’などの品種名が記載された苗木を購入しましょう。極早生の‘日南1号’、早生の‘興津早生’、中生の‘石地’、晩生の‘青島温州’などが有名です。受粉樹は不要です。苗木の流通量が非常に多く、運がよければ7~12月には実つきの苗木も入手が可能です。その年から収穫が可能なのでおすすめです。
植えつけ方
[植えつけ]植えつけ適期:関東地方以西 2〜3月
耐寒性がやや低いので、寒さが緩んだ早春に植えつけます。2~3月が適期ですが、寒冷地では4月になっても問題はありません。つぎ木部(株元のこぶ状にふくらんだ部位)より上まで土で埋めてしまうと、穂木から発根し、樹勢が強くなりすぎて実つきが悪くなり果実品質が低下する恐れがあるので、深植えしないのがポイントです。
[仕立て]棒苗を植えつけて開心自然形仕立てにする場合
植えつけ時:樹高が高くなりやすいので、開心自然形仕立てがおすすめです。苗木を植えつけ、つぎ木部から25cm程度の位置で枝を切り詰め、低い位置からの枝の発生を促します。
植えつけ2~3年目の冬:発生した枝のうち、充実した2~3本を主枝として選び、鉢の縁にひもを巻き、そのひもに別のひもをかけて枝を斜めに方向に引っ張り、左右に広げてバランスよく仕立てます。
植えつけ4年目以降の冬:剪定を参照してください。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの追肥)
・摘果バサミ
・剪定バサミ
摘果する際には、先端が細く加工された摘果バサミを用いると便利です。
剪定する際に切れない剪定バサミを使用すると、切り口がいびつになって木に 残る傷口の癒合が遅れ、病気や枯れ込みが入りやすくなります。剪定バサミは 少々高価でも、よく切れる上等なものを使用するとよいでしょう。
置き場所
春から秋は日当たりと風通しがよく、雨が直接当たらない場所に置くと病害虫が発生しにくいです。冬は-5℃を下回らない場所に置きましょう。
水やり
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
肥料
2月に元肥、6月に追肥、11月にお礼肥を施します。肥料は鉢土の全域に均一になるように施します。成熟期の9〜11月に窒素肥料が効きすぎると、糖度などの品質が低下することがあるので注意が必要です。
摘果
7〜9月ごろに摘果します。摘果の際には葉の数を目安にし、1果あたりの葉が25枚程度になるように間引くとよいでしょう(葉果比25)。ただし、必要以上に間引きすぎると、果実が大きくなりすぎて大味になる傾向にあるので注意が必要です。
収穫
果実全体が橙色に色づいたものから順次収穫します。果梗の切り口が残ると他の果実を傷つける恐れがあるので、切り残しがないようにヘタぎりぎりの位置で切り直します。
剪定
[手順]
①木の芯を止める:縦や横の木の広がりを抑えて樹高を低くしたい場合は、枝分かれしている部分で切り取ります。この作業は樹高が高くなったらその都度行ないます。ただし、1回に大量の枝を切り戻すと、翌年に太くて長い枝が発生して実つきが悪くなることがあるので、太い枝を切り戻す際は、切り取る長さが50cm程度になるようにします。
②不要な枝を間引く:混みあった枝や枯れ枝、徒長した枝などの不要な枝をつけ根から間引きます。春、夏、秋に伸びた枝をそれぞれ春枝、夏枝、秋枝といいますが、春枝は結実しやすいので優先的に残し、夏枝や秋枝にはあまり結実しないので、つけ根で切り取ります。一般的に春枝は短くて切り口の断面が丸くて、夏枝や秋枝は長くて切り口の断面が三角になる傾向にあるので、見分ける際の目安となります。
③長い枝のみ、先端を1/3程度切り詰める:
一般的に翌年果実がつく枝が発生する花芽は、春枝(場合によっては夏枝も)の先端から中間付近にしかつきません。
すべての枝の先端を切り詰めると収穫できなくなるので注意が必要です。各枝の見分けがつく場合は、夏枝や秋枝はつけ根で切り取り、春枝は切り詰めないようにします。見分けがよくつかない場合は、30㎝以上の長い枝のみを選んで、1/3程度を切り詰めると、ほとんどの春枝を残し夏枝や秋枝を切り詰めることができます。
収穫後にすぐに食べない果実は貯蔵しますが、その前に果実を室内の日陰の風通しのよい場所に5日ほど放置して果皮の表面を少し乾かすと、腐敗果やス上がり、浮き皮などの障害果の発生率を減らすことができます。
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