植物栽培ナビうめ【鉢植え】の育て方
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開花から収穫までの期間 |
日本人に古くから愛されているウメ。原産地は中国で、弥生時代から何回かにわたって日本に導入されたといわれています。数え切れないほどの品種が存在しますが、これらは花ウメと実ウメに大別できます。両者を明確に分ける特徴はありませんが、花ウメは花に特化して育種された品種のため、花色や花形などが多彩で、早ければ1月から開花するものもあります。
一方、実ウメは花色が白やピンクに限定され、花形や開花時期のバリエーションも乏しいものの、実つきがよくてサイズや品質が優れるものが多いのが特徴です。果実の収穫が目的の場合は、ぜひとも実ウメを栽培しましょう。
人工授粉や摘果、袋かけなどの作業が必須ではなく、ほかの果樹に比べると手間がほとんどかからないですが、収穫の適期が利用方法によって異なるので注意が必要です。梅酒やジュースは青ウメを、梅干しは黄ウメを収穫するようにしましょう。
「サクラ切る馬鹿、ウメ切らぬ馬鹿」ということわざは、ウメが高木になりやすく、枝の発生量も多くて混み合いやすく、切り口も容易に塞がる性質があることに由来しますが、それだけ昔からウメの剪定作業が重要視されていたことが分かります。 確かに剪定を怠ると高木になるばかりか、細い枝の占める割合が増えて結実部位が外周部だけになり、徐々に収穫量が減るので面倒であっても毎年剪定しましょう。
剪定時の最大のポイントが短い枝をなるべく残し、そして翌年に短い枝が多く発生するような枝の切り詰めを行なうことです。というのもウメは30cm以上の長い枝にはほとんど結実せず、反対に10cm以下の短い枝に結実しやすいからです。短い枝を発生させるには、30~70cm程度の枝の先端を、1/4程度切り詰めるとよいでしょう。
耐寒性の分類について・・・東京を基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと越冬できないものを非耐寒性として分類しています。
カレンダーは拡大してご覧ください。
準備
使用するもの
・品種名が明記されたつぎ木苗
・苗木の根鉢より一回りほど大きな鉢。6~10号鉢程度(直径18~30cm)。
・市販の「果樹・花木用の土」→基本用土を配合する場合:「野菜用の土」と鹿沼土小粒を7:3で混合した用土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れ、または移植ゴテ
・支柱(60cm程度)
・ひも(麻ひも、紙ひもなど)
・肥料(用土に肥料が含まれていない場合。粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などがおすすめ)
・ジョウロ
苗木を選ぶ際には花ウメではなく、実ウメの品種を購入します。梅干しには‘南高’、梅酒やジュースには‘白加賀’や‘露茜’が向いています。‘竜峡小梅’などの受粉樹が不要な品種もありますが、基本的には異なる2品種以上を一緒に育てたほうが実つきがよくなります。受粉樹には花粉が多くて開花期が近い品種を選びましょう。‘白加賀’や‘露茜’は花粉が少ないので受粉樹には不向きです。
植えつけ方
[植えつけ]植えつけ適期:関東地方以西 11~3月
植えつけの適期は11~3月ですが、秋植え(11月)か開花する直前(2月)に植えつけるのが理想的です。開花期の近い別の品種の苗木を別の鉢に植えつけて、近くに置いて育てます。
[仕立て]棒苗を植えつけて開心自然形仕立てにする場合
植えつけ時:樹高が高くなりやすいので、開心自然形仕立てがおすすめです。枝分かれしていない棒苗なら、つぎ木部から30cm程度の高さで切り詰めて、充実した枝の発生を促します。変則主幹形仕立てにする場合は、苗木を切り詰めません。
植えつけ2~3年目の冬:発生した枝のうち、充実した2~3本を主枝として選び、鉢の縁にひもを巻き、そのひもに別のひもをかけて枝を斜めに方向に引っ張り、左右に広げてバランスよく仕立てます。実つきがよい短い枝を多く発生させるのがポイントです。
植えつけ4年目以降の冬:剪定を参照してください。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの追肥)
・剪定バサミ
剪定する際に切れない剪定バサミを使用すると、切り口がいびつになって木に残る。傷口の癒合が遅れ、病気や枯れ込みが入りやすくなります。 剪定バサミは少々高価でも、よく切れる上等なものを使用するとよいでしょう。
置き場所
春から秋は日当たりや風通しがよく、雨が直接当たらない場所に置くと病害虫が発生しにくいです。
水やり
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料
11月に元肥、4月に追肥、6月にお礼肥を施します。肥料は鉢土の全域に均一になるように施します。
人工授粉
開花数が多く、ミツバチなどの昆虫が受粉するので人工授粉は必須の作業ではありません。
収穫
梅酒やジュースにする場合は未熟な黄緑色の果実を、梅干しにする場合は完熟した黄色の果実を収穫するとよいでしょう。‘南高’や‘露茜’などの品種は日光がよく当たった果実は赤く色づきます。
剪定
[手順]
①先端の枝を1本に間引く:主枝や亜主枝の先端付近が枝分かれすると骨格となる枝が細くなり、樹勢も弱くなるので、充実した1本だけを残し、ほかはつけ根で間引きます。残した1本の枝は③で切り詰めます。
②不要な枝を間引く:混み合った枝や枯れ枝、徒長した枝などの不要な枝をつけ根から間引きます。10㎝以下の短い枝には、翌年品質のよい果実がたくさんなりやすいので優先的に残します。
③長い枝は先端を1/4程度切り詰める:①②で残した枝のうち、30~70cm程度の長い枝は先端から1/4程度の位置で切り詰めます。こうすることで、翌年10㎝以下の短い枝が多く発生し、収穫量を毎年維持することができます。切り詰めた後に残った枝の長さが短すぎると果実がつきにくい長い枝ばかりが発生し、長すぎるとつけ根付近から枝が発生しなくなるので注意が必要です。
毎年のように実つきが悪い場合は、確実に結実させたい範囲の花だけでも人工授粉すると実つきが改善するかもしれません。
花粉が多い品種の花を摘み、もう一方の品種の花の雌しべにこすりつけます。
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