植物栽培ナビいちじく【鉢植え】の育て方
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開花から収穫までの期間 |
生育が旺盛で病気の発生が少なく、作業の手間もあまりかからないので初心者にはおすすめです。完熟果を収穫すれば、とろけるような食感と甘みを味わうことができます。
一般的な果樹は収穫期間が2~3週間ですが、イチジクは通常でも2ヵ月程度、最大で4ヵ月程度は続くので、長く収穫を楽しむことができる果樹だといえます。
水分を好むため、夏に根が乾燥すると木の衰弱や落果を招くことがあります。鉢植えは特に水やりに注意が必要です。
果実として広く流通しているのは‘桝井ドーフィン’と‘蓬莱柿’ぐらいですが、国内には少なくとも30品種以上の苗木が出回っています。これらの品種は、前年から越冬して6~7月ごろに収穫する果実(夏果)だけがなる夏果専用種と、4月に発生した枝について8~10月ごろに収穫する果実(秋果)だけがなる秋果専用種、そして夏果と秋果の両方がなる夏秋果兼用種の3つのタイプに大別できます。
夏果品種には‘ビオレドーフィン’、‘ザ・キング’など、秋果専用種には‘ゼブラ・スイート’、‘蓬莱柿’など、夏秋果兼用種には‘桝井ドーフィン’、‘バナーネ’などがあります。
収穫時期や仕立て方、剪定方法がそれぞれ異なるので、品種を選ぶ際にはどのタイプに属するか把握する必要があります。 一文字仕立ては、主枝を株元付近に横一文字に配置するもので、樹高を低く維持でき、剪定が簡単なため、初心者におすすめの仕立て方ですが、冬にすべての枝を1~2節で切り詰めるため、夏果専用種や夏秋果兼用種の夏果は収穫できないのが難点です。 一方、開心自然形仕立てや変則主幹形仕立ては、樹高が高くなりやすいものの、どのタイプの品種でも収穫が可能となります。今回は一貫して開心自然形仕立ての解説をします。
耐寒性の分類について・・・東京を基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと越冬できないものを非耐寒性として分類しています。
カレンダーは拡大してご覧ください。
準備
使用するもの
・品種名が明記されたさし木苗
・苗木の根鉢より一回りほど大きな鉢。6~10号鉢程度(直径18~30cm)。
・市販の「果樹・花木用の土」→基本用土を配合する場合:「野菜用の土」と鹿沼土小粒を7:3で混合した用土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れ、または移植ゴテ
・支柱(60cm程度)
・ひも(麻ひも、紙ひもなど)
・肥料(用土に肥料が含まれていない場合。粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」など)
・ジョウロ
苗木1本でも実つきがよいので、受粉樹は不要です。‘バナーネ’は果実が大きく甘みが強いので人気があり、‘ゼブラ・スイート’は果皮に黄緑色と白色のしま模様がつく見た目の珍しさが特徴です。市販「果樹・花木用の土」を用いるか、「野菜用の土」と鹿沼土小粒を7:3で混合して用いますが、pH6.5~7.0の中性付近の土壌を好むので、10号鉢なら一握り(30g程度)の苦土石灰を混ぜ込むとよいでしょう。
植えつけ方
[植えつけ]植えつけ適期:関東地方以西 11~3月
落葉期が植えつけの適期です。根が乾燥に弱いので、ポットや鉢から抜いたらなるべく早く植えつけましょう。
[仕立て]棒苗を植えつけて開心主幹形仕立てにする場合
植えつけ時:苗木を植えつけ、株元から25cm程度の高さで枝を切り詰め、枝の発生を促します。
植えつけ2年目の冬:発生した枝のうち、角度や充実度合いが適切な2~3本を選び、それ以外はつけ根で切り取ります。残した枝については先端を1/4程度切り詰めて、充実した枝の発生を促します。 植えつけ3年目以降の冬:剪定を参照してください。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの追肥)
・剪定バサミ
剪定する際に切れない剪定バサミを使用すると、切り口がいびつになって木に残る
傷口の癒合が遅れ、病気や枯れ込みが入りやすくなります。 剪定バサミは少々高価でも、よく切れる上等なものを使用するとよいでしょう。
置き場所
春から秋は日当たりと風通しがよく、雨が直接当たらない場所に置くと病害虫が発生しにくいです。冬は-10~7℃の場所に置きましょう。
水やり
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料
2月に元肥、6月に追肥、10月に礼肥を施します。肥料は鉢土の全域に均一になるように施します。
芽かき
冬の剪定時に先端を切り詰めた枝からは翌春多くの新梢が発生して、混み合うことがあります。4〜5月に萌芽した短い新梢が混み合っている場合は、間引くとよいでしょう。この作業を芽かきといいます。
収穫
全体が色づいた果実から順次収穫します。未熟すぎると硬くて甘みが足りず、過熟すぎると果肉が崩壊して果汁がこぼれ落ちるので、適期をしっかりと見極めて収穫します。
剪定
[手順]開心自然形仕立ての場合
①先端の枝を1本に間引く:先端付近から多くの枝が発生しますが、すべて残すと各枝が細く貧弱になるので、角度や充実度合いが最もよい枝1本を選んで、それ以外はつけ根で間引きます。残した枝の先端は③で切り詰めます。
②不要な枝を間引く:混み合った枝や枯れ枝、徒長した枝などの不要な枝をつけ根から間引きます。株元周辺から枝(ひこばえ)が発生した場合は、すべてつけ根で間引きます。
③長い枝のみ、先端を1/3程度切り詰める:秋果はすべての枝を強く切り詰めても翌年結実しますが、夏果は枝の先端にしか花芽がつかず結実しないので、夏果専用種はすべての枝の先端を切り詰めると収穫できなくなります。残した枝のうち、40cm以上の長い枝は枝の先端を1/2程度切り詰め、翌年充実した枝を発生させます。40cmに満たない枝は切り詰めずに残します。
収穫した果実の果梗(果実の軸)から白い液が流れ落ちることがありますが、素手で触れると体質によってはかぶれることがあるので、手袋を装着して作業するとよいでしょう。
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