植物栽培ナビかき【鉢植え】の育て方
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開花から収穫までの期間 |
定番の庭木として親しまれているカキ。日本をはじめ、中国や朝鮮半島に分布していますが、現在栽培されている品種の大半は中国にルーツがあるという説が有力です。とはいえ、平安時代の文献にも記録があるほど古くから栽培されているカキは、日本の気候風土によく適応し、色や形、食味など多彩な品種が生み出され、現在では国内だけでも1000以上の品種が存在するといわれています。きっとお好みの品種が見つかることでしょう。
多種多様なカキですが、甘ガキと渋ガキに大別されます。甘ガキは夏から秋に気温が低いと渋が抜けにくいので、寒冷地で育てるなら渋ガキがおすすめです。また、11月中下旬に霜が降りるような寒冷地では、降霜によって果実が傷まないように甘ガキ渋ガキ問わず早生や中生の品種を育てるとよいでしょう。どうしても晩生の品種を育てたいのであれば、市販の果実袋をかぶせて霜から守る必要があります。
収穫した果実のうち、甘ガキは直ちに食べることができますが、渋ガキや渋みが抜け切れていない甘ガキはホワイトリカーに浸したり干し柿にすることで渋を抜く必要があります。この作業も家庭園芸ならではの楽しみの一つとなります。
ほかの果樹と比べて豊作と不作の年を交互に繰り返す性質(隔年結果性)が強いですが、7月に摘果を行うことで毎年のように安定した量の果実を収穫することができます。果実が甘く大きくなる効果もあるので、高品質な果実を安定して収穫するには摘果は必須の作業です。
摘果や収穫などの作業を行うためにも、なるべく樹高を低くして作業のしやすい木に仕立てることが重要です。幼木の頃から毎年必ず剪定して、コンパクトな樹形を維持しましょう。ただし、翌年花が咲く枝が発生する花芽は枝の先端付近の数芽にしかつかないので、剪定時にすべての枝を切り詰めないようにすることが重要です。
耐寒性の分類について・・・東京を基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと越冬できないものを非耐寒性として分類しています。
カレンダーは拡大してご覧ください。
準備
使用するもの
・品種名が明記されたつぎ木苗
・苗木の根鉢より一回りほど大きな鉢。6~10号鉢程度(直径18~30cm)。
・市販の「果樹・花木用の土」→基本用土を配合する場合:「野菜用の土」と鹿沼土小粒を7:3で混合した用土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れ、または移植ゴテ
・支柱(60cm程度)
・ひも(麻ひも、紙ひもなど)
・肥料(用土に肥料が含まれていない場合。粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」など)
・ジョウロ
雌雄同株異花(しゆうどうしゅいか)といって雌花と雄花が分かれて咲きます。雌花はすべての品種に咲きますが、雄花は‘禅師寺丸’や‘太秋’、‘西村早生’、‘正月’などの限られた品種にしか咲きません。そのため、受粉樹としてこれらの雄花が咲く品種が必要となります。ただし、受粉しなくてタネが入らない状態でも結実する性質(単為結果性)が強い品種は、受粉樹が不要です。このように品種によって受粉樹の有無が異なります。
植えつけ方
[植えつけ]植えつけ適期:関東地方以西 2〜3月
根の量が少ない苗木は乾燥に弱いので、ポットや鉢から抜いたらなるべく早く植えつけましょう。
[仕立て]棒苗を植えつけて変則主幹形仕立てにする場合
植えつけ時:変則主幹形仕立てや開心自然形仕立てがおすすめです。変則主幹形仕立ての場合は、苗木を植えつけ、株元のこぶ状にふくらんだつぎ木の部位から、40cm程度で枝を切ります。
植えつけ2~3年目の冬:よほど枝が混み合わない限り、枝をつけ根で切る必要はありません。40cm以上の長い枝については先端を1/3程度切り詰めて、充実した枝を発生させます。
植えつけ4年目以降の冬:剪定を参照してください。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの追肥)
・摘果バサミ
・剪定バサミ
・ホワイトリカーや焼酎など(脱渋用)
摘果する際には、先端が細く加工された摘果バサミを用いると便利です。
剪定する際に切れない剪定バサミを使用すると、切り口がいびつになって木に残る傷口の癒合が遅れ、病気や枯れ込みが入りやすくなります。剪定バサミは 少々高価でも、よく切れる上等なものを使用するとよいでしょう。
置き場所
春から秋は日当たりや風通しがよく、雨が直接当たらない場所に置くと病害虫が発生しにくいです。冬は-13~7℃(甘ガキ)もしくは-15~7℃(渋ガキ)の場所に置きましょう。
水やり
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
肥料
2月に元肥、6月に追肥、10月にお礼肥を施します。肥料は鉢土の全域に均一になるように施します。
人工授粉
ミツバチなどの昆虫が受粉するので必須の作業ではありませんが、毎年のように実つきが悪い場合は人工授粉を検討しましょう。雄花を摘み取り花弁をはぎ取って雄しべをむき出しにし、雌花の雌しべの先端(花弁からはみ出た白い器官)にこすりつけます。1花で10花程度を受粉できます。‘次郎’や‘平核無’などの単為結果性が強い品種では不要です。
摘果
7月ごろに摘果します。まずは1枝あたり1果になるように間引きます。次に葉の数を目安にさらに間引きます。目安としては1果あたりの葉が25枚程度です(葉果比25)。摘果バサミを用いると便利です。
収穫
果実全体が橙色に色づいたものから順次収穫します。果梗の切り口が残るとほかの果実を傷つける恐れがあるので、切り残しがないようにヘタぎりぎりの位置で切り直します。ただし、干し柿にする場合は、ひもをひっかける部位が必要なので、果梗をT字に残して収穫します。
脱渋
渋ガキは脱渋(渋抜き)してから食べます。さまざまな脱渋方法がありますが、最も簡単なのはホワイトリカーなどのアルコールにヘタのみを一瞬浸し、ポリ袋入れて密封して、涼しい日陰に1週間ほど放置する方法です。
剪定
[手順]
①木の芯を止める:3年以上が経過して樹高が高くなってきたら、木の先端の枝分かれしている部分で切り取ります。この作業を「木の芯を止める」といいます。木の先端以外の部位でも枝が長くなってきたら行ないます。この作業は樹高が高くなったらその都度行ないます。
②不要な枝を間引く:混みあった枝や枯れ枝、徒長した枝などの不要な枝を、つけ根から間引きます。古い枝は優先的に切り取り、新しい枝に切り替えると老木になっても結実量が減ることはありません。
③長い枝のみ、先端を1/3程度切り詰める:翌年果実がつく枝が発生する花芽は、枝の先端付近にしかつかないので、すべての枝の先端を切り詰めると収穫できなくなるので注意が必要です。30cm以上の長い枝のみを選び、1/3程度を切り詰めて、翌年充実した枝を発生させます。30cmに満たない枝は、翌年結実させるために切り詰めないでおきます。
甘ガキでも渋みが抜けきらないことがあります。その場合は、渋ガキの脱渋作業と同様にして、渋みを抜いてから食べましょう。
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