植物栽培ナビぶどう【鉢植え】の育て方
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開花から収穫までの期間 |
果物のなかでもトップクラスの人気を誇るブドウ。果粒の色は黒色、赤色、緑色で、形もさまざまです。 果皮ごと食べられる欧州種、病気に強い米国種があり、最近ではそれらの長所を受けついだ交雑種の欧米雑種の品種が多く出回っています。
畑や庭に植えつける場合は、棚を設置して仕立てることが多いですが、鉢植えの場合はオベリスクやフェンスに仕立てるのがおすすめです。鉢植えを置くだけでベランダや玄関を異国風にアレンジすることができます。
概して病気に弱く、その対策のために多くの労力を割く必要があります。大粒で食味がよい品種や果皮ごと食べられる品種は人気がありますが、病気に弱いものが多く、しかも美しい果房を収穫するためには多くの専門的な作業が必要です。そのため初心者には‘キャンベル・アーリー’などの病気に強く、手間がかからない品種の購入を強くおすすめします。
枝葉や果房に雨が直接当たるとべと病や黒痘病などの病気が発生しやすいので、軒下などの雨の当たらない場所に置くとよいでしょう。また、軒下であっても3時間程度は直射日光が当たる場所が理想的です。水やりの際には枝葉や果房に水がかからないように、株元に水を注ぐように心がけます。
スーパーの果物コーナーには‘ピオーネ’や‘デラウェア’のようにタネなしの状態で販売されているブドウもありますが、これらのほとんどはもともとタネがある品種で、ジベレリンという植物ホルモンをブドウの木に処理することではじめてタネなしになります。そのため、タネなしブドウを収穫したい場合は、「STジベラ錠5」を希釈し、開花期前後の2回、花房や果房に処理する必要があります。タネをなくすほかに実つきをよくする効果もあるので、ぜひともチャレンジしてみましょう。
耐寒性の分類について・・・東京を基準にして、露地で十分に越冬できるものを耐寒性、霜よけや暖房のある室内に取り込まないと越冬できないものを半耐寒性、本格的な温室がないと越冬できないものを非耐寒性として分類しています。
カレンダーは拡大してご覧ください。
準備
使用するもの
・品種名が明記されたつぎ木苗もしくはさし木苗
・苗木の根鉢より一回りほど大きな鉢。6~10号鉢程度(直径18~30cm)。
・市販の「果樹・花木用の土」→基本用土を配合する場合:「野菜用の土」と鹿沼土小粒を7:3で混合した用土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れ、または移植ゴテ
・支柱(60cm程度)
・ひも(麻ひも、紙ひもなど)
・肥料(用土に肥料が含まれていない場合。粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などがおすすめ)
・ジョウロ
苗木1本でも実つきがよいので受粉樹は不要です。果粒が大きくて味が濃厚な‘ピオーネ’や‘巨峰’、果皮ごと食べられる‘シャインマスカット’や‘ロザリオビアンコ’などの品種が人気ですが、これらは病気や実つきの面で難易度が高く経験者向けの品種といえます。初心者は病気に比較的強く実つきがよい‘デラウェア’や‘キャンベル・アーリー’、‘マスカットベリーA’などの品種がおすすめです。
植えつけ方
[植えつけ]植えつけ適期:関東地方以西 11~3月
市販の「果樹・花木用の土」などを用いて植えつけます。つる性なので、オベリスクやフェンスなどの支柱を設置し、伸びた枝を誘引します。アサガオなどに用いられる簡易な支柱はブドウの太い枝には不向きです。
[仕立て]棒苗を植えつけてオベリスク仕立てにする場合
植えつけ時:苗木を植えつけ、オベリスクに枝をらせん状に誘引します。枝の先端を切り詰める必要は特にありません。 植えつけ2年目以降の冬:剪定を参照してください。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの追肥)
・摘粒バサミ
・果実袋
・剪定バサミ
摘粒する際には、ブドウ専用の摘粒バサミを用いると便利です。摘果バサミよりも 先端がさらに細く加工されています。
置き場所
春から秋は日当たりや風通しがよく、雨が直接当たらない場所に置くと病害虫が発生しにくいです。
冬は-15~7℃(欧州種)や-20~7℃(それ以外)の場所に置きましょう。
水やり
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料
2月に元肥、6月に追肥、9月にお礼肥を施します。肥料は鉢土の全域に均一になるように施します。
誘引・つる取り
枝が伸び次第、オベリスクやフェンスなどの支柱にひもなどを用いて誘引します。効率よく日光が当たるように枝はなるべく等間隔に配置します。
ジベレリン処理
タネをなくすためには「STジベラ錠5」を用います。使用方法としては、ジベレリンを水に溶かし、開花前~開花期に1回(タネをなくす目的)、そして満開3~15日後程度にさらに1回(果粒を肥大させる目的)の合計2回、花蕾(花)や果粒につけて処理します。処理時期や濃度は品種によって異なるので、説明書を参照してください。
摘粒
つきすぎた果粒を間引く作業を摘粒といいます。密着した果粒が割れるのを防ぎ、養分ロスを防いで果粒を大きく甘くするのが目的です。1果房あたりの目安としては‘ピオーネ’のような大粒品種は30粒程度、‘キャンベル・アーリー’のような中粒品種は70粒程度です。‘デラウェア’のような小粒品種は基本的に不要です。先端が細い摘粒バサミを用いると便利です。
袋かけ
摘粒が終わった果房に市販の果実袋をかけると、病害虫や害鳥、裂果から守ることができます。袋内に雨水や害虫が入らないように付属の針金でしっかりと固定します。
収穫
果実袋を一時的に外すか、下の部分を少し破って果粒の色を確認し、全体が色づいた果房から順次収穫します。果梗は硬いので剪定バサミや摘粒バサミで切って収穫します。果粒の部分に触れると外れる恐れがあるので、果房は、果梗の部分を持つようにします。
剪定
[手順]
①ひもを切り取る:誘引に使用したひもはすべて切り取って③で新しいひもに取り替えます。同じ場所で何年も固定して枝に食い込むのを防ぐのが目的です。
②長い枝は2~3本に間引く:年を経るごとに枝が先端ばかりに集中して株元付近に枝が少なくなる性質があります。そのため、毎年の剪定では、発生した枝のうち、20cm以上の長い枝については株元に近い2~3本を残してそれ以外はすべて切り落とし、株元からの枝の発生を促します。残した2~3本の枝は5~9節(芽)残して切り詰めます。太くて長い枝は長く(9芽程度)、細くて短い枝は短く(5芽)残します。20cmに満たない枝は切り取らずに残します。
③ひもで固定する:新しいひもを使って枝をオベリスクに誘引します。針金などは枝に食い込むので用いません。
オベリスクの代わりにフェンスを用いてもよい。
ただし、薬剤の種類によってはフェンスの塗装や材質を傷めるので、
設置の際はよく考慮すること。
剪定する際に切れない剪定バサミを使用すると、切り口がいびつになって木に残る 傷口の癒合が遅れ、病気や枯れ込みが入りやすくなります。 剪定バサミは少々高価でも、よく切れる上等なものを使用するとよいでしょう。
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