植物栽培ナビさつきの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

北斗星(ほくとせい)
Rhododendron ‘Hokutosei’
剣弁のすっきりとした形で、紫がかったピンクで底白(中心が白色)の花。寄せ植えなどにも使える。

好月(こうげつ)
Rhododendron ‘Kogetsu‘
1株から絞りや覆輪(花の縁が白色)、底白など、さまざまな花を咲かせる咲き分け。花は丸弁で、枝の伸びもよい。

晃山(こうざん)
Rhododendrn ‘Kozan’
黄色がかった、ごく淡い紅色の花。小輪で、葉も小さく、株は上に伸びずに這うように育つ。古品種。

日光(にっこう)
Rhododendron ‘Nikko’
小輪の咲き分け品種。淡紅の地色が上品で、紅単色の花がポイントとなっている。枝数も多いので寄せ植えに適している。

秋月(しゅうげつ)
Rhododendron ‘Shugetsu’
大輪で、紫色に底白の花がとても目立つ。枝も良く伸び、丈夫で育てやすい。庭植えに適する。

真如の月(しんにょのつき)
Rhododendron ‘Shinnyo no Tsuki’
アザレアの血が入った大輪品種。花は紫紅色の底白で、軽くフリルが入る。多少寒さに弱いので、冬の寒風は避ける。

祝星(いわいぼし)
Rhododendron ‘Iwaiboshi’
鮮やかな紅白の対比が美しい品種。覆輪と底白の割合が、花ごとに異なる。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 庭に植える場合は、少なくとも午前中は日が当たる場所で、腐植質に富んだ、水はけのよい土壌が適しています。日陰では枝ばかりが伸びて、花つきが悪くなります。
 植えつける場所に、根鉢の直径の3倍ほどの大きさの穴を掘り、よく耕します。耕した土と等量の酸度未調整ピートモスを穴に入れ、底土とよく混ぜて、地面より5~10cm 高い小山状にします。鉢から抜いた根株の土を1/2ほど落として、根をほぐし,株を小山の中心に深植えしないように植えつけます。株元とその周辺をバーク堆肥や腐葉土などでマルチングをすると、乾燥や地温の上昇を防ぐことができます。倒れてしまうようなら支柱を立て、根のすき間に用土が入るようにたっぷりと水やりをします。作業適期は、暑くなる前に根が張るように花後の剪定時に一緒に行なうか、9月下旬〜10月、または3〜4月です。
 鉢植えは、開花時は室内でも観賞できますが、基本的に通年戸外で管理します。夏は半日陰、そのほかの時期は十分に日が当たる場所に置きます。冬は、乾燥した寒風が当たらないような場所に移動させます。
 販売されている鉢植えのサツキは、きわめて水はけのよい鹿沼土を主体とした用土で植えられているので、夏の高温乾燥時に水切れを起こして枯れてしまうことがあります。家庭での栽培に適した、赤玉土細粒5、鹿沼土細粒3、酸度未調整ピートモス2を混合した用土など、水もちのよいもので植え替えるとよいでしょう。適期は庭植えに準じます。

 

栽培管理

管理

水やり

 春には新梢が伸び、盛んに成長するので、鉢植え、庭植え共に極端に乾かないように水やりを行ないます。花や新梢がだらんとしていれば、水やりが必要です。
 鉢植えでは,夏の高温期には用土も乾きやすいため、暑い日中を避けて、朝と夕方の二度,鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりをします。
 庭植えは基本的に水やりの必要はありませんが,夏など極端に乾く時期は,暑い日中を避けて,充分に土にしみ込むように水やりをします。

肥料

 鉢植え、庭植えどちらも、開花後にお礼肥として粒状肥料「マイガーデン植物全般用」や「マイガーデン花・野菜用」を1㎡当たり150gを7月まで月1回施します。植え替えたものは、3週間後から施します。
 また、秋に涼しくなり、木が充実する9月下旬〜10月に1回、施します。庭植えの場合は、枝が茂ってる部分とほぼ同じ範囲に根が張っているので、外周部に浅く埋め込むようにして施します。

剪定

 サツキは開花前後に新梢を伸ばし始め、夏の間、枝先に来春に開花する花芽をつくります。このため剪定作業は開花後のなるべく早い時期に行ないます。夏以降の剪定はせっかくできた花芽を切ることになるので、翌年に花が咲かない原因となります。
 枝数も多く、芽吹きもよいので、伸び始めた枝も一緒に、好みの形に刈り込むことができます。しかし,あまり深く切ると新芽が出にくくなることがあるので、刈り込みは3cm程度の深さに止めます。また、この時に枯れ枝や重なった枝も基部から剪定し、風通しをよくします。

 サツキには,絞り花や一株にさまざまな模様の花が咲く品種があります。このような品種では、開花中によく花を確認しておき、絞りが抜けて単色になってしまったものなど、品種本来の色ではない花を咲かせる枝があれば切り除きます。
 初秋から、一部の枝が伸び過ぎて、樹姿が乱れることがあります。来年の花になる花芽はすでにできているので、伸び過ぎた枝だけを選んで、ほかの枝と同じ長さまで切り戻します。

ふやし方

 さし木で簡単にふやすことができます。開花後に伸びはじめた新梢は、6月下旬〜7月に充実して硬くなります。この枝を長さ15cmほどで切り取り、さし穂に利用します。その際、絞りの花ではきちんと絞りが出ている枝を、咲き分け品種は白無地か絞りの花の咲いた枝を選んで、さし穂を採取しましょう。
 ナイフなどの鋭利な刃物を使い、10cm 程度の長さでさし穂を斜めに切ります。先端の葉2〜3 枚を残して下葉を取り除き、30分間水揚げをして、植物成長調整剤「ルートン」を切り口にまぶした後、葉が触れる程度の間隔で鹿沼土やさし木用土を入れたさし床に、深くさします。充分に水やりをしたら、ビニール袋に入れて口を閉じて密閉し、日陰に置いて管理します。秋には発根するので、口径5cm ほどのビニールポットなどに鉢上げします。
 咲き分けの品種,特に単色、覆輪、絞りと咲き分ける品種は、絞り花を咲かせた枝からさし穂を取らないと、親株のような変化が出ないので、注意が必要です。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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