植物栽培ナビエリカ・カルーナの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
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基本情報

基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

エリカ‘クリスマスパレード’

古くから栽培される「ケープエリカ」の園芸品種。クリスマスの植物の定番となった。ピンク色の筒状の花を秋から早春まで咲かせる。寒さに弱いため、冬は室内で管理する。

ジャノメエリカ

「ケープエリカ」だが寒さに強く、暖地では庭植えが可能。ピンクの小花を秋から冬にかけて多数咲かせる。

キネレア

樹高30cm程度のクッション状になるので、グランドカバーとしても使える。ヨーロッパ原産。花は白から紫紅色まで、多数の園芸品種がある。春咲き。

カルネア

ヨーロッパ原産で、春に赤い花を咲かせる小型種。多数の園芸品種がある。夏の暑さに弱いので、特別な管理が必要。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

エリカとカルーナ

日なたを好む一方、夏の暑さに弱いという特徴があります。庭植えでは、桐生砂や軽石など水はけがよい用土を用いると、夏の多湿による根腐れを防ぎ、また、水分の蒸散で気化熱を奪って、土壌の温度を下げることができます。こうした用土はとても水はけがよいので、特に夏には極端に乾かし過ぎないように、夕方に葉水を兼ねて十分に水やりをすることも必要です。

植えつけは、開花後の5~6月、成長の止まった10〜3月に行ないます。

日当たりがよく西日が当たらない場所を選び、地面を30cmほど掘り下げます。粗い砂利を厚さ10cmほど敷き、細かい桐生砂や軽石などの多孔質の用土に、植え土の20%ほどの酸度未調整のピートモスを混合します。さらに元肥として、粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデン元肥用」を1m²当たり240g施し、地面から10cmの高さまで盛り上げて植えつけます。根鉢を1/3程度くずしたら、土壌改良した部分に植えつけ、十分に水を注いで棒などでつついて根と植え土をなじませます。

あまり大きくならないので、1株だけではなく、3株もしくは5株と、奇数の株数を植えて小さな群落をつくると自然な雰囲気になります。

鉢植えは、根鉢を1/3ほどくずして、赤玉土小粒、鹿沼土、酸度未調整ピートモス、バーミキュライトを4:2:3:1で混合したものか、山野草用土と赤玉土小粒を等量に混合した用土で植え替えます。適期は庭植えに準じますが、冬咲きの品種は2月下旬〜3月です。

ケープエリカ

ジャノメエリカなど耐寒性のある品種は、庭植えにできます。植えつけの適期は5〜6月、または9月下旬〜10月です。

西日を避けられる日なたで、水はけのよい土壌で育てます。根鉢の大きさの2倍の直径、深さの植え穴を掘り、酸度未調整のピートモスを植え土に混合し、元肥として粒状肥料「マイガーデン元肥用」を当たり240g施しておきます。根鉢を1/3ほどくずして、植えつけます。水はけが悪い場合は鹿沼土や桐生砂を混合しましょう。エリカの根は地表近くに張るため、根腐れの原因となるので深植えは避けましょう

寒さに弱い品種は、鉢植えで栽培します。用土や植え方、適期は、前出のエリカとカルーナに準じます。

 

栽培管理

管理

育て方のコツ

西日の当たらない戸外の日なたで通年栽培します。夏は直射日光を避け、寒冷紗などで50%程度の遮光をし、根元を腐葉土などでマルチングをすると、土の乾き過ぎと地温の上昇を防げます。冬は寒風の当たらない場所に置きます。寒さに弱い「ケープエリカ」のみ、11月には室内に取り込み、無暖房の室内で4月中旬まで管理します。

管理

水やり 活着すれば非常に丈夫で、庭植えでは真夏の高温乾燥が続くとき以外、水やりは必要ありません。水やりする場合は、朝か夕方に、土に水がしみ込むまで、十分に与えます。
肥料

ほとんど必要ありませんが、葉色が悪い、成長が悪いときには、花後に粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g施します。幼木に多量の肥料を施すると、花つきが悪くなるので、注意が必要です。

剪定

エゴノキの仲間は自然の樹形が美しく、野趣に富んだ姿を観賞するため、基本的に剪定しません。枯れ枝や徒長枝は切り除きますが、枝の途中で切ると、残した部分から複数の新梢が伸びて、樹形を乱します。必ず枝の基部から切り除くように剪定します。適期は落葉している11〜3月です。

スペースの問題で、大きくなり過ぎた木をコンパクトに仕立て直すときには、まず幹を好みの高さで切り、樹形や大きさを考えて幹から直接出ている太い枝を、適当な長さを残して剪定します。春には枝からたくさん新梢が出るので、落葉期に必要な枝を残し、細い枝を基部から剪定します。エゴノキの萌芽力は強く、太い枝も出やすいので、長期間樹形をコンパクトに保つのは難しく、また花も咲きにくくなります。

ふやし方

発根率は高くありませんが、さし木でふやすことができます。春に出た枝が手で触って柔らかい時期の5〜6月に、枝を長さ10cmほどで切り取ります。先端の葉2〜3組を残して、10分ほど水揚げをし、植物成長調整剤「ルートン」を切り口にまぶしてから、赤玉土小粒やさし木用土に葉が触れる程度の間隔でさします。たっぷりと水やりし、ビニール袋などで密封して、秋まで日陰の風の当たらない場所に置きます。秋には発根するので、3号程度の鉢に植え替えます。

タネまきから育てると、開花までに時間がかかりますが、発芽は比較的良好です。9月に熟した果実を採種し、果皮と果肉を水洗いしてきれいに取り除き、赤玉土小粒を入れた平鉢にまきます。果皮は有毒なので、手袋をして作業し、液汁が目に入らないように注意してください。春に発芽したら、本葉3〜4枚になったときに2.5〜3号鉢に1本ずつ鉢上げします。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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