植物栽培ナビくちなしの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

コクチナシ

 花径4~5㎝の一重の花で、全体的に小型の品種。

ヤエクチナシ

 八重咲きで、クチナシにくらべて大きい。19世紀にクチナシが欧米に渡り、改良された品種といわれます。結実しません。

ミナリクチナシ

 クチナシの矮性品種といわれます。鉢植えで販売されることが多い。花は小輪一重で、結実します。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 日陰でも育ちますが、花を咲かせるためには日当たりがよい場所に植えることが必要です。腐植質に富んだ、極端に乾燥しない土壌であれば、土質は選びません。寒さに弱いので、冬に寒風の当たるような場所は避けるようにします。

 大型の品種でも樹高は1~2mほどにしかならないので、狭い場所でも栽培することができます。

 植えつけは4~6月、または9月に行ないます。根鉢の2~3倍の大きさ、深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を150g/m²を、堀り上げた土に混ぜて植えつけます。さらに、中性またはアルカリ性の土壌では、葉が黄化しやすので、酸度未調整のピートモスを加えましょう。根を切らないように注意しながら根鉢を1/3ほどくずして、植えつけます。根鉢の周りに十分に水を注ぎ、根と植え土をなじませ、ぐらつかないように支柱で固定します。

 鉢植えは、赤玉土(細粒)に腐葉土を3:1の割合で混合した用土に、元肥として粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を用土1ℓにつき5gを混ぜて植えつけます。植え替えは2~3年に1回が目安です。植えつけ時期は、庭植えに準じます。

 

栽培管理

管理

水やり

 庭植えでは、根づいてしまえば、夏の高温期で極端に乾燥する時期以外に、水やりは特に必要ありません。

 鉢植えでは、夏は朝と夕方、春と秋は1日から2日に1回程度、冬は乾燥したら水やりします。

置き場所

 暖地では、鉢植えは通年屋外で管理します。夏は半日陰、そのほかの時期は、十分に日が当たる場所に置きます。

 寒冷地では、冬は凍らない室内に取り込みます。暖地でも乾燥した寒風が当たらない場所に移動させましょう。

肥料

 成長が始まる前の3月と、開花する6月に粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を150g/m²を株のまわりの土の上にばらまいて施します。

 夏以降に肥料を施すと、いつまでも枝が成長を続けてしまい、花芽ができにくくなります。また、枝が硬化せず、寒さで枯れてしまうこともあるので、注意が必要です。

剪定

 成長するに従い、自然に樹形が整うので、基本的に剪定の必要はありません。徒長枝が出た場合は、枝の基部から切り除きます。クチナシは、盛夏を挟んで、7月と9月の2回花芽を分化し、翌年の6月に開花します。そのため、樹形を整えるための剪定は、開花後のなるべく早い時期に行ないます。時期が遅れると、7月にできた花芽を切ることになり、枝の成長も遅れるため、9月の花芽もできにくくなります。

ふやし方

 さし木で簡単にふやすことができます。その年に出て、固くなった枝を5月から7月に10~15㎝の長さで切り取り、先端から2~3枚の残します。次に下部の葉を取り除き、30~60分程度水揚げをして、切り口に植物成長調整剤「ルートン」を薄くまぶした後に、赤玉土や鹿沼土、またさし木用土にさします。水をたっぷり与え、ビニール袋などで鉢ごと包んで日陰に置きます。9月には発根しますので、鉢上げします。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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