植物栽培ナビさくらの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

 

‘ソメイヨシノ'

 オオシマザクラとエドヒガンの交雑によって生まれた園芸品種で、各地で広く栽培されるサクラの代表種。最初は吉野の名で販売されたが、明治33年に染井吉野の名に改められた。大型品種。

 

‘普賢象'(ふげんぞう)

 室町時代から栽培される名花。4月下旬に褐色の葉とともに、淡い紅色から白がかった紅色に変化する大輪八重の花が開く。樹高も高く、横枝も張るので、栽培には広い場所が必要。

 

‘陽光'

 ‘天城吉野'とカンヒザクラの交配種で、濃い紅色の花を咲かせる。大型品種。

 

‘八重紅枝垂'(やえべにしだれ)

 エドヒガン系の枝垂れ品種で、八重の濃紅色の花を4月上旬に咲かせる。大型品種。

 

‘関山'(せきやま)

 八重咲きの代表品種。大輪八重のぽってりとした花は濃紅色で、4月下旬に開花する。花つきがよく、生育旺盛なため、公園などに植栽される。大型品種。

 

‘旭山'(あさひやま)

 淡い紅色の中輪二重の花を、4月に咲かせる。小型品種で鉢植えで販売される。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 販売店や園芸書などで樹高や樹形をあらかじめ調べておき、大きくなる品種は広い場所、小型品種であれば狭い空間にと、適した場所を選びます。

 庭植えの場合は、土質は特に選ばないので、水はけがよい日なたに植えつけます。根鉢の直径の1.5倍ほどの穴を掘り、掘り上げた土に元肥として完熟堆肥などを混ぜ合わせて植えつけます。支柱を立ててから、根の間に土が入るように棒などで突きながら埋め戻し、充分に水やりします。

 鉢植えの場合は、根鉢を1/3ほど崩して、長く伸びた根を切り、赤玉土中粒、川砂、腐葉土を5:2:3の割合で混合し、底にゴロ土を入れて植えつけます。

 庭植え、鉢植えともに植えつけの適期は、落葉後から新芽が動き出すまでの11月から3月です。

 

栽培管理

管理

水やり

 庭植えでは、夏以外は基本的に水やりの必要はありませんが、夏の高温期に土壌が極端に乾燥するような場合は、朝か夕方に十分に水やりします。

 鉢植えでは、夏は朝か夕方、春と秋は1日から2日に一回程度、冬は乾燥したら水やりします。

置き場所

 鉢植えは、屋外の風通しがよい日なたに置きます。強風で葉が落ちることがあるので、台風の時などには、風の当たらない場所に移動させます。

肥料

 サクラも肥料が切れると生育が悪くなり、病虫害にもかかりやすくなります。鉢植え、庭植えどちらの場合も、2月の寒肥、花後のお礼肥、7月に追肥として緩効性肥料を施します。

 庭植えの場合は、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当り150gを、根の張っている範囲(枝の張っている部分とほぼ同じ)の土の上にばらまいて浅く埋め込みます。

 鉢植えの場合は、同様の肥料を、用土1ℓ当り5g土の上にばらまいて施します。

 植え替え、植えつけ直後の施肥は、根を傷める原因になるので、1ヵ月後に施しましょう。

剪定

 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」といわれるように、サクラは強い剪定を嫌うので、重なった枝や混み過ぎた枝を切る程度に止め、なるべく自然樹形で育てるようにします。

 根元から出るひこばえや幹から出る枝は、樹勢を弱くする原因となるので、見つけ次第、根元から切り除きます。また、前年に伸びた枝から勢いよく伸びる徒長枝は、基部の2~3芽を残して秋に剪定します。なお、切り口から腐敗菌が入りやすいので、必ず殺菌剤「トップジンMペースト

ふやし方

 商業生産では、接ぎ木でふやされますが、一般家庭ではさし木でふやすのがよいでしょう。

 サクラは発根しにくい品種が多いため、発根促進剤を使って、7月にその年に伸びた、堅くなる前の枝を使ってさし木します。

 まず、10~15㎝の長さで枝を切り取り、先端から2~3枚の葉を残し、下部の葉を取り除き、30分~1時間程度水揚げをします。切り口に植物成長調整剤「ルートン」を薄くまぶし、赤玉土小粒や鹿沼土、またはさし木用土にさします。よく水をやり、ビニール袋などで鉢ごと包んで日陰に置きます。9月には発根するので、鉢上げします。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

害虫・病気対策

写真を選んで対処薬剤へGO!

さくらで適用のある害虫・病気と対処薬剤

害虫

病気

対象の「害虫」と「病気」を防除する薬剤は・・・

使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
さくらの育て方のページです。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。
商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。