植物栽培ナビつるバラの育て方
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広義では、つる状に伸びるバラを総称して、つるバラと呼んでいます。ほぼすべてのつるバラは、春に花をたくさん咲かせる性質があり、それ以降の季節は、花よりも枝を伸ばすほうに力を注ぎます。このため、木立性(ハイブリッド・ティ、フロリバンダなど)とは異なった性質となり、約1年で2~3m以上、品種によっては4~5mもつるを長く伸ばします。
このつるバラの性質を生かして、フェンス、トレリス、壁面などに枝を誘引するほか、アーチ、オベリスク、パーゴラなどに絡めて、立体的なガーデンの主役として利用されています。求める景観に適した品種を選んで植栽することが、庭でつるバラを楽しむための大きなポイントとなります。
[おすすめの品種]*一例です。
● フェンス、トレリス、壁面向き
アンジェラ、カクテル、グラハム・トーマス、コンスタンス・スプライ、つるアイスバーグ、つるサマー・スノー、ナエマ、パピ・デルバール、ピエール・ドゥ・ロンサール、メアリー・ローズなど。
● アーチ、オベリスク向き
宇部小町、ギスリーヌ・ドゥ・フェリゴンド、コーネリア、サンセット・メモリー、ジャクリーヌ・デュ・プレ、スーパー・エクセルサ、バレリーナ、ユァインネルン・アン・ブロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ローブリッターなど。
● パーゴラ向き
アルベリック・バルビエ、モッコウバラ、つるレディ・ヒリンドン、ナニワイバラ、ニュードン、フランソワ・ジュランビル、ポールズ・ヒマラヤン・ムスク、ポール・トランソン、メイ・クイーン、ランブリング・レクター、ローラ・ダボーなど。
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準備
使用するもの
・苗(春苗、もしくは大苗)
・1〜2回り大きな鉢(直径20cm〜。鉢植えの場合)
・培養土(「マイローズばらの培養土」など)
・鉢底石(鉢植えの場合)
・鉢底ネット(鉢植えの場合)
・土入れ、または移植ゴテ
・軽石やパーライト(庭植えの場合)
・馬ふん堆肥、牛ふん堆肥、完熟腐葉土など(庭植えの場合)
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイローズばらの肥料」などの元肥)
・ジョウロ
[鉢植えの場合]つるバラは得てして大型になりやすいので、鉢はできるだけ大きく、また底穴が大きいものを選ぶとよいでしょう。
[庭植えの場合]壁面やフェンスなど、誘引する構造物の近くに植え場所を決めましょう。構造物がない場合は、オベリスクやアーチを設置します。
植えつけ方
[春苗、鉢苗を、新しい鉢に植え替える場合]
植えつけ適期:関東地方以西 4月中旬〜6月 この時期に見かけるポリポットの小さな苗を「春苗」、もしくは「若苗」や「新苗」ともいい、6~8号鉢に植えられている大きな苗を「鉢苗」といいます。植えつけには、水はけと水もちに優れた用土が最適です 春苗、鉢苗ともに、その苗に対して、1~2号分大きい鉢を用意します。用土に適量の粒状肥料(「マイガーデン粒状肥料」、「マイローズばらの肥料」など)を混ぜてから、根鉢を崩さずに植えつけましょう。根張りがよく、早く見映えする株に育ちます。
春苗は根を崩すと株が傷むので、根鉢は崩さず植えつける。
鉢植え、庭植えともに、使用する用土には粒状肥料を混ぜておく。
[春苗、鉢苗を、庭に植えつける場合] 植えつけ適期:関東地方以西 4月中旬〜6月
まず直径、深さともにに30~40cmの植え穴を掘り、掘り上げた土に堆肥か腐葉土、適量の粒状肥料(「マイガーデン粒状肥料」、「マイローズばらの肥料」などを混ぜておきます。そして根鉢を崩さないように苗を植え穴に据え、深植えにならないように植えつけます。
[大苗を、新しい鉢に植えつける場合]
植えつけ適期:関東地方以西 11月中旬〜2月
つるバラの大苗の根を手でほぐしながら広げ、自然に落ちる土はそのまま落とします。その後、植えつける前に、規定倍率に希釈した「マイローズばらの活力剤」に1時間程度つけておくと、芽吹きがよくなります。 大苗が植わっていた鉢より、ひとまわり大きい鉢に根を広げて植えます。
[大苗を、庭に植えつける場合]
植えつけ適期:関東地方以西 11月中旬〜2月
つるバラの大苗の根を手でほぐしながら広げ、自然に落ちる土はそのまま落とします。
植え場所に深さ、直径ともに30~40cmの穴を掘り、土に牛ふん堆肥、軽石、適量の元肥(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイローズばらの肥料」など)を施してから植えつけます。
なお、植え場所の土が固く、十分な大きさの植え穴を掘れない場合は、用土を上に足してみましょう。立体花壇や畑の畝(うね)の要領で土を盛ってから穴を掘り、苗を植えつけるとよいでしょう。
[春苗、鉢苗の場合]
つるバラはこの時期、すでに成長期に入っています。根を崩すと株が傷むので、植えつけ時には根鉢は崩さずに、そっと扱いましょう。また、苗の接ぎ木部分を埋めないように深さを合わせて植えましょう。
[大苗の場合]
植えつける前に土を落とした苗を、規定倍率に希釈した活力剤(「マイローズばらの活力剤」など)に1時間程度つけておくと、芽吹きがよくなります。また、地植えも鉢植えも植え付け後は支柱を立て、枝をしっかりとめましょう。
管理
使用するもの
・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイローズばらの肥料」、液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「マイローズばらの液体肥料」などの追肥)
・活力剤(活力剤「マイローズばらの活力剤」など)
・誘引するためのオベリスクやトレリス
・誘引するための麻ひもなど
・さし木のための直径10.5~12cmほどの小型のポリポット
・さし木のための川砂、赤玉土小粒、ふるい分けた鹿沼土小粒など
・さし木のための植物成長調整剤(「ルートン」など)
植えつけ、さし木、植え替え時、暑さで株がバテ気味の時や、寒さへの抵抗力をつけたいとき、 また、根の張りをよくしたいときや株に元気がないときは、活力剤(「マイローズばらの活力剤」など)を併用すると効果的です。
置き場所
[4〜5月]
つるバラは日当たりのよい場所を好みます。日陰では生育が悪く、また花数も少なくなります。なるべく半日以上、日の当たる場所で育てましょう。
また、バラはやや乾き気味の環境を好むので、風通しのよいことも大切です。とくにつるバラは、春の開花後から旺盛に育ちます。最初はバラに適した場所でも、あとで日当たりや風通しが悪くなることもあります。枝を整理して、バラが好む環境を維持することも大切です。
[6〜7月]
つるバラは、日当たりと風通しのよい場所を好みます。特につるバラは、枝や葉が茂りやすく、周囲の植物の環境を悪くすることがあります。この場合は枝を誘引し、できるだけ周囲の環境を維持することも大切です。
[8〜9月]
暑さが厳しい時期です。夏バテぎみのつるバラは、暑さに対する工夫をしておきます。マルチングは土の乾燥や高温化を抑え、株のダメージを緩和させることができます。 9月になり涼しくなると、枝が茂りはじめます。周囲の植物の環境を悪くさせないように、その都度、枝垂れた枝を誘引しておきます。
[10〜11月]
秋になり日ざしが和らぐと、真夏の厳しい暑さから涼しい気候にかわります。なるべく日当たりと風通しがよくなるよう、枝垂れたままの枝は上向きに伸びるよう誘引しておきます。こうすることで、つるバラだけでなく、周囲の植物の風通しや日当たり具合もよくなり、庭全体の植物が元気になります。
なお、鉢植えのつるバラは、移動できるなら日当たりのよい場所に移動させるとよいでしょう。
[12〜3月]
日当たりと風通しがよい場所に置きましょう。極端な寒さや寒風に当てないように、鉢植えは軒下などに移動させてもよいでしょう。
水やり
[4〜5月]
4〜5月は、特に生育が旺盛です。土の表面が乾き始めたら、たっぷりと水を与えるように心がけてください。水やりは、なるべく午前中に行ない、葉がしおれそうなら、夕方でも軽く水を与えます。水が不足すると根を傷め、生育も遅れるので気をつけましょう。
[6〜7月]
6〜7月は、土中や空気中の水分量が多いので、つるバラの枝、葉ともに徒長しやすくなります。むやみな水やりは控えましょう。ただし、土壌が乾き、5~7日ほども雨が降らないなら、庭植えのつるバラにはたっぷり水を与えることが必要です。鉢植えのつるバラには、鉢土の表面が乾いたら、水をたっぷりと与えましょう。
[8〜9月]
庭植えのバラには、株の周辺へ集中的に4~5日に1回、鉢植えには1日に1~2回、たっぷりと水を与えます。特に鉢植えのバラは、ひとたびカラカラに水切れさせてしまうと、ひどく株を傷めるので、気をつけましょう。
なお、いずれも水やりは、なるべく午前中の早い時間に行なうのがベストです。
[10〜11月]
鉢植えのつるバラには、土が乾くたびに、たっぷりと水を与えましょう。1回でもカラカラに水切れさせると、枝枯れや落葉などをおこして、来春の花つきに影響するほど株を傷めますので、気をつけましょう。
庭植えのつるバラは、1~2週間に1回、水やりをします。ただし、雨がしっかり降るなら、まず必要ありません。
[12〜1月]
鉢植えの場合は、この時期、鉢土の表面が乾いたら水を与えるようにします。土の湿りすぎは根を傷めてしまうので、表土が乾かないなら、乾くまで与えないことが丈夫に育つポイントとなります。
庭植えの場合は、原則として水やりは必要ありません。軒下で、雨が当たらないような花壇では1〜2週間に1回、たっぷり水を与えます。
休眠し始めたバラは、あまり水分を必要としません。夏のように水を与えると、根を傷めてしまうので気をつけましょう。
[2〜3月]鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたら水を与えます。なるべく乾かし気味に育て、水を与えるときはたっぷり、メリハリをつけて与えるのがコツです。水の量は生育期と同様、鉢底からあふれるまで与えるのがポイントです。
庭植えの場合は、極度に乾かない限り、特に水やりは必要ありません。
肥料
[4〜5月]
つるバラの春の開花が終わったら、株元に適量の粒状肥料(「マイガーデン粒状肥料」、「マイローズばらの肥料」など)を施します。とくに春以降も咲く四季咲き性や返り咲きするタイプや、鉢で育てるつるバラには、定期的に肥料を施す必要があります。
鉢植えの場合は、4月中に1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料(「マイガーデン液体肥料」、「マイローズばらの液体肥料」など)を施します。
庭植えの場合は、5月の満開後に1回、適量の粒状肥料を株元にばらまきます。
[6〜7月]
6~7月は、つるバラが最も盛んに伸び出す時期です。枝を伸ばし、葉をどんどんふやすために必要なものが、水、日光、肥料(栄養分)です。とくに、雨が降り続くと肥料分が流亡して不足しやすいので、忘れずに追肥をしてください。
鉢植えの場合は、1週に1回、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。
庭植えの場合は、春の開花が終わるころ1回、適量の粒状肥料を株元にばらまきます。
[8〜9月]
秋にも咲く品種と鉢植えのつるバラには、株を充実させるため肥料を施します。
鉢植えの場合は、秋に花が咲く、咲かないに関わらず、肥料を施して株を充実させます。この時期はまだ鉢土の表面が乾きやすいため、1週間に1回、液体肥料を使うことをおすすめします。
秋にも咲く庭植えのつるバラには、土の乾きやすさに応じて肥料を選びましょう。
乾きやすい庭土には、適量の粒状肥料を株元にばらまきます。あるいは鉢植えと同様、1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料を継続的に施してもよいでしょう。
湿りやすい庭土には、緩効性タイプの肥料を利用するのがよいでしょう。長期間効果が続く粒状肥料を規定量、株元にばらまきます。
なお、暑さで株がバテ気味だったら、活力剤(「マイローズばらの活力剤」など)を併用するとよいでしょう。
[10〜11月]
鉢植え、庭植えともに、この時期に肥料は施しません。 鉢植えの場合は、急激に枝や葉を伸ばした株だけに限り、1回だけ、規定量に希釈した液体肥料を施しておきます。
[12〜1月]
1年間、ぐんぐん生育させるために「基礎となる肥料」=元肥を施しておきます。元肥を施しておくと、つるバラに必要な栄養分が容易に補われて、比較的スムーズに生育できるようになります。施す適期は12~1月で、気温が低く、バラの休眠中に作業するのがポイントです。
庭植えでの元肥の施し方は、まず株元から30cm離れた場所の両側に、深さ30cm、直径30cmの穴を2つ掘ります。穴から掘り上げた土のそれぞれの半量に、完熟の馬ふん堆肥、完熟牛ふん堆肥、完熟腐葉土などをバケツ1/2杯と、規定量の半量の粒状肥料をよく混ぜて、それぞれの穴に埋め戻します。
このとき、植え穴の上層になる表土には、完熟堆肥をやや少なめに配合するようにして埋め戻すと、根が地中深くに張るようになるので、枝も元気に伸びやすくなります。
[2〜3月]
3月中旬~下旬ごろ、新芽の生育を促すため、追肥を施します。この時期はあまり多く施さないようにして、不足しがちな栄養分をゆっくり補いましょう。
鉢植えでは、規定倍率に希釈した液体肥料(「マイガーデン液体肥料」、「マイローズばらの液体肥料」など)を7~10日に1回、蕾が色づくころまでに計3回、生育に応じて施します。
庭植えでは、2~3カ月間効果が持続する粒状肥料を、規定量、株のまわりにばらまいて施しても効果的です。
土壌の中耕・除草・マルチング
[周年]「中耕」とは、土の表面を浅く耕すことです。株の周りの表土を2〜3cmの深さでかき、いっしょに落ち葉や雑草なども取り除いておきます。この作業をおこなうと、土壌の通気性、水はけ、水もちが改善されて、根の生育がすこぶるよくなります。春先だけでなく、土が硬くなったら、いつでも中耕しましょう。
[8〜9月]乾燥や高温が厳しい地域では、株のダメージを抑えるために、株元にマルチングをしておきます。マルチング資材には、通気のよいものがおすすめです。敷きワラ、ピートモス、大き目のバークチップなどで株元周辺を保護するだけで、十分な効果があります。
花がら切り
つるバラにとって大切な作業のひとつが、花がら切りです。花後には早めに花がらを切って、株の充実を促しましょう。花がらを切ったあと、活力剤(活力剤「マイローズばらの活力剤」など)を与えておくとよいでしょう。
[大輪咲きタイプの場合]
葉を3~4枚ほど残して切ります。房咲きタイプの場合は、花が終わったものから花がらを切っていき、ほとんど咲き終わったら、房の手前で切り戻します。
フェンス仕立てでは、昨年に誘引した枝は、長さの1/2~1/3程度の赤い線の位置で切る。
[一季咲きつるバラの場合]
ひと枝に葉を3~4枚残して切り戻します。ただし、一季咲きのつるバラのなかには、かわいい果実をつけるバラもあります。秋に赤い果実を楽しみたい場合は、そのままにしておきます。
オベリスク仕立てでは、全体の1/4~1/3程度の赤い線の位置で切る。
[返り咲き、四季咲きなどのつるバラの場合]
早く枝を伸ばしたい場合、やや長めに枝を残します。よく咲かせたい場合は、伸びた枝の長さの半分、もしくは葉を5~6枚分を残した長さまで切り戻します。
アーチ仕立てでは、アーチの天井からはみ出した枝を、赤い線の位置で切る。
誘引・剪定
[6〜7月]6~7月まで、つるバラの枝は元気よく伸び、ジャングルのように暴れ放題に茂ります。毎年限られた空間でつるバラを楽しみたいなら、枝をバッサリ切って、スッキリさせることもできます。また、株元付近から元気なシュートも出やすくなります。
<フェンス仕立ての場合>
①昨年に誘引した枝は、長さの1/2~1/3程度をバッサリ切る。
②枝垂れたシュートは、上向きに軽く縛る。
<オベリスク仕立ての場合>
①オベリスク全体の1/4~1/3程度の高さまで、バッサリ切り戻す。
②枝垂れたシュートは、上向きに軽く縛る。
<アーチ仕立ての場合>
①アーチの天井の部分に伸びた枝をバッサリ切る。
②枝垂れたシュートは、上向きに軽く縛る。
[8〜9月]初秋のころからつるバラは、再び枝をぐんぐん伸ばします。どんな仕立て方であっても、枝垂れた枝は、上向きに伸びるように誘引します。また、必要以上に枝が伸びる場合は、随時切り戻しても大丈夫です。
[10〜11月]10月になると気温が下がって涼しくなってきます。枝垂れた枝をなるべく上向きに伸びるよう誘引して、日当たりを確保しておきます。こうしておくと、冬に誘引するころまでに枝が充実し、来春に花をたくさん咲かせます。
[12〜1月]ほかのバラと同じく、つるバラも12〜2月の間は休眠しています。この時期なら枝を少々ばっさり切っても株が傷みにくいため、枝を誘引したり、剪定しておきましょう。とくに12〜1月ごろは、枝が柔軟で曲げやすく、誘引もラク。この時期に誘引・剪定をしておくと春の芽吹きがよく、蕾をたくさんつけやすくなるので、とてもおすすめです。
<誘引の下準備>
①葉をすべて取り払い、1枚も残さないようにします。
②枯れ枝、病気の枝、傷んだ枝、弱々しい細枝などを切り捨てます。
③短めの枝も元気なら「赤い芽」2つだけ残して、あとは切り詰めます。
《残したいよい芽》
タケノコ赤芽:厚みがあってタケノコのような形をした芽は、充実している芽の証拠なので残します。 埋もれた赤芽:枝に埋もれた形で冬の寒さをしのげる芽。春になるとよい芽が伸び出してくるので残します。
《切り取る悪い芽》
黒い芽:黒い芽は古い証拠で芽吹きにくいため、切っておきましょう。 双子赤芽:1カ所から2つの芽が出ていると、養分が分散してよい芽になりにくいため切っておきましょう。
<誘引の手順>
①最初に「太くて長い枝」を誘引します。
②咲かせたい場所に、枝を水平、もしくは放射状に誘引します。
③枝は誘引ひもでしっかり縛るのがポイント。ゆるいと花つきが悪くなります。
④全体的にまんべんなく枝を配置します。
[2〜3月]12~1月に作業をしていないつるバラの株は、なるべく早く誘引と剪定を済ませましょう。芽吹きが始まってからでは、株全体に蕾をつけにくく、また、花のボリュームも小さくなる傾向があるからです。
誘引をしないつるバラの整枝・剪定:大きく育つ性質をもつつるバラは、フェンスやアーチなどに誘引することで、庭を効率よく理想的に飾ることができます。でも、庭にゆとりがあれば、誘引をせずに、半つる性バラのように自然なドーム型に仕立てることもできます。手順としては、それぞれの枝を浅めに切りながら、樹形を整えていくのがポイントです。
<自然なドーム型仕立ての場合>
①枯れ枝、傷んだ枝、細くて短い枝、元気がない古い枝を切り除きます。
②枝が密集している場合、病気や害虫が発生しやすくなるので、さらに枝を間引くように取り除きます。
③最後に全体の樹形を見て、バランスよく整えます。おおよそ株全体の約1/3を切り戻すのを目安にします。
切りもどし
3月になると、新芽が生育し始めますが、枝先にある芽が傷んでしまい、伸びないことがあります。その場合は、健全な芽が伸びる位置まで切り戻すことが大切です。こうすると健全な芽が伸び出して、よい花を咲かせやすくなります。
ふやし方
[さし木の方法]
適期:4~7月
この時期、さし木で株をふやすことができます。花が終わった葉のついた枝を、さし穂として使用してみましょう。
さし穂のとり方:4~7月、今年のびた葉がついている枝を10~15cm前後に切り、規定倍率に希釈した活力剤(「マイローズばらの活力剤」など)に30分ほどさして、水揚げしておきます。
さし木の仕方:直径10.5~12cmほどの小型のポリポットを用意し、十分湿らせたさし土(川砂、赤玉土小粒、ふるい分けた鹿沼土小粒など)を入れ、さし穂をやや密集気味にさします。さす深さは、下の葉が表土にふれるぐらいが適当です。この時、枝の切り口に植物成長調整剤「ルートン」を塗布してからさすと、発根が促されます。さし穂は約30~50日後に発根するので、小さな鉢に植え替えましょう。
なお、さし木の後は、水代わりに活力剤(「マイローズばらの活力剤」など)を与えると、発根を促します。
<注意!>種苗登録されている品種は、営利目的の繁殖は禁止されていますので注意しましょう。
12〜1月ごろは、枝が柔軟で曲げやすく、誘引もラク。この時期に誘引・剪定をしておくと春の芽吹きがよく、蕾をたくさんつけやすくなります。
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