植物栽培ナビファレノプシス(コチョウラン)の育て方
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植えつけから収穫までの期間 | |
開花から収穫までの期間 |
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準備
植えつけ、植え替え
根が、鉢からあふれるほど出てきてる場合、そのまま一回り大きな鉢に植え直す、鉢増しをします。この作業は周年可能です。
鉢増しの手順
1)根鉢を鉢から取り出し、根鉢の下半分をハサミで切り落とす。
2)長すぎる根を多少切り詰める。
3)根鉢のまわりに、あらかじめ湿らせておいた新しい水ゴケをつける。
4)ひと回り大きな素焼き鉢に入れる。
5)植え込み材料が十分乾いた後に、水やりする。
ギフトなどで寄せ植えになってる場合は、花後、すぐに植え直しましょう。なお、春に行なう植え替えは、古い植え込み材料を全て取り除き、新しいもので植え込むことをいいます。古い植え込み材料をとると、根が傷みますので、生育温度が十分にある6月に植え替えします。
管理
開花中の管理
置き場
極端に冷たい風や暖房の温風が直接当たらない場所なら、室内のどこに置いてもさし支えありません。周年、直射日光が当たらないような室内に置いて栽培します。
適切な置き場
1~12月:直射日光の当たらない室内に周年置く。
水やり
7~10日に1回、植え込み材料が十分乾いたのを確認してから、暖かい日の午前中に、水ゴケが軽く湿る程度に20~30℃のぬるま湯をかけてください。1~2月は、乾かし気味に管理します。
肥料
施しません。
花茎切り
コチョウランの花は、花茎の下についた花から順に咲いていくので、先端の花が終わったら、花茎を切ります。そのまま放置していても構いませんが、美観を損ねるので、花茎の基部から切り取ります。
その際、剪定バサミやクラフトバサミの刃は、ライターの炎でよく焼いて消毒したものを使います。コチョウランは病気にかかりやすいので、特に注意して作業しましょう。
もう1回開花させたいときは、花茎の下から3節目の上で切ります。ただし、1年に2回開花させると、株が極端に傷むこともあります。葉が垂れていたり、しわが寄ったり、ふやけたような場合は株が傷んでいるので、2番花は諦めて、花茎の基部で切り取ります。
花後の管理
置き場
温室や遮光ネットがない場合、基本的に室内の窓辺で管理します。花後は、葉が垂れているほうを外側に向けて置きましょう。10000~40000lxの明るさの光が、できるだけ長時間当たるように環境を整えるのが理想的です。窓辺の光環境は、周年5000lx程度ですが、ぎりぎりの明るさがあるため、栽培管理が可能です。
春~秋の戸外の光環境は50000~100000lxです。急激に明るい場所に出すとは葉焼けを起こし、「炭そ病」を始め、さまざまな病気の原因になるので、間違っても真夏の直射日光下に置かないようにします。
また、コチョウランは寒さに弱いので、特に冬越しに注意します。日中は、レースのカーテン越しの日光に十分当てて、夜間は室内のなるべく暖かい場所に置きます。同じ室内でも、室温は場所によってかなり違います。床の上、棚の上と下では温度が違うことがよくあるので、最高最低温度計で確かめてから置くようにしましょう。
冬の置き場の理想的な最低気温
11月 15℃
12月 10℃
1~2月 8℃
3月 10℃
4~5月 15℃
水やり
ファレノプシスの栽培では、水やりが最も重要な管理作業となります。少なすぎると根があまり伸長せず、多すぎると根が鉢外へ出てきます。
基本的には、鉢内の植え込み材料が十分乾いてから水やりします。割りバシなどを株元の鉢内に突きさして、その割りバシが湿っている場合は、水やりしません。
1~2月の冬は乾かし気味にし、2月は月1回だけでも十分です。基本的には、植え込み材料の表面が乾いてさらに2~3日待ってから水やりします。暖かい日の午前中に20~30℃のぬるま湯を3.5号鉢では約150cc、3号鉢では約100cc、2.5号鉢では約50ccほど与えます。計量カップを用いて水やりするとよいでしょう。また、その際、葉のつけ根に水がかからないように注意します。水やり以外の日は3日に1回ほど、ぬるま湯で湿らしたタオルで、葉を拭きましょう。
冬の水やりの基本
最低温度:頻度と水量(3.5号鉢の場合)
7℃以下:枯れる温度帯。全く与えない。
10℃:1カ月に1回、約50ccを与える。
15℃:5日に1回、150ccを与える。
18℃:5~7日に1回、150ccを与える。
20℃:4~5日に1回、150ccを与える。
25℃:3~4日に1回、150ccを与える。
指で水ゴケを堅く押し込んでから、竹べらを使ってさらに押し込んで、かちかちに植え込む。堅さが揃うと、乾きが一定になる。ウォータースペースの部分に水を溜めて、水やり完了。寒い時期は、ウォータースペースの深さの1/2~1/3などで、水やりを調節する。
肥料
素焼き鉢は乾くのが早いので、固形肥料では、肥料の効果の出具合にばらつきが起こります。そのため、水やりのときに、施肥も兼ねるような方法が好ましく、常に一定量を施すように心がけましょう。液体肥料「花工場原液(N:P:K=5:10:5)」を2500倍に希釈して、水代わりに施します。
開花調節
ファレノプシスの花芽分化は、気温が2~3℃下がると起きると考えられています。花芽を出すのをそろえるには室温を18℃にすれば、ほぼきれいに出そろいます。日本各地でも当然多少の差はありますが、18℃という温度は、自然状態では5月中旬と9~10月に当たります。その後も花芽を育成する理想的な温度帯に調節すれば、早いもので1月中旬には花が咲きそろいます。つまり、開花調節を行なわない自然開花では、毎年1月中旬と8月中旬に咲きそろうことになります。
開花調節を行なうなら、まず、27~32℃という高温育苗温室で株を管理し、花芽分化を起こさせる期間を含めて、咲かせたい時期の約4カ月半前に、18~27℃という開花冷温室に移動させて、開花調節します。
開花調節の一例
2月に咲かせるには、10月に18℃の環境下に置く。
10月→冷温室に移動させる。
11月中旬→花芽がでてくる。
1月中旬→早いものが開花する。
2月中旬→遅いものが開花する。
冷温室に移動させると、大輪系の品種では、早いもので30~40日で花芽が確認できます。ミディタイプのアマビリスなどは、大輪系より反応するのが早く、約20日間で花芽が出てきます。ドリティスの血が影響しているミ二系統は、花芽分化には温度変化があまり影響せず、株が充実すると突然花芽がでてくるものもあります。
たいていの品種は、18℃の温度環境で花芽の確認後、2カ月半~3カ月半で咲くことを考慮して、開花調節します。花茎を早く伸ばしたいときは、22~25℃で管理します。高温の環境下で管理すれば花茎は伸びていきますが、1日の温度変化(日格差)がないと、細胞が正常に分裂できず、花茎1本当たりの花の輪数が減ることになります。ひどい場合では、10輪着花するものが5輪しかつかなかったということも起こるので、注意しましょう。
園芸研究家 富山昌克のオフィシャルウェブサイト
http://www.tommy78stella.com/
みんなの趣味の園芸(しゅみえんオフィシャル日記)
http://www.shuminoengei.jp/
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