植物栽培ナビイチゴノキの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

果実は、開花の翌秋に緑色から黄、オレンジ色、赤へと変化しながら晩秋に成熟していくので、翌年の花と同時期に、美しい果実を長きにわたって観賞できます。

ヒメイチゴノキ(イチゴノキ‘コンパクタ’)(Arbutus unedo ‘Compacta’)

イチゴノキの矮性品種。成長が遅く、樹高1.5mほどのコンパクトな樹形となる。

ベニバナイチゴノキ(Arbutus unedo f. rubra )

イチゴノキの野生種には、白から紅色までの花色があるが、本品種は紅色の花を咲かせる。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

育て方のコツ

若木は、多少耐寒性が弱いので、南関東地方以西なら庭植えにできます。成木では−15℃でも生育します。寒風で葉や芽が傷むので、植え場所は、風当たりの強くない場所を選びましょう。土壌は水はけがよく、乾き過ぎない西日を避けられる半日陰が適しています。なお、ツツジ科植物では珍しく、アルカリ性土壌でも生育します。また、強風や塩害にもよく耐えるので、海岸沿いでも栽培することができます。

 

植えつけ方

植えつけ

庭への植えつけは、霜が降りなくなった3〜4月、涼しくなる9月下旬〜11月に行ないます。若木は寒さに弱いため、4月になってから植えるとよいでしょう。根鉢の表面を1/3程度くずし、根鉢の大きさの2〜3倍の深さ、幅の植え穴を掘り、植え戻す土の量の1/3程度の腐葉土と、粒状肥料「マイガーデン元肥用」を1m²当たり240g混合した用土で、深植えしないように植えつけます。特に水はけの悪い場所なら、土を盛って高植えにするとよいでしょう。

霜が降るような地域で、特に樹高50cm以下の株を育てる場合は、鉢植えにしましょう。適期は庭植えに準じます。

赤玉土小粒、鹿沼土小粒、ピートモスを3:4:3に混合した用土など、保水力と水はけのよいものを使います。鉢植えは2年に1回程度、植え替えをします。根鉢を軽くくずし、一回り大きな鉢に植え替えます。

 

栽培管理

管理

水やり

庭植えでは、特に水やりは必要ありませんが、極端に乾く夏の高温期には、朝か夕方に水やりをします。水やりをするときは、朝か夕方に土に水がしみ込むまで、十分に与えます。

鉢植えでは、特に夏には、極端に乾かし過ぎないように注意します。
肥料

2〜3月に寒肥として、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g施します。

剪定 <>剪定の適期は、果実が落ちたあとの2月下旬〜3月です。イチゴノキは、若木のうちの枝数はそう多くなく、また自然に樹形が整うので、強剪定は控え、樹形を乱す徒長枝や株の内側の枯れ枝を切り抜く程度に止めます。
受粉

イチゴノキは自家受粉で結実しますが、雄しべと雌しべの長さが異なるため、自生地ではハチが花粉を媒介しています。花が晩秋から冬に咲くため、室内に取り込んでいる鉢植えの株や、昆虫の飛来が少ない寒さの厳しい環境下では、結実しにくくなります。特に鉢栽培の場合は、数花から花粉を取り、刷毛や筆などで、そのほかの花の雌しべに花粉をつけると結実しやすくなります。

ふやし方

さし木でふやすことができます。その年に伸びた枝が硬くなる6~7月に、枝を2〜3節の長さで切り取ります。節の下1cmの位置を鋭利な刃物で斜めに切り、植物成長調整剤「ルートン」を切り口に薄くまぶしてから、平鉢や育苗箱に入れた赤玉土小粒やさし木用土に2〜3cmほどの深さでさします。さし床は日陰に置き、乾かさないように管理します。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

害虫・病気対策

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イチゴノキで適用のある害虫・病気と対処薬剤

害虫

病気

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