植物栽培ナビエゴノキの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
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基本情報

基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

エゴノキの園芸品種は、ピンクと白花に大別できます。同じエゴノキ科の花木で、近年栽培されるようになった北アメリカ原産のハレーシアもおすすめです。エゴノキよりも大きな鐘形の白花を咲かせます。

‘ベニバナエゴノキ’

紅桃色の花が美しい。複数の実生個体から育成されているようで、花色には濃淡がある。

‘ピンク・チャイムス’

非常に花つきがよい。多少枝垂れた枝に淡いピンクの花をつける。

‘エメラルド・パゴダ’

韓国の自生地で選抜され、アメリカで発表された白花の大輪の品種。成長が早く、樹形は比較的立性となる。

ハクウンボク

ときどき、地掘り苗が販売される。成長は遅いが、樹高は8mほどに達し、枝は横にも広く張る。

ハレーシア(Halesia monticola

栽培容易な落葉樹で、樹高は10m以上になる。エゴノキよりも大きく、細長い白色の花を多数咲かせる。園芸品種に、ピンクがかった花色の‘ロゼア’がある。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

育て方のコツ

いずれも栽培容易で、花つきがよく、秋には黄葉する観賞価値の高い花木ですが、横枝が張り、樹高も高くなる種類が多いため、広い植え場所を確保する必要があります。

 

植えつけ方

植えつけ

植え場所は、水はけがよく、腐植質に富み、夏でも極端に乾燥しない保水力がある土壌が適しています。夏に乾かし過ぎると落葉することがあるので、注意が必要です。どの種類も充分に花を咲かせるために、日陰から半日陰を選びます。

植えつけは落葉休眠期の11〜3月に行ないます。根鉢の2倍の深さと幅の植え穴を掘り、腐葉土を掘り上げた土の1/3量ほど混ぜて植えつけましょう。根鉢の周りに十分に水を注ぎ、棒などでつついて根と植え土をなじませます。若木のうちは横枝が伸びると幹が曲がりやすいので、必ず支柱をします。

 

栽培管理

管理

水やり 活着すれば非常に丈夫で、庭植えでは真夏の高温乾燥が続くとき以外、水やりは必要ありません。水やりする場合は、朝か夕方に、土に水がしみ込むまで、十分に与えます。
肥料

ほとんど必要ありませんが、葉色が悪い、成長が悪いときには、花後に粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g施します。幼木に多量の肥料を施すると、花つきが悪くなるので、注意が必要です。

剪定

エゴノキの仲間は自然の樹形が美しく、野趣に富んだ姿を観賞するため、基本的に剪定しません。枯れ枝や徒長枝は切り除きますが、枝の途中で切ると、残した部分から複数の新梢が伸びて、樹形を乱します。必ず枝の基部から切り除くように剪定します。適期は落葉している11〜3月です。

スペースの問題で、大きくなり過ぎた木をコンパクトに仕立て直すときには、まず幹を好みの高さで切り、樹形や大きさを考えて幹から直接出ている太い枝を、適当な長さを残して剪定します。春には枝からたくさん新梢が出るので、落葉期に必要な枝を残し、細い枝を基部から剪定します。エゴノキの萌芽力は強く、太い枝も出やすいので、長期間樹形をコンパクトに保つのは難しく、また花も咲きにくくなります。

ふやし方

発根率は高くありませんが、さし木でふやすことができます。春に出た枝が手で触って柔らかい時期の5〜6月に、枝を長さ10cmほどで切り取ります。先端の葉2〜3組を残して、10分ほど水揚げをし、植物成長調整剤「ルートン」を切り口にまぶしてから、赤玉土小粒やさし木用土に葉が触れる程度の間隔でさします。たっぷりと水やりし、ビニール袋などで密封して、秋まで日陰の風の当たらない場所に置きます。秋には発根するので、3号程度の鉢に植え替えます。

タネまきから育てると、開花までに時間がかかりますが、発芽は比較的良好です。9月に熟した果実を採種し、果皮と果肉を水洗いしてきれいに取り除き、赤玉土小粒を入れた平鉢にまきます。果皮は有毒なので、手袋をして作業し、液汁が目に入らないように注意してください。春に発芽したら、本葉3〜4枚になったときに2.5〜3号鉢に1本ずつ鉢上げします。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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