植物栽培ナビナツハゼ【地植え】の育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

コケモモ
Vaccinium vitis-idaea
 北半球の寒帯に広く分布する這性の常緑木。赤い果実を観賞する。果実はジャムにもできる。鉢物として時に販売されるが、暑さに弱いため、水はけのよい用土で、水を切らさないように育てる。

クランベリー
Vaccinium macrocarpon ‘Silver Spire’
 日本にも自生するツルコケモモに似た這性の常緑低木で、北アメリカに分布する。ジャムやソース、ジュースに多用されるために、海外で作出された数多くの園芸品種がある。観賞用に鉢物として販売されるが、夏に冷涼な気候を好むので、暖地での栽培は難しい。

クロマメノキ
Vaccinium uliginosum ‘Silver Spire’
 長野県や群馬県ではアサマブドウと呼ばれ、ジャムとして食用にされる。高さ50cmほどの灌木で、果実は黒紫色で白い粉をふく。高山に分布するため、低地での栽培にはロックガーデンが必要。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 自生地ではナツハゼは、林縁の斜面地などに生育しています。栽培する場合は、西日の当たらない日なたから半日陰の場所を選びましょう。ほかのツツジ科の植物と同様、酸性土壌を好み、細い根が地表近くに張るので、水はけがよく、極端に乾かない土壌で育てます。根が活着すると旺盛に生育して枝が叢生し、1.5mほどの樹高になるので、庭植えで育てるのがおすすめです。
 植えつけは、1~2月を除いた9~12月、または3月が適期です。植え場所に、根鉢の2倍の大きさと深さの植え穴を掘ります。掘り上げた土の1/2量の酸度未調整ピートモス1と、腐葉土1を混合したものを、植え土に混ぜ込みます。こうすることによって土壌は酸性になり、水はけもよくなります。ナツハゼの根は細く、地表面近くに浅く広く張るので、深植えしないように注意しましょう。植えつけ後には十分に水を与えて、根鉢と植え土を密着させます。さらに支柱を立てて、土壌の乾きすぎを防ぐために、株元に腐葉土やウッドチップなどでマルチングを施します。
 参考に、暑さに弱いブルーベリーの仲間や高山植物を本格的に育てるためのロックガーデンのつくり方をイラストで示しました。クランベリーやコケモモの栽培にも挑戦してみてください。ロックガーデンは、20cmほどの高さに盛り土をし、用土が流亡しないように、周囲を石などで囲ってつくります。クランベリー、クロマメノキ、コケモモとともに、小型のコニファーやミヤマオダマキ、アルメリアなどの高山性植物を植えるとよいでしょう。

 

栽培管理

管理

水やり

 普段、水やりは不要ですが、夏の高温期に土壌の乾きすぎが続くと実つきが悪くなるので、朝か夕方、土に水がしみ込むまで十分に水を与えます。

肥料

 開花が終わり、新梢が伸びる6月、および寒肥として12〜1月に、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」や「マイガーデン花・野菜用」を1㎡当たり150g、あるいは固形の油かすを施します。

剪定

 小苗の場合は、植えつけから1〜2年の間、枝先を15cmほど切り戻して、新しい強い枝を出すようにします。果実をつけるようになった株の樹高を抑える場合は、好みの高さで剪定します。このとき、内側に伸びた枝や枯れ枝を切り除きましょう。適期は落葉期の12〜2月です。夏になると、その年に伸びた枝先に花芽がつくられるので、夏以降に剪定してしまうと、翌春、その枝には花が咲かないので注意します。

ふやし方

 発根率は悪いのですが、さし木でふやすことができます。今年伸びた新梢が堅くなる6月に、本年枝を長さ15cmほどで切り取り、先端の葉2〜3組を残して、残りは摘み取ります。30分間水揚げをして、赤玉土小粒やさし木用土に葉が触れる程度の間隔でさします。
 タネまきでもふやすことができます。10〜11月に熟した果実を採取し、水で洗って果肉を完全に取り除き、タネだけにします。タネは非常に細かいので、目の細かいざるなどを使って洗い流すとよいでしょう。赤玉土小粒を入れた箱に、細かくしてふるった水ごけや酸度未調整ピートモスなどを敷き、その上にタネをまきます。発芽には光が必要なので、覆土は不要です。乾かさないように管理すれば、春に発芽します。また、タネを秋にまかずに持ち越す場合は、封筒などに入れて、冷蔵庫(5℃程度)に保存しておき、春に同じ要領でまきます。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

害虫・病気対策

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