植物栽培ナビマツの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

 クロマツは海岸や暖地の栽培が適しますが、アカマツやゴヨウマツは寒冷地でも生育します。園芸品種は成長が遅いものが多く、原種よりも栽培が難しいといえます。

クロマツ

 黒色の幹、太く硬い葉をもち、どっしりとした風格がある。園芸品種としては‘クロオウゴウショウ'など葉全体が黄色いもの、葉の中ほどが黄色になる‘ジャノメクロマツ'がある。

アカマツ

 赤褐色の樹皮、明るい緑色で細く柔らかい葉は、庭を明るくする存在。枝垂性の‘シダレアカマツ'、葉に黄色い斑が入る‘ジャノメアカマツ'、黄白色の斑が入る‘紅金松'などの園芸品種がある。

ゴヨウマツ

 短く青灰色の葉が美しく、庭植えとしても大変美しく、庭の和洋を問わず調和する。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 下枝にも日が当たるような、日なたでの栽培が適しています。日陰では樹勢が衰え、葉の色も悪くなります。マツの根には酸素を好む菌が共生しているので、空気を多く含むような水はけのよい土壌で育てます。また、根は荒く、細根も少ないため、成木は移植を嫌います。植え場所をよく吟味することが必要です。

 植えつけは休眠期の2~4月に行ないます。根鉢の大きさの2倍の深さ、幅の植え穴を掘り、水はけの悪いところでは砂質土を客土します。根鉢の周りに十分に水を注ぎ、棒などでつついて根と植え土をなじませ、支柱を立てます。

 移植する場合は、1年前にあらかじめ根回しをしておくとよいでしょう。幹の直径の4~5倍の位置で周囲を掘って根を切り、埋め戻して細根を出させます。移植時にはていねいに根巻きをして、土を崩さないように植えつけます。

 

栽培管理

管理

水やり

 原則として、水やりは必要ありません。植えつけた年には、用土が乾燥したら、十分に水やりをします。

肥料

 肥料を施さなくても育ちますが、2~3月に寒肥として、緩効性化成肥料の粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g、株の周りの土の上にばらまいて施すと葉色が濃くなります。病虫害以外の原因で葉が黄化する場合も肥料不足が考えられるので、寒肥を施すと葉が緑色に戻ります。

「緑摘み」と「もみあげ」

 マツは剪定を行わず、緑摘みを行なって樹形を整えます。マツの新梢が長く伸び、葉がまだ展開しない4~5月に新梢(緑)を折り取ります。夏にもう1回新梢が伸びてきますが、この枝は長くならないため、節間の詰んだ樹形にすることができます。美しい樹形を保つためには緑摘みは欠かせない作業です。木が大きくて作業が難しいときには、5月中旬までであれば新梢が柔らかいので、棒などでたたいても緑摘みを行なうことができます。

 もみあげは、夏に伸びた多くの枝を減らす作業です。11月上旬、夏に伸びた枝を2本程度残して、ほかは切り除きます。また、この時に夏に伸びた枝の下についている前年の古葉も摘み取りましょう。

ふやし方

 マツは2~3月に、クロマツの2年生苗の台木に接いでふやされますが、一般家庭ではタネをまいてふやします。

 タネは、まつかさ(球果)の鱗片(果鱗)が開きはじめる9~10月に採取します。まつかさが開いて、それぞれの鱗片の下にある薄く平らなものがタネです。赤玉土小粒やタネまき用土を入れた平鉢に重ならない程度の間隔でまき、タネが隠れる程度の厚さで覆土します。乾かさないように水やりをすれば、春には発芽します。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

害虫・病気対策

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マツで適用のある害虫・病気と対処薬剤

害虫

病気

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