植物栽培ナビツツジの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

 ‘本霧島' 江戸時代を代表する深紅の花を咲かせる品種です。もっとも濃い緋紅赤色の花を咲かせ、花期には非常に美しいものです。江戸時代のツツジ栽培で有名な伊藤伊兵衛が、もっとも高く評価したというのもうなずけます。

 ‘大紫' 大輪一重の紫色の花を咲かせる品種で、乾燥や排気ガスなどにも強いため、公園や緑地帯などに多用されます。この枝変わりにピンクの花を咲かせる‘曙'があります。

 ‘花車' モチツツジの突然変異で生まれたとされ、「錦繍枕」(元禄時代のツツジの専門書)にも挙げられる古い品種です。花冠が深く切れ込み、濃いピンクの花を咲かせます。生育おう盛で、洋風、和風どちらの雰囲気にも合う品種です。

 ‘青海波'(せいがいは) 花と葉が極端に細いモチツツジの変異品種で、成長が遅いため鉢植えに適しています。

 ‘藤万葉' モチツツジの八重咲き(万葉咲き)の品種で、ボタンのような藤色の上品な花を咲かせます。

 ‘堀之内寒咲きつつじ' 関東地方では露地で2月ごろに開花する大輪、紅色の品種です。アザレアと日本の園芸品種の交配種です。

 クルメツツジ 江戸時代末期に久留米藩内で改良された品種群で、小型の鮮やかな色の花を咲かせます。萼が花弁化した二重の花が多いのも特徴です。白の‘暮の雪'、ピンクの‘麒麟'、赤の‘宮城野'などが栽培されます。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 ツツジは林縁や、高木層の少ない斜面地などを好んで自生します。また、根は細く、地表近くに張ります。このため、少なくとも午前中は日が当たる場所で、腐植質に富んだ、水はけのよい土に植えつけます。ツツジは酸性土壌を好むことが知られています。栽培時には、ピートモスなどを混合すると根張りがよくなります。適期は3~4月、または9月下旬~10月です。

 根鉢の2倍の直径、深さの植え穴を掘り、元肥として腐葉土やピートモスと、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」1m²当たり150gを植え土に混合し、根鉢を1/3ほど崩して植えつけます。ツツジの根は地表近くに張るので、深植えは根腐れの原因となります。根鉢の上部が地面よりも10~15cmほど高くなるように土を入れ、株を据えて植えつけます。植えつけ時は水をやりながら棒でつついて、根と土をよくなじませます。

 鉢植えの場合は、赤玉土(細粒)、鹿沼土(細粒)、ピートモス、バーミキュライトを4:2:3:1の割合の用土で植えます。山野草用土とプランター用の培養土、赤玉土(細粒)を1:1:1で混合した用土を使ってもよいでしょう。植え替えは2年に1回が目安です。適期は花後のなるべく早い時期の6月中旬まで、または9月下旬~10月です。

 

栽培管理

管理

管理

水やり

 庭植えでは、根づいてしまえば、夏の高温期で極端に乾燥する時期以外には、水やりは特に必要ありません。鉢植えでは、夏は朝と夕方、春と秋は1~2日に1回程度、冬は乾燥したら水やりします。

置き場所

 鉢植えは、通年戸外で管理します。夏は半日陰、そのほかの時期は十分日が当たる場所に置きます。冬は乾燥した寒風が当たらない場所に移動させましょう。

肥料

 5~6月に花後、9月の枝の充実期、1月の休眠期に粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150gを株のまわりにばらまきます。特に花後に施すお礼肥は、新梢を生育させ、夏にできる花芽の形成にも重要な役割を果たします。

剪定

 開花後、なるべく早い時期の6月上旬までに剪定します。夏以降の剪定は、せっかくできた花芽を切ることになるので、翌年花が咲かない原因となります。ツツジは枝数も多く、芽吹きもよいので、刈り込むことができます。強剪定すると新芽が出にくいことがあるので、3cm程度の長さに止めます。また、この時に枯れ枝や重なった枝も基部から剪定し、風通しよくしましょう。切られた枝からは複数の芽が伸びてこんもりとした樹形となります。

ふやし方

 さし木で簡単にふやすことができます。花後にのび始めた新梢は、6~7月には充実して堅くなります。この枝を長さ10cmほどで切り取ります。先端の葉2~3枚を残して、1時間ほど水揚げをし、植物成長調整剤「ルートン」を切り口に薄くまぶしてから、鹿沼土(小粒)やさし木用土に葉が触れる程度の間隔でさします。風が当たらない日陰で乾かさないように管理すれば、秋には発根します。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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