植物栽培ナビツバキの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
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基本情報

基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

 ツバキには多くの品種があるため、耐寒性、開花期、樹高等もさまざまです。自宅の栽培環境を考慮して、好みの品種を選ぶようにします。

 一般にヤブツバキの園芸品種は、暑さ寒さに強く丈夫なので、初心者にもおすすめできます。ユキツバキやその園芸品種は、冬期の乾燥に弱いため、積雪地帯以外では鉢植え栽培が適します。香りのよい小輪のヒメサザンカやキンカチャなどの中国産種の園芸品種は寒さに弱いので、暖地以外では鉢植えで楽しみます。中国原産のトウツバキの園芸品種は、ボタンのような巨大輪で八重咲きです。寒さに多少弱いので、寒風の当たらない場所で栽培します。栽培特性や来歴などを知るために重要ですので、品種名のついた苗を選ぶようにします。

 ‘岩根絞' 中輪の半八重で、紅色の地に白色の絞りが鮮やか。

 ‘百合椿' ピンクの細長い花弁で、反り返ってユリの花のように見える。枝は枝垂れる。

 オトメツバキ ピンクの八重咲き品種。

 ‘侘助' 小輪一重の筒咲きで、茶花としても利用される

 カンツバキ 冬期に咲き続ける紅色八重の品種。ツバキとサザンカの交雑品種。関西では‘獅子頭'と呼ばれる。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ、植え替え

 庭植えの場合、植えつける場所は、水はけがよく西日の当たらない半日陰が適しています。根鉢の直径の1.5倍ほどの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150gを底土と良く混ぜ合わせます。根鉢を1/3ほどくずして、根を切り詰め、深植えしないように植えつけます。たっぷりと水を注ぎながら、根の間に土が入り込むように棒などで突きます。

 鉢植えでは、2~3年に1回を目安にひと回り大きな鉢に植え替えます。鉢植え用土には、極めて水はけのよい用土が使われますが、赤玉土と桐生砂か日向砂を1:1に混合した用土の方が夏場に乾燥しにくいので一般家庭向きです。根鉢を1/3ほどくずし、根をはさみで切り詰めます。鉢底にゴロ土を敷き、少量の用土を入れて根鉢を据えて、用土を満たします。根鉢と用土が良くなじむように棒などで突き、たっぷりと水をやります。

 植え替え、植えつけともに、真夏や真冬、新梢の生育期を除く、開花後の3~4月、梅雨の時期、秋の彼岸過ぎが適期となります。

 

栽培管理

管理

水やり

 庭植えでは、根づいてしまえば、夏の高温期で極端に乾燥するとき以外には、特に必要ありません。

 鉢植えでは、夏は朝と夕方、春と秋は1日から2日に1回程度、冬は乾燥したら水やりします。

肥料

 鉢植えの場合は、開花後、新梢が伸びる前のお礼肥と9月に、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を用土1ℓ当たり5g、鉢土の表面にばらまいて施します。

 庭植えの場合は、1月~2月に寒肥として、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g、株のまわりの樹冠下の土に軽くまぜて施します。植え替え、植えつけ直後の施肥は、根を傷める原因となるので、1カ月後に施します。

剪定

開花後なるべく早い時期に行ないます。ヤブツバキは夏に花芽をつくり始めるので、夏以降の剪定はせっかくできた蕾を切ってしまうことになります。夏前でも遅い時期に剪定すると、新梢が伸びだす時期が遅れ、充実した枝にならないため、花芽がつきにくくなります。

 成株では日が当たらない株の内側の枝、重なっている枝、枯れ枝や強い徒長枝などを枝抜きし、外周部は好みの樹形になるように剪定します。この時、株元から出るひこばえも切り取るようにします。剪定した太い枝の切り口には、殺菌剤「トップジンMペースト」を塗りましょう。剪定して株内への風通しをよくすることで、病害虫にかかりにくくなる効果もあります。

ふやし方

 生産現場では、主に接ぎ木でふやされますが、一般家庭では台木の準備が難しいため、さし木でふやします。

 春に伸びた枝を6月中旬~8月までの間に5~6cmの長さで切り、1時間ほど水揚げし、植物成長調整剤「ルートン」を切り口に薄くまぶしてから、赤玉土や鹿沼土の細粒、またはさし木専用用土にさします。十分に水やりし、乾かさないように日陰に置いて管理します。9月の彼岸過ぎから11月まで、所定の倍率のさらに2倍に薄めた液体肥料「花工場原液」を月2回施し、翌年の5~6月に鉢上げします

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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ツバキで適用のある害虫・病気と対処薬剤

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