植物栽培ナビつるバラ(鉢植え)の育て方

基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

同様に仕立てられる品種

ブラン・ピエール・ド・ロンサール
(Blanc Pierre de Ronsard)

2005年、メイアン発表。ピエール・ドゥ・ロンサール の枝変わり品種で、花色はクリーム色。咲き進むと中心部が淡いピンク色から白へと変化する。花形、性質は、ピエール・ドゥ・ロンサールとほぼ同じ。

メイ・クイーン
(May Queen)

1898年、アメリカのマンダ作出。日本のノイバラの血を受け継ぐハイブリッド・ウクライナ系なので、8mほどと非常によく伸び、樹勢が強い。中輪のロゼット咲きで香りもよい。一季咲き。

ルージュ・ピエール・ドゥ・ロンサール
(Rouge Pierre de Ronsard)

大輪のクリムゾンレッドのカップ咲きが、非常によく目立つ。2002年、メイアン発表。 「ピエール・ドゥ・ロンサール」の名を冠するが、別系統の品種で枝の伸び方も2~2.5mぐらい。同じテクニックによってコンパクトに仕立てることができる。

ローラ・ダボー
(Lauré Davoust)

花径3cmほどの小輪ロゼット咲きの花が房状につき、6mほどに伸びるランブラーローズ。透明感のあるピンク色の花は、咲き進むと白っぽく変化する。軽めな甘い香りがある。樹勢は強い。1908年、フランスのギヨー作出。

ドロシー・パーキンス
(Dorothy Perkins)

1901年、アメリカのジャクソン&パーキンス社作出。濃ピンクの3〜4cmほどの小輪の花が、大きな房咲きになる。極めて花つきがよく、しなやかなシュートが6m以上伸びる大形のランブラーローズ。一季咲きの遅咲きで、花のピークは6月に入ってから。

アッシュ・ウエンズディ
(Ash Wednesday)

シルバーグレイ、茶色、ブルー系などがのった淡いピンク色という、微妙な花色が個性的。花径8cm程度の中輪で、白いロゼット型に咲き進む。3〜4mほどに伸びる小形のクライミングローズ。1955年、ドイツ・コルデス作出。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

仕立て期(植えつけ)→ 成長期 11〜4月のプロセス

●植えつけ

入手した大苗を、2回りほど大きな鉢に植えつけます。今回は、8号(直径24cm)の鉢を使用しました。

用土は市販のバラの土を利用すればかんたんです。元肥として用土に、粒状肥料「マイローズばらの肥料」を、8号鉢では50g、用土に混ぜて植えつけましょう。根張りがよくなり、ふっくらとした美しい花がたくさん咲きます。

●すぐに切り詰める 【ポイント!】

用土は前もって湿らせておくと、植えつけたとき、鉢の中で根と用土がよくなじみます。さらに、このとき「マイローズ ばらの活力剤」(27年2月発売予定) を与えておくと効果的です。植えつけたら、株元から10~15cmの位置ですべての枝を切り詰めます。この程度の高さまで切り詰めないと、花が咲いたときに腰が座ったよい姿になりません。


右の写真は、植えつけから1ヶ月ほど経過したところ。すでに新芽が出ています。

切り詰めた株がさびしかったら、株元に冬の間でも咲く小形の草花をあしらうとよい。写真はイベリス・キャンディタフトをポリポットごと植え、根がバラの根の伸びをじゃましないようにした。ほか、ビオラやスイートアリッサムなどもおすすめです。

 

開花期→成長期→仕立て期(花後剪定) 4〜8月のプロセス

●蕾がつくまでは

蕾がつくまで伸びてきた枝などは、形を整えるためS字状のフックで枝を寄せておくとよいでしょう。
 病害虫の被害がふえる時期なので、定期的な防除を怠らず、美しく健康的な姿で開花を迎えたいものです。

●開花中の注意点

いよいよ待ちに待った開花です。大きく長く伸びるピエール・ドゥ・ロンサールが、まるで木立バラ(シュラブローズ)のような株姿で咲きそろいます。
開花期は気温が上昇、かつ安定した時期です。ピエール・ドゥ・ロンサールは花弁数がとても多いので、水をよく吸収し、また少しでも水切れさせると花弁の縁が縮れてしまいます。この時期だけは、鉢土が乾き切る前に、水やりをしたほうがよいでしょう。
また、開花中は雨をよけられる場所に置いたほうが無難です。ピエール・ドゥ・ロンサールは雨に濡れると花弁のすき間に雨水がたまりやすいので、雨後は花を軽く振るって、水を切ってやるとよいでしょう。

●花後の剪定【ポイント!】

花は傷んだものから切り取っていきましょう。たくさんの花をつけた場合は、花首からカットする程度の浅めの剪定にします。できるだけ多くの葉を残して、次の成長期の秋を迎えさせ、株を充実させることが、翌春の花数をふやすポイントになります。

 

成長期→仕立て期(冬剪定) 9〜2月プロセス

●夏越し後の管理

9月に入って暑さが一段落すると、再び成長期に入ります。引き続き、水切れや病害虫に注意しながら管理をしましょう。できるだけ葉を落とさないようにすることが大切です。
 なお、つるバラなのでシュートが長く伸びて、じゃまになることがあります。適宜枝先を軽く切り戻しておいても構いません。

●冬の剪定【ポイント!】

1~2月はバラの剪定の時期です。暖地や置き場によっては、年を越えても落葉しないこともありますが、昨年花が咲いた枝の元から2~3芽残して剪定します。剪定でついていた葉も切り落とせます。イラストのように思い切って短く切るので、咲いたとき木立ちバラのような姿になります。

 なお、芽が動き出したら「芽だし肥」として、粒状肥料「マイローズばらの肥料」を、8号鉢では50g、株のまわりにばらまきます。さらに3月いっぱいまで、液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「マイローズばらの液体肥料」の500倍液を、7~10日に1回施します。

 

栽培管理

管理

仕立て期(植えつけ)→ 成長期 11〜4月の管理のポイント

●置き場所

植えつけた鉢は、軒下など土が凍らず、寒風が避けられる日なたに置きます。

●水やり

鉢土の表面が乾いたら、午前中にたっぷり水を与えましょう。低温期の冬は鉢土の乾き方が天候や日当たり具合、風通しによって大きく違います。表土の乾きをよく観察しましょう。
なお、冬の間の水やりは、暖かな日の10〜12時ぐらいの時間帯に行なうとよいでしょう。

●肥料 

冬の間は肥料は不要です。
3月に入ると暖かな日がふえて、成長を始めます。新芽の生育を促す、速効性の液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「マイローズばらの液体肥料」の500倍液を、7~10日に1回施します。
合わせて、粒状肥料「マイローズばらの肥料」を、8号鉢では50gを鉢の周囲に沿ってまきます。

さらに、こんな時には「マイローズばらの活力剤」の併用がおすすめです。

  • ばら苗の植え付け、さし木、植え替え時に
  • 暑さで株がバテ気味の時や、寒さへの抵抗性をつけたい時に
  • 根の張りを良くしたい時や株に元気がない時に

 

開花期→成長期→仕立て期(花後剪定) 4〜8月の管理のポイント

●置き場所

鉢は、風通しのよい日なたに置きます。周囲の植物も旺盛に生育する時期なので、混み合い過ぎて風通しが悪くなっていたり、株元に日が当たらなかったりしないように注意しましょう。
梅雨明け後は、できるだけ風通しのよい場所に置きます。できれば日中から夕方の日は避けられる場所に鉢を移動させるとよいでしょう。
また、鉢がベランダやテラスの壁面に近いと、壁からの放射熱で株が傷みやすくなります。壁面からは50cm以上離して置くようにしましょう。

●水やり

開花期は、気温が上昇する時期です。さらに花弁数が多いピエール・ドゥ・ロンサールは、少しの水切れでも花がしおれやすいので、開花中の水切れには注意しましょう。水やりは、ほぼ毎日、午前中に行ないましょう。
梅雨の間も置き場所によっては、雨水だけでは水が不足する場合があります。雨の日でも表土の乾き具合をチェックして、乾いていたら水やりをします。
梅雨明け後は高温で鉢土が乾きやすくなります。水やりは早朝に行ない、午後に葉がしおれるほど乾くなら、いったん日陰に移動させてからたっぷり水やりをします。真夏は朝夕2回の水やりが必要と思っていてもよいでしょう。

●肥料 

 花後には、粒状肥料「マイローズばらの肥料」を8号鉢では50g、株のまわりにばらまいてお礼肥を施しましょう。あるいは、液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「マイローズばらの液体肥料」の400倍液を、7~10日に1回施します。

さらに、こんな時には「マイローズばらの活力剤」の併用がおすすめです。

  • ばら苗の植え付け、さし木、植え替え時に
  • 暑さで株がバテ気味の時や、寒さへの抵抗性をつけたい時に
  • 根の張りを良くしたい時や株に元気がない時に

 

成長期→ 仕立て期(冬剪定) 9〜2月の管理のポイント

●置き場所

剪定後の鉢は、寒風が吹きつけない軒下などの日なたに置きます。

●水やり

9月からは徐々に気温が下がるので、夏に比べれば鉢土の乾きが穏やかになります。鉢土の表面が乾いたら、午前中にたっぷり水を与えましょう。秋は空気が乾燥するのと、バラが成長期を迎えるので、水切れには十分注意しましょう。
冬は鉢土の乾き具合をよく観察して、乾いていたら水やりをします。
なお、冬の間の水やりは、暖かな日の10〜12時ぐらいの時間帯に行なうとよいでしょう。

●肥料

 秋はバラの成長期です。粒状肥料「マイローズばらの肥料」を、8号鉢では50g、株のまわりにばらまいて施すのと同時に、液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」の500倍液、あるいは「マイローズばらの液体肥料」の400倍液を、7~10日に1回も併用します。
 冬の剪定後も引き続き、同様の肥料を施します。

●その他の作業

 

中耕

剪定と同時に、鉢土の表面をフォークなどで軽くほぐしておくと、土のなかに空気を取り込むことができます。

 

植え替え

 水やりのとき、ウォータースペースに水がたまりやすくなっていたら、根鉢を軽く崩してから、新しい市販のバラの土で植え替えましょう。植え替え時に「マイローズばらの活力剤」を与えておくと、植え替え後の生育を促します。
なお、植え替えは剪定に先がけて、11月ごろに済ませておくと、冬までに新しい根が出るので、失敗が少ないです。

さらに、こんな時には「マイローズばらの活力剤」の併用がおすすめです。

  • ばら苗の植え付け、さし木、植え替え時に
  • 暑さで株がバテ気味の時や、寒さへの抵抗性をつけたい時に
  • 根の張りを良くしたい時や株に元気がない時に

 

監修  有島薫
神奈川県横浜市生まれ。祖母の影響を受けてバラ栽培に関心を抱き、現在ではバラの楽しさを広めるため、「もっと気軽に、もっと手軽に」をモットーに、バラ栽培の普及に努める。既成概念にとらわれない、経験の積み重ねと自由な発想による提案が好評。
オールドローズからイングリッシュローズ、最新のバラまで幅広く精通し、テレビNHK趣味の園芸出演ほか、園芸雑誌などに広く執筆。著書は『簡単に美しく咲かせる バラのコンテナガーデン』(小学館)、『イングリッシュローズのすべて』『バラ大図鑑 (別冊NHK趣味の園芸)』(ともにNHK出版、共著)等多数。
日本橋三越本店チェルシーガーデンの人気ローズアドバイザー。日本家庭園芸普及協会 グリーンアドバイザー 園芸ソムリエ。

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