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準備と植え付け|ブルーベリー【地植え】の育て方

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

ブルーベリー【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

ブルーベリー【地植え】写真

「ベリーの王様」は、フルーツとしての利用以外にも、ガーデニング素材としても広く親しまれています。

準備

種類・品種選びのポイント

日本で利用されている主な栽培ブルーベリーは、ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーです。ブルーベリーには多くの品種があり、それぞれに特徴があります。地域に合った品種選びをすることが、栽培を成功させるポイントです。

ハイブッシュブルーベリー

冷涼な気候を好むハイブッシュブルーベリーは、中部地方や東北地方などのリンゴが生産されている地域に適しています。ハイブッシュブルーベリーは大きく分けて、ハイブッシュ系(北部系)とサザンハイブッシュ系(南部系)に分けられます。

ハイブッシュ系(北部系)

果実が大きく、品質もよく、早生種が多いのが特徴です。

サザンハイブッシュ系(南部系)

サザンハイブッシュ系(南部系)サザンハイブッシュ系は、ハイブッシュ系と比較するとやや果実は小さいのですが、極早生品種が多く、暖地での栽培に適しています。

ラビットアイブルーベリー

温暖な気候を好み、温州ミカンが栽培されている地域に適しています。ラビットアイブルーベリーは、耐暑性や耐乾性が強く、栽培が比較的容易で、関東以西の初心者におすすめです。果実は中~小程度の大きさで、晩生品種が多いのが特徴です。収量が多いことから、ジャムなどの加工用にされたり、夏の観光果樹園に最適な品種が多くあります。

育て方のコツ

ブルーベリーは「自家不和合性」といって、自分の花粉では実が留まりにくい性質を持っています。特に、ラビットアイブルーベリーの品種では、その性質が強いようです。同じ種類の違う品種を、2本以上近くに植えることがポイントで、ミツバチなどの放花昆虫によって相互に受粉され、果実が大きくなり、収量もアップします。高層住宅のベランダや人通りが多いような場所では、昆虫が少ないことが予想されます。そのような場所では、違う品種の花粉を用いて、人工授粉を行ないましょう。

植えつけ方

植えつけ

ブルーベリーの苗は、秋から早春にかけて通信販売や園芸店で購入することができます。枝が太く、つやがよいものを選びましょう。植えつけは、ほかの落葉果樹と同様に、1月から2月の極寒期は除いて芽や根の成長が止まっている休眠期に行うのが基本です。この時期に植えつけすると根の傷みがほとんどありません。根の活着の関係から関東地方以北では3月の春植え、関東地方以西では10月から11月の秋植えがよいでしょう。

植える場所は、日当たりと水はけのよいところを選びましょう。用土には、野菜栽培向けに石灰などで酸度調整してあるものは避け、水はけと水持ちのバランスがよい酸性用土を使用します。特に、野菜や花の育苗などに使用される、酸度未調整ピートモスを多めに入れるとよく育ちます。なお、ピートモスは水となじみにくいので、事前に水とよく混ぜておくとよいでしょう。

庭植えであれば、掘り上げた土、吸水させたピ-トモス、赤玉土小粒を3:5:2の割合でよく混合して使用します。植えつける際は、ポリポットから苗を抜き、根鉢をしっかりと崩します。この作業をしないと、根鉢から新しい根が伸びません。次に、あらかじめ吸水させておいたピ-トモスで、根を包むようにして植え穴に入れ、先に混合しておいた土を埋め戻します。

植えつけ後は、しっかりとした支柱を添えてさし、水をたっぷり与えましょう。

最後に、元肥として1株あたり3~4個の油かすなどの有機質固形肥料を置くか、1株あたり100g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をばらまいて、表土に土をかぶせてできあがりです。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

ブルーベリー【地植え】の育て方のページです。
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