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準備と植え付け|かき【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

かき【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

かき【地植え】写真

カキは、カキノキ科カキ属に分類される高木性の落葉果樹です。世界に分布するカキ属植物は約500種にもなるといわれ、そのほとんどは熱帯から亜熱帯地域に分布しており、温帯地域に分布している種は少ないそうです。これらのうち、園芸的に利用されているものは、カキ、マメガキ、アブラガキ、アメリカガキの4種だけで、果実を食用としているのはカキだけです。あとは台木や柿渋の採取などを目的として栽培されています。

準備

種類・品種選びのポイント

 カキの品種は、渋みの有無で「甘柿」と「渋柿」に分けることができます。カキの渋みは、シブオールというという成分(タンニン)が原因です。このタンニンが可溶姓(水に溶ける)か不溶性(水に溶けない)であるかが、渋みを感じるか感じないかのポイントになります。

 このようにカキは種類によって大きな違いがあるので、好みで「渋柿」にするか、「甘柿」にするか、品種を選びましょう。甘柿の主要な品種には、‘ 富有'、‘次郎'、‘伊豆'などがあります。一方、渋柿の主要な品種には、‘平核無'、‘西条'、‘愛宕'などがあります。最近、完全甘柿で、果実が非常に大きい‘太秋'という品種が人気です。

育て方のコツ

 カキは雌雄異花という特性を持っており、雌花と雄花があります。ほとんどの品種は、雄花をつけませんが、受粉しなくても果実がなる単為結果性という性質を持っているので、1本でも実がなります。

 一般的には、渋柿は甘柿よりも単為結果性が強い傾向があり、受粉しなくても実がなります。しかしながら、渋柿を含めて甘柿は、受粉樹があればタネの数がふえ、渋のぬけなど果実の品質がよくなります。‘禅師丸'のように雄花をつける品種を受粉樹として混植し、人工受粉をすると、確実に品質のよい果実をつけさせることができます。

 さらに、カキの自家栽培で注意をしたいのは、摘蕾、摘果です。剪定作業とともに、この作業は、隔年結果(なり年と不なり年が交互にくる現象)を防止し、品質のよい果実が収穫できるようになります。蕾がはっきり確認できるようになった5月に密集した蕾を取りましょう。また、生理落果が終了する7月中旬以降に、葉15~20枚を目安に、上向きやヘタが小さい果実を除きましょう。病害虫の被害を受けた実は、最初に摘果します。

植えつけ方

植えつけ

 植えつけは、11~3月の休眠期が適します。寒冷地では極寒期の1月を避け、3月の春植えにしましょう。暖地では、秋植えの方が植え傷みが少なく、あとの成長もよいようです。

 植え場所は、日当たりのよい場所を選び、土はやや粘土質で、腐植質の多いものが適しています。植えつけは、まず深さ50cm、直径50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土に腐葉土を多めに混ぜて、粒状肥料「マイガーデンベジフル」(1株あたり200g程度)を入れて埋め戻します。残りの土を入れ、根を広げるようにして丁寧に植えつけましょう。地上部は60cm程度で切り戻し、支柱を添えます。最後に、たっぷりと水やりします。乾燥しやすい場合は、株元へ敷わらなどでマルチングし、乾燥による植え傷みを少なくしましょう。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

かき【地植え】の育て方のページです。
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