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栽培管理|かき【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

かき【地植え】の栽培管理と収穫の方法について紹介します。

かき【地植え】写真

 カキは、カキノキ科カキ属に分類される高木性の落葉果樹です。世界に分布するカキ属植物は約500種にもなるといわれ、そのほとんどは熱帯から亜熱帯地域に分布しており、温帯地域に分布している種は少ないそうです。これらのうち、園芸的に利用されているものは、カキ、マメガキ、アブラガキ、アメリカガキの4種だけで、果実を食用としているのはカキだけです。あとは台木や柿渋の採取などを目的として栽培されています。カキ

管理

水やり

 カキは乾燥に極めて弱く、根を傷めるので、鉢栽培の場合は、成長期の5~9月は朝夕2回、たっぷりと水やりしましょう。冬は、土の表面が乾いたら水を与える程度です。

 一方、庭植えの場合は、植えつけ後、しばらくは土の表面が乾いたら水やりする程度で、活着後はほとんど水やりの必要はありません。

肥料

 12月に油かすなどの有機質肥料、または粒状肥料「マイガーデンベジフル」200g程度を寒肥として施し、追肥として7月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」(100g程度/成木)、収穫後にお礼肥として同様の肥料(100g程度/成木)を施します。基本的には窒素肥料を少なめに施し、特に着果量が少なく、栄養枝が多く出ている場合の追肥は、控えめにしましょう。肥料分が多過ぎると、花芽分化が抑えられ、隔年結果を促進することになります。

 鉢栽培では、同様の時期に、粒状肥料「マイガーデンベジフル」を用土1ℓ当り5g程度を鉢の縁近くに施しましょう。

剪定

カキは無剪定で育てると、前述した「隔年結果」という現象が出てきます。隔年結果を防止するためには、毎年きちんと剪定することが重要です。剪定の適期は1月です。仕立て方は開心自然形が多いようです。主幹を短くして、そこから3本の亜主枝を出し、側枝1をバランスよく出していきます。枝の先端を切り戻して、不要な枝は間引きながら仕立てていきます。カキは新梢の先端とその下2~3芽に花芽(混合花芽)がつきます。翌年のこの花芽から、新梢が伸びて開花、結実します。したがって、前年に伸びた枝の先端を短く剪定してしまうと、実がつかなくなるので注意が必要です。枝が混みすぎている場合は、果実のない枝、徒長枝など、結果枝の妨げになっているものは間引き剪定します。剪定後の切り口や傷口のゆ合促進には、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時に枝の切口に塗布します。

 

収穫

収穫

 果実がオレンジ色に色づいてきたら、収穫の目安です。‘富有'は11月上~中旬、‘太秋'は11月中~下旬、‘平核無'は10月下旬~11月上旬が収穫時期です。

 また、果実を収穫せずにそのまま樹につけておくと、樹の養分が使われて、次の年の生育に悪い影響を及ぼすので、必ず収穫しましょう。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

かき【地植え】の育て方のページです。
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