住友化学園芸

ガーデニング・園芸のことなら住友化学園芸のeグリーンコミュニケーション

ガーデニング・園芸TOP
野菜・花・果樹・庭木の育て方植物栽培ナビ

栽培管理|さくらの育て方

監修 園芸研究家 倉重祐二

さくらの栽培管理と収穫の方法について紹介します。

さくら写真

 単に花見といえばサクラ観賞を指すように、サクラは日本を代表する花木です。国花であることはもちろん、ほかの植物に先駆けて、古く日本書紀や古事記にも登場しています。しかしながら、その当時(奈良時代)は、中国から渡来したウメの方が愛好されていました。その後、平安時代以降になって、サクラがもてはやされ、花と言えばサクラというように、春の花木の代表として扱われるようになりました。  サクラ属には、ア

管理

水やり

 庭植えでは、夏以外は基本的に水やりの必要はありませんが、夏の高温期に土壌が極端に乾燥するような場合は、朝か夕方に十分に水やりします。

 鉢植えでは、夏は朝か夕方、春と秋は1日から2日に一回程度、冬は乾燥したら水やりします。

置き場所

 鉢植えは、屋外の風通しがよい日なたに置きます。強風で葉が落ちることがあるので、台風の時などには、風の当たらない場所に移動させます。

肥料

 サクラも肥料が切れると生育が悪くなり、病虫害にもかかりやすくなります。鉢植え、庭植えどちらの場合も、2月の寒肥、花後のお礼肥、7月に追肥として緩効性肥料を施します。

 庭植えの場合は、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当り150gを、根の張っている範囲(枝の張っている部分とほぼ同じ)の土の上にばらまいて浅く埋め込みます。

 鉢植えの場合は、同様の肥料を、用土1ℓ当り5g土の上にばらまいて施します。

 植え替え、植えつけ直後の施肥は、根を傷める原因になるので、1ヵ月後に施しましょう。

剪定

 「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」といわれるように、サクラは強い剪定を嫌うので、重なった枝や混み過ぎた枝を切る程度に止め、なるべく自然樹形で育てるようにします。

 根元から出るひこばえや幹から出る枝は、樹勢を弱くする原因となるので、見つけ次第、根元から切り除きます。また、前年に伸びた枝から勢いよく伸びる徒長枝は、基部の2~3芽を残して秋に剪定します。なお、切り口から腐敗菌が入りやすいので、必ず殺菌剤「トップジンMペースト

ふやし方

 商業生産では、接ぎ木でふやされますが、一般家庭ではさし木でふやすのがよいでしょう。

 サクラは発根しにくい品種が多いため、発根促進剤を使って、7月にその年に伸びた、堅くなる前の枝を使ってさし木します。

 まず、10~15㎝の長さで枝を切り取り、先端から2~3枚の葉を残し、下部の葉を取り除き、30分~1時間程度水揚げをします。切り口に植物成長調整剤「ルートン」を薄くまぶし、赤玉土小粒や鹿沼土、またはさし木用土にさします。よく水をやり、ビニール袋などで鉢ごと包んで日陰に置きます。9月には発根するので、鉢上げします。

監修:園芸研究家 倉重祐二

園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

さくらの育て方のページです。
eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。

contents