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栽培管理|しゃくなげの育て方

監修 園芸研究家 倉重祐二

しゃくなげの栽培管理と収穫の方法について紹介します。

しゃくなげ写真

 シャクナゲは、ヤマツツジやレンゲツツジなどとともにツツジ(ロードデンドロン)属に分類され、ネパール、ブータンを中心にアジア、ヨーロッパ、北米に約300種が分布します。一般にシャクナゲとして扱われるものには、エゾムラサキツツジやヒカゲツツジなど、葉の裏などに*鱗片(鱗状毛)がある有鱗片シャクナゲも含まれます。  19世紀、プラントハンターによって、主に中国原産のシャクナゲが、ヨーロッパに導入

管理

水やり

 鉢植えは、夏の高温期以外は、鉢土が乾いたら充分に水やりするのが基本です。シャクナゲは根が細く、極端な乾燥に弱いため、夏は涼しい朝か夕方に、葉水を兼ねて水やりします。夏の十分な水やりが、シャクナゲ栽培の成功のポイントです。

 庭植えは、夏以外は基本的に水やりの必要はありませんが、夏の高温期に土壌が乾燥し過ぎないように、朝か夕方に葉水を兼ねて、十分に水やりします。冬に乾燥が続く場合は、暖かい日の午前中に水やりしましょう。

置き場所

 西日が当たらない半日陰の屋外で栽培します。夏は、直射日光を避け、寒冷紗などで50%程度遮光し、腐葉土などで根元をマルチングをすると、土壌の乾燥と地温の上昇を防ぐことができます。

 冬は、寒風が吹きつけない暖かな場所に置きます。

肥料

 鉢植え、庭植えともに、花後にお礼肥として粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を施します。庭植えでは1m²当たり150g、鉢植えでは用土1ℓ当たり5gが適量です。

 涼しくなる9月下旬から10月に1回、さらに2月に寒肥として、同じ肥料を同量施しましょう。庭植えの場合は、枝が茂ってる部分とほぼ同じ範囲に根が張っているので、外周部の土の上にばらまいて、浅く埋め込みます。

花がら摘み

 シャクナゲの花が終わったら、花がら摘みを行ないます。花がら摘みで花を一つ一つ摘む場合は、イラストのAの位置で摘み、一房の花が全て終わってから摘む場合は、Bの位置で切り、子房の部分も摘み取るようにします。

 作業が遅れると、腋芽が出るのが遅れて、夏までに新梢が充実せず、花芽がつきにくくなります。

芽かき

 シャクナゲは枝数が少なく、古い枝からは芽が出にくいため、剪定は不要です。たくさん枝を出させて、こんもりとした樹形を作るためには、芽かきを行いましょう。花が咲かず、春になっても枝から新しい芽が1本しか出ていない場合は、なるべく早い時期で芽が柔らかいうちに、つけ根から手で芽をかき取ります。こうすることで複数の腋芽が出て、こんもりとした樹形となります。

花が咲いた枝からは、複数の芽が出るので、芽かきの必要はありません。

ふやし方

 

 シャクナゲは、さし木にしても発根しにくく、時間がかかることが多いですが、新梢が固まり始め、空中湿度が高い6月、または、完全に堅くなった9月がさし木の適期です。

 その年に伸びた充実した枝を、長さ7~8cmで切り、枝先の葉を3~4枚残して下葉を摘み取り、枝先に残した葉も各々半分に切ります。1時間ほど水揚げし、切り口に植物成長調整剤「ルートン」を薄くまぶしてから、鹿沼土や赤玉土の細粒やさし木用土にさし、十分に水やりをして、乾燥しないようにビニール袋などで覆います。日陰の涼しいところに置き、乾燥させないように管理すれば、秋には発根します。

監修:園芸研究家 倉重祐二

園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

しゃくなげの育て方のページです。
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