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栽培管理|カトレアの育て方

監修:園芸研究家 富山昌克

カトレアの栽培管理と収穫の方法について紹介します。

カトレア写真

園芸の世界では、バラとカトレアは花の女王ともいえる存在です。

管理

置き場

 カトレア栽培の基本は、適切な「置き場」に置くことです。カトレアにとって適切な置き場とは、季節に応じた成長限界温度を確保できる場所のことで、さらに適切に遮光された場所です。

 カトレアの年間栽培の温度帯は10~42℃の間で、理想の栽培温度帯は、15~28℃です。日照条件は30000~50000lxが理想で、5~9月の間は、50%寒冷紗で遮光した下に置きましょう。

 3~4月になり暖かくなると、新芽が成長してきますが、戸外の最低温度が15℃以上になるまでは、室内の窓辺に置きます。3月の日ざしは強いので、新芽にレースのカーテン越しの光がしっかり当たるように置きます。

 5月になり、戸外の最低温度が15℃以上になったら、ベランダや庭に移動させて管理します。その際、50%遮光した光を当てないと、必ず葉焼けを起こし、株自体が弱って、開花しなくなるので注意しましょう。

 50%遮光の寒冷紗を張るか、ベランダでは洗濯物の影に置くことをおすすめします。また、日ざしがさす向きが変わっても、直射日光が当たらないように、置く位置を考慮します。

 

[適切な置き場]

5~9月:戸外の庭やベランダで、50%寒冷紗(遮光ネット)の下

10~4月:最低室温15℃以上を保てる室内の窓辺、または温室

 

夏の置き場ポイント

・一番大切なのは、夏に葉焼けをさせないこと。

・50%の寒冷紗を張って遮光するのが理想。

・洗濯物の影になるように置くと手軽。

水やり

 水ゴケなど植え込み材料の中心部分が完全に乾いたのを確認してから水やりするのが基本です。株を傷める失敗を避けるには、冬は最低気温を意識し、最高最低温度計で気温を確認したあとに水やりするのがコツです。

 12~3月は、ペットボトルに汲み置きした水を使用しましょう。水受け皿に水を溜めたままにすると、根腐れの原因になるので、水やりごとに溜まった水は完全に廃棄します。なお、カトレアのようなCAM型光合成(二酸化炭素を夜に取り込み、昼に還元する)を行なう植物は、朝早くよりも、夕方に水やりすると効果的です。

 花後から翌春までは、植え込み材料の表面が乾いても、2~3日待ってから軽く水やりするか、割りばしなどを根鉢の中に突きさし、湿っていないかを確認した後、水やりする習慣をつけます。

肥料

 肥料は、新芽が動き出してから、緩効性化成肥料の粒状肥料「マイガーデン花・野菜用」、 「マイガーデン植物全般用」を、植え込み材料1ℓ当たり5gを、植え込み材料の表面にばらまいて施します。4~9月の間は、2~3カ月ごとに1回施しましょう。

 加えて、できれば、液体肥料「マイガーデン液体肥料」(N:P:K=9:10:5)、「花工場原液」(N:P:K=8:10:5)の2500倍に薄めたものを、週1回施します。

ふやし方

 従来、園芸書には、「株分け作業」がよく記載されていましたが、株分けは、5号鉢サイズ(直径15cm)以上になった場合だけに限り、5号鉢以下のものは株分けを行ないません。株分けすると、数年は開花しなくなります。大人サイズのバルブ3本で、開花可能な最低の株サイズといえます。なお、大人サイズのバルブが3本以上ある株のほうが、開花する輪数は多くなります。

監修 園芸研究家 富山昌克

園芸研究家。番組ではトミーと呼ばれている。メリクロンアーツ&富山昌克オフィス&富山蘭園・奈良農場代表。専門の洋ランはもちろん、幅広いガーデニング知識と巧みな話術で、テレビや講演にひっぱりだこ。農大、専門学校等でも講義を行っている。著書多数。
 園芸研究家 富山昌克のオフィシャルウェブサイト
 http://www.tommy78stella.com/
 みんなの趣味の園芸(しゅみえんオフィシャル日記)
 
http://www.shuminoengei.jp/

カトレアの育て方のページです。
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