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準備と植え付け|はやとうり【地植え】の育て方
監修:広島市植物公園 島田有紀子
はやとうり【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。
ハヤトウリは、ウリ科のつる性の多年草です。原産地はメキシコ南部から熱帯アメリカ地域で、日本へは、大正時代に鹿児島へ導入されたのがきっかけで、「薩摩隼人」から「ハヤトウリ」と呼ばれるようになりました。 洋ナシのような形をしている果実には、緑色のものと白色のものがあります。栽培は、タネを植えるのではなく、果実のまま植える点がユニークといえるでしょう。多くのウリ科植物はタネをたくさんつくります
準備
育て方
植えつけ
ハヤトウリの苗は、ほとんど流通していないので、果実(種瓜)を入手します。普通、果実のなかのタネをまくと思いがちですが、ハヤトウリは果実のまま植えつけるので、果実を割ってなかのタネを出してはいけません。果実は入手後放置しておくと、自然に芽が出てきますが、発芽してから植えつけても構いません。
果実を土に植える場合は、果実のお尻(膨らんだほう)の割れ目(花が落ちた部分=へそ)を斜め上に向けて、浅植えします。
植えつけ適期は4月下旬~5月です。生育旺盛なので、庭植えが望ましいですが、できない場合は土がたっぷり入る大型のプランターなどに植えつけます。
植えつけ2週間ほど前に、苦土石灰を1m²当たり100g混ぜ込んでおき、植えつけ時に、完熟牛ふん堆肥を1m²当たり2kg、粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり100gを混ぜて耕します。
プランターには、市販の野菜用培養土に、粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1ℓ当たり4g混ぜたものを利用してもよいでしょう。
株間は60cm程度、プランターであれば1株が目安です。
なお、プランターを用いる場合は、果実を中心に植えるのではなく、発芽する部分を中心に植えることをお忘れなく。
仕立て方
カーテン例
植えつけ時に、つるもの用ネットと丈夫な支柱や支柱代わりの金属パイプを準備します。つるは4m以上のびるので、2階建ての家であれば2階のベランダまでのばしてみましょう。
ハヤトウリはよく繁茂して重くなるので、ネットがたるまないよう、両端には丈夫な支柱や金属パイプを通し、しっかり固定しておきます。
アーチ例
アーチ支柱と、まっすぐな支柱を垂直に渡してしっかり固定します。アーチ支柱同士の頂上部も、まっすぐな支柱でつないで、ぐらつかないようにします。さらに、つるもの用ネットを張っておくと安心です。
つるは上へ上へとのびていきますが、下るのは苦手です。必ずアーチ支柱の両側に苗を植えつけます。
棚づくり例
棚の高さは2mぐらいを想定し、市販の支柱や竹で約30cm角の格子を組み、しっかりと立てます。あるいは、つるもの用ネットを利用してもよいですが、所々に支柱を入れて、補強しておきましょう。
広島市植物公園にて、ベゴニアやゼラニウムをはじめ、種々の草花と鉢花を扱う。大阪府立大学大学院農学生命科学研究科修了。農学博士。科学的な根拠をもとに植物の魅力を最大限に発揮させることを心がける。著書に、「よくわかる栽培12か月木立ち性ベゴニア」(NHK出版)、「ナチュラルガーデンをつくる~宿根草~」(共著・NHK出版)、「園芸入門」(共著・NHK出版)、「球根の開花調節」(共著・農文協)、「農業技術体系」(共著・農文協)など多数。
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