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準備と植え付け|いちじく【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

いちじく【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

いちじく【地植え】写真

 イチジクはクワ科イチジク属に分類され、アラビア半島南部や地中海沿岸地方が原産地とされています。古代エジプトの壁画にも、ブドウとともに描かれており、旧約聖書にも数多く登場する歴史ある果樹です。あのアダムとイブが裸を隠すのに使ったのもイチジクの葉です。  日本へは江戸時代に中国から既に導入されていましたが、「乾果」での食習慣が少なく、ほとんどが生果でしか利用されなかったため、栽培はあまり拡大し

準備

種類・品種選びのポイント

 イチジクの自家栽培を行うにあたり、品種選びは特に重要です。品種には収穫時期によって3種類があります。つまり、6月下旬~7月下旬に成熟する夏果専用種、8月下旬~10月下旬に成熟する秋果専用種、その両方の時期に成熟する夏秋兼用種です。主な品種には、夏果専用種の‘ビオレードーフィン'、秋果専用種である‘蓬莱柿(ほうらいし)'や‘ビオレーソリエス'、夏秋兼用種である‘桝井ドーフィン'、‘ブラウンターキー'などがあります。

 夏果専用種は梅雨期と重なり、果実が腐りやすくなるので、今回紹介したような秋果専用種、または夏秋兼用種(秋果収穫)がおすすめです。関東地方以北での栽培には、‘蓬莱柿'のように比較的耐寒性のある品種を選び、鉢植えで楽しみましょう。品種が決まったら、あとは好みの色や形を選んで、自家栽培を始めましょう。

育て方のコツ

 イチジクは、違う品種を2本以上植える必要もなく、1本でも結実させることができ、日当たりさえよければ簡単に栽培することができます。亜熱帯果樹と言われていますが、比較的耐寒性もあり、関東地方以西ではほとんどの地域で庭植えが可能で、鉢栽培にすれば東北地方でも十分越冬ができます。特に、‘蓬莱柿'という古い品種は比較的寒さに強く、栽培が容易です。

植えつけ方

 イチジクの植えつけは、12~3月の休眠期が適します。寒冷地では、芽が動き出す直前の春植えがよいでしょう。植えつけ場所は、水はけと保水性がともによい肥沃な土壌が適しています。また、やや木陰ができる程度の日なたがよいようです。市販されている苗は、一部接ぎ木苗もありますが、ほとんどはさし木苗です。根張りのよい、コンパクトな苗を選びましょう。まず、直径、深さとも50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土5、腐葉土3、赤玉土小粒2に、粒状肥料「マイガーデンベジフル」(1株あたり200g程度)をよく混合したものを、半分から2/3程度を埋め戻します。次に、苗木の根鉢をくずして、根を広げて苗を据えてから、さらに用土を入れます。さらに、苗木を50cm程度の位置で切り詰め、支柱を立てます。最後に十分に水やりします。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

いちじく【地植え】の育て方のページです。
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