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栽培管理|いちじく【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

いちじく【地植え】の栽培管理と収穫の方法について紹介します。

いちじく【地植え】写真

 イチジクはクワ科イチジク属に分類され、アラビア半島南部や地中海沿岸地方が原産地とされています。古代エジプトの壁画にも、ブドウとともに描かれており、旧約聖書にも数多く登場する歴史ある果樹です。あのアダムとイブが裸を隠すのに使ったのもイチジクの葉です。  日本へは江戸時代に中国から既に導入されていましたが、「乾果」での食習慣が少なく、ほとんどが生果でしか利用されなかったため、栽培はあまり拡大し

管理

水やり

 イチジクは過湿に弱いところがあり、水やりは乾いたらあげる程度で十分です。しかしながら、生育自体は極めておう盛なので、鉢栽培では夏の水切れに注意しましょう。

肥料

 新梢を伸ばしながら果実がつくため、他の果樹と比較しても肥料吸収の多い果樹です。12月に寒肥として油かすなどの有機質肥料、または粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり200g程度を施し、2月と10月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり50g程度施します。花芽分化を促進させるために、8月には新梢の伸びが止まるようにしましょう。

 庭植えのイチジクに施肥する時には、株元ではなく、樹冠の下ぐらいに施すと肥料の効きがよくなります。

 また、弱アルカリ性から中性の土壌を好むために、毎年、石灰を施して、土壌を酸度調整すると生育がよくなります。

剪定

 品種によって果実のつき方が違うので、剪定方法を変える必要があります。秋果専用種は、その年の春に伸びた新梢の葉腋に果実がつき、8月下旬ごろに成熟します。夏秋兼用種は、夏果が前年伸びた枝の先端付近に翌年の果実をつけ、越冬して6月ごろに成熟し、さらに秋果専用種と同様に秋果もつけます。それで、果実のつきに応じて、図のように剪定を行います。剪定時の切り口、及び傷口のゆ合促進に、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時に枝の切り口に塗布します。

収穫

 夏果は6月下旬から、秋果は8月下旬から収穫できます。果実の先端が割れてきたら、成熟した目印です。イチジクの果実を早く成熟させたい時には、「オイリング」というユニークな方法があります。果頂部が少し赤くなってきたら、果実の先端のすきまに植物油(オリーブ油、ゴマ油など)を1~2滴たらすと、熟期を7~10日早める効果があります。細いストロー、またはスポイトなどを使うと上手くできます。早生品種の果実を早く収穫したいときには、最適な方法です。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

いちじく【地植え】の育て方のページです。
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