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準備と植え付け|の育て方

監修 園芸研究家 横山直樹

を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

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ヨーロッパ生まれのクリスマスローズ。日本でも「冬の貴婦人」という愛称で呼ばれ、寒い冬枯れのシーズンに楽しめる花、そして春を告げる花として、欠かせない存在になってきました。 寒さや暑さに強く日陰でも育ち、 育てやすいことも人気の理由の一つです。 また、もう一方でこの花には、独特の落ち着いた色合いや雰囲気があり、どことなく和風を感じさせる要素があるからこそ、多くの人に自然と受け入れられたと思います。

準備

3月~5月の管理作業

まず花切り

クリスマスローズは長期間咲いているように見えるため、もったいないと思えて、つい花を残してしまいがちです。早く切れば切るほど、来年に花を咲かせるための新葉の展開が早まり、よく生育します。色が緑色へ退色し始めたり、オシベが落ちたら咲き終わりの合図です。ソメイヨシノが咲くころにはクリスマスローズは満開を過ぎ、花期も終盤なので、タネをとる目的以外の花は、切り取ることをおすすめします。花数が少ないとお悩みの方は、たっぷりとタネをつけるまで残していませんか?

植え替え

開花株を購入して花を楽しんだ後は、植え替えましょう。流通している多くの苗は、根ががっちりと張っている場合が多いです。植え替えの際にガーデンフォークなどで根鉢を周囲1cm程度ほぐしてから植え替えてください。(※この時期はあまり根を切らないように注意してください。)根をほぐしてから、自分の環境に合った用土で1〜2回りぐらい大きな鉢に植え替えます。植えっぱなしにすると、根が成長できず、小さな葉ばかりが出てきて、花が咲かなくなる原因となります。

小苗の手入れ

2.5~3号(直径7.5〜9cm)ポットぐらいで市販される2年生ほどの苗は、4号(直径12cm)鉢に植え替えましょう。庭植えにする場合も、ある程度、株をつくってから植えつけたほうが、より確実に、早く生育します。

 また、このころ、親株の株元の周囲には、昨年のこぼれダネからの発芽が見られます。双葉の展開後、本葉が出始めたら、根をなるべく傷めないように大きめに掘り上げて、2.5~3号ポットに一株ずつ植えつけます。

水やり

もっとも旺盛に成長する時期なので、鉢土がよく乾きます。土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えましょう。

置き場所

クリスマスローズは日陰の植物といわれますが、実際はこの成長期こそ、しっかりと光合成をして、栄養を蓄える時期です。新葉が展開し始めるころから、葉ががっちりと完成する5月上・中旬(ケヤキの葉が展開するとき)までは、できるだけよく日に当てて管理してください。

肥料

 夏までにしっかりとした株づくりをするために、この時期にきちんと肥料を施します。新葉が少しでも伸び始めるときが肥料を与え始めるタイミングです。

庭植えでは、粒状肥料「マイガーデン花・野菜用」を、1㎡あたり150g、株のまわりにばらまきます。鉢植えでは、同様の肥料を用土1ℓ当たり5g、株元にばらまくか、液体肥料「花工場原液」を1000倍に薄めて、週に1回ぐらい施してください。

ガーデン・ハイブリッド6~8月の管理作業

 6〜8月は、クリスマスローズにとって「耐えのシーズン」です。半休眠期となり、生育はストップするので、植え替えなど株に負担のかかる作業をしないようにしてください。

◎遮光

 落葉樹の葉が生い茂り、連日25℃を超える日が続くようになったら、よしずや遮光ネット(60〜70%)で遮光をしてください。クリスマスローズのガーデン・ハイブリッドのタイプは、基本的には暑さにも強いのですが、根が暑くなりすぎることを嫌います。

 

◎水やり

 生育は停止していますが、葉からの蒸散により土がよく乾きます。表面が乾いたら、鉢土の温度が上がりすぎないように、暑い日中を避けた朝晩に、たっぷり水を与えます。クリスマスローズは地中海性気候で育つ植物で、日本の梅雨はやや苦手です。やや乾かし気味に管理をすると、しっかりとした太い根がのびて、健康な株に育ちます。

◎置き場所

 鉢栽培で移動できる場合は、風通しのよい木の下など半日陰になる場所で管理します。
 梅雨時期に長雨が続く場合、軒下などに鉢を移動させて雨をよけると、根腐れを防ぐこともできます。また、鉢の下に水が停滞しないように人工芝を敷いたり、すのこなどの棚上などで管理をするとよいでしょう。
 庭植えの株で、直射日光が当たりすぎる場合は、株の周囲にクリスマスローズが覆われるように、暑さに強く草丈が高い一年草やつる性の植物を植えて、少し日陰にしてやります。夏はほかの花を楽しみながら、クリスマスローズを守るのもアイデアのひとつです。

◎肥料

 この時期は全く肥料は不要です。鉢土の表面や株の周囲に、溶け残っている固形肥料などがあると、根を傷める可能性があるので、取り除いておきましょう。

◎葉はできるだけいじらない

 邪魔になったからとか、傷んだからと、葉を切ることはできるだけ避けてください。この時期に葉を切ると、切る刺激を受けたクリスマスローズは新葉を展開しようとして、株が弱って枯れてしまうことがあります。葉の整理は、必要最小限に抑えてください。

ガーデン・ハイブリッド9~11月の管理作業

 9~11月はクリスマスローズにとって、開花に向けて準備をするシーズンです。涼しくなるとともに旺盛に成長します。地上部にはあまり大きな動きは見られませんが、根は活発に成長して花芽を充実させるので、追肥や、植え替えなどを行ない、しっかりとした株づくりに努めましょう。

◎水やり

 旺盛に生育を始めるので、土がよく乾くようになります。鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるのを基本としましょう。この時期は休むことなく成長するので、乾かしすぎないように注意します。

◎置き場所

 夜温が下がるようになり、落葉樹の葉が色づいてきたら、しっかり日に当てて管理をしてください。花芽はこの時期に充実し、幼苗や、開花に至らない未熟な株も新葉を伸ばし始めます。伸びてくる新葉が間のびしないように注意し、よく光合成できるように日に当てることが大切です。
 鉢栽培の株は、風通しのよい日なたに移動させて管理します。
 また、秋は長雨が続くことがあります。鉢は軒下などで雨をよけると、根腐れを防ぐこともできます。また、鉢の下に水が停滞しないように、人工芝を敷いたり、すのこなどの棚上などで管理をするとよいでしょう。
 庭植えの場合は、これからの時期、株元にしっかり日光が当たるように、大き過ぎる周囲のほかの植物は刈り込んでおきましょう。さらに、除草をこまめに行ないます。

◎肥料

 夜温が下がり、春と並ぶほどに旺盛に生育を始めるので、この時期にしっかり肥料を施して、花芽を充実させ、新葉を伸ばしましょう。
 鉢植えでは、粒状肥料「マイガーデン花・野菜用」を用土1ℓ当たり5g、株元にばらまくか、液体肥料「花工場原液」を1000倍に薄めて、週に1回ぐらい施してください。
 庭植えでは、粒状肥料「マイガーデン花・野菜用」を、1㎡あたり150g、株のまわりにばらまきます。

◎葉切り

 秋になるとクリスマスローズの葉は、株元からだんだんと倒れ込むようになります。これは中心部の花芽が充実し、膨らんできた証拠です。ここまで来たら、葉の必要性はなくなってきます。寒さから花芽を守ろうと、葉を中心に集めてしばったりすると、花芽に日光が当たりません。むしろ、株元の温度が上がらないために開花が遅れたり、蒸れて病気になることがあるので、倒れた葉は整理して切り取るようにしましょう。
 ちなみにこの時期に新葉が一本も出ず、中心部に大きな花芽だけがある株は非常に健康的な株です。11月下旬には、古い葉を全部切り取ってしまってもOKです。

 

開花直前で、葉が開いて見事に倒れているようす(品種は‘ルーセ・ブラック’)。

ガーデン・ハイブリッド12~2(3)月の管理作業

 ついに待ちわびた、クリスマスローズの開花シーズン! 朝晩は非常に寒く、外に出るのもおっくうな季節ですが、クリスマスローズは蕾をもたげ始め、春の訪れを教えてくれます。クリスマスローズはどの地域でも、ウメが咲き始めるころに開花し、サクラが満開を迎えるころ、満開を過ぎるのではないでしょうか。

◎とにかく花を楽しむ!

 12月下旬ごろから1月にかけて、園芸店などで開花したクリスマスローズの鉢物がたくさん並ぶようになり、展示会なども各地で行なわれます。ぜひ、新しい花に出合う一期一会の喜びを楽しんでください。
 また、手持ちの株や公園などに植えられているクリスマスローズも、次々に咲いてきます。寒く冬枯れの景色がさびしいこの時期を、クリスマスローズで華やかにしましょう。

◎水やり

 寒い朝晩、クリスマスローズの株は、しおれているように見えることがあります。これはクリスマスローズ自身がわざと体内の水分を減らし、細胞が凍って破裂しないようにしているためです。かわいそうだからといって、無理に支柱を立てたり、水を与えると、元に戻らなくなる場合があります。水やりや花に触れるのは、暖かな日中から夕方にします。
 水やりは、鉢土の表面が乾いたらたっぷり与えるのを基本とし、乾かしすぎないように注意しましょう。

◎置き場所

 移動できる鉢栽培の場合は、よく日の当たる場所で管理します。寒風、霜よけができる軒下などに移動させると、花が傷まずに長く楽しめます。
 室内はクリスマスローズにとっては極端に暖かすぎて、観賞する萼(がく)が色あせするだけでなく、株が間のびして弱ってしまいます。基本的に、戸外に置いて管理をしましょう。
 しかし、展示会や屋内店舗で売られていたクリスマスローズをすぐに戸外に置くと、寒さになれてない株があり、傷むことがあります。入手後1週間ほどは、夜間が極端に寒い場合、玄関先の軒下などに鉢を移動させて、寒さに慣らすようにします。

◎肥料

 秋までにしっかりと株づくりがされた株は、この時期の肥料は不要です。あまり肥料を多く施すと、病気の原因にも繋がり、また、きれいに整った花も形や色が変化してしまうことがあります。
 逆に、幼苗や新葉が伸びている株には多少肥料を施し、成長を促すとよいですが、クリスマスローズの生育はゆっくりです。施しすぎには注意してください。鉢植えでは、粒状肥料「マイガーデン花・野菜用」を用土1ℓ当たり2.5g、株元にばらまくか、液体肥料「花工場原液」を2000倍に薄めて、週に1回ぐらい施してください。
 庭植えでは、粒状肥料「マイガーデン花・野菜用」を、1㎡あたり75g、株のまわりにばらまきます。

◎花が葉の下に埋もれて咲いてしまうときは

 低温期、クリスマスローズは低い位置で咲きます。暖かなくなるに連れて、徐々に花茎を伸ばし、葉よりも上で咲くようになります。地域や、その年の気候によっても変わるので、様子を見るようにしましょう。
 しかし、開花の時期に新葉が伸びてきてしまうことがあり、そうすると、葉で花が埋もれてしまうことがあります。原因の一つは、株が充実してなかったため。もう一つは、そうした癖をもっている株があると考えられています。
 クリスマスローズはこの時期、花を楽しむものなので、花がしっかりと咲くようであれば、新葉を切り取って、花のほうに養分を注力させるようにすると、花茎が伸び、花も立派に咲くようになります。新葉を切り取ってしまっても、春になれば再び新芽がしっかりと伸びてくるので、心配は不要です。

監修 園芸研究家 横山直樹

1978年生まれ。専門学校卒業後、イギリスのアッシュウッドナーセリー(園芸店)やウィズレー植物園で2年間研修。
帰国後、園芸生産農家としては二代目となる横山園芸にて2001年よりクリスマスローズ、ネリネ、原種シクラメン等の花の生産、育種に携わる。
NHK「趣味の園芸」講師や英国シクラメン協会日本支部代表などの園芸普及活動も、地道に続けている。

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