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準備と植え付け|つるバラ(鉢植え)の育て方
監修 有島薫
つるバラ(鉢植え)を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。
「四季咲き性」バラのなかでも大輪種「ハイブリッド・ティー(H.T)系」は、四季咲きの代表的な系統で知られ、色彩や品種の豊かさから、生産数の半数を占めるほど世界中で注目されています。
準備
仕立て期(植えつけ)→ 成長期 11〜4月のプロセス
●植えつけ
入手した大苗を、2回りほど大きな鉢に植えつけます。今回は、8号(直径24cm)の鉢を使用しました。
用土は市販のバラの土を利用すればかんたんです。元肥として用土に、粒状肥料「マイローズばらの肥料」を、8号鉢では50g、用土に混ぜて植えつけましょう。根張りがよくなり、ふっくらとした美しい花がたくさん咲きます。
●すぐに切り詰める 【ポイント!】
用土は前もって湿らせておくと、植えつけたとき、鉢の中で根と用土がよくなじみます。さらに、このとき「マイローズ ばらの活力剤」(27年2月発売予定) を与えておくと効果的です。植えつけたら、株元から10~15cmの位置ですべての枝を切り詰めます。この程度の高さまで切り詰めないと、花が咲いたときに腰が座ったよい姿になりません。
右の写真は、植えつけから1ヶ月ほど経過したところ。すでに新芽が出ています。
切り詰めた株がさびしかったら、株元に冬の間でも咲く小形の草花をあしらうとよい。写真はイベリス・キャンディタフトをポリポットごと植え、根がバラの根の伸びをじゃましないようにした。ほか、ビオラやスイートアリッサムなどもおすすめです。
開花期→成長期→仕立て期(花後剪定) 4〜8月のプロセス
●蕾がつくまでは
蕾がつくまで伸びてきた枝などは、形を整えるためS字状のフックで枝を寄せておくとよいでしょう。
病害虫の被害がふえる時期なので、定期的な防除を怠らず、美しく健康的な姿で開花を迎えたいものです。
●開花中の注意点
いよいよ待ちに待った開花です。大きく長く伸びるピエール・ドゥ・ロンサールが、まるで木立バラ(シュラブローズ)のような株姿で咲きそろいます。
開花期は気温が上昇、かつ安定した時期です。ピエール・ドゥ・ロンサールは花弁数がとても多いので、水をよく吸収し、また少しでも水切れさせると花弁の縁が縮れてしまいます。この時期だけは、鉢土が乾き切る前に、水やりをしたほうがよいでしょう。
また、開花中は雨をよけられる場所に置いたほうが無難です。ピエール・ドゥ・ロンサールは雨に濡れると花弁のすき間に雨水がたまりやすいので、雨後は花を軽く振るって、水を切ってやるとよいでしょう。
●花後の剪定【ポイント!】
花は傷んだものから切り取っていきましょう。たくさんの花をつけた場合は、花首からカットする程度の浅めの剪定にします。できるだけ多くの葉を残して、次の成長期の秋を迎えさせ、株を充実させることが、翌春の花数をふやすポイントになります。
成長期→仕立て期(冬剪定) 9〜2月プロセス
●夏越し後の管理
9月に入って暑さが一段落すると、再び成長期に入ります。引き続き、水切れや病害虫に注意しながら管理をしましょう。できるだけ葉を落とさないようにすることが大切です。
なお、つるバラなのでシュートが長く伸びて、じゃまになることがあります。適宜枝先を軽く切り戻しておいても構いません。
●冬の剪定【ポイント!】
1~2月はバラの剪定の時期です。暖地や置き場によっては、年を越えても落葉しないこともありますが、昨年花が咲いた枝の元から2~3芽残して剪定します。剪定でついていた葉も切り落とせます。イラストのように思い切って短く切るので、咲いたとき木立ちバラのような姿になります。
なお、芽が動き出したら「芽だし肥」として、粒状肥料「マイローズばらの肥料」を、8号鉢では50g、株のまわりにばらまきます。さらに3月いっぱいまで、液体肥料「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」や「マイローズばらの液体肥料」の500倍液を、7~10日に1回施します。
神奈川県横浜市生まれ。祖母の影響を受けてバラ栽培に関心を抱き、現在ではバラの楽しさを広めるため、「もっと気軽に、もっと手軽に」をモットーに、バラ栽培の普及に努める。既成概念にとらわれない、経験の積み重ねと自由な発想による提案が好評。
オールドローズからイングリッシュローズ、最新のバラまで幅広く精通し、テレビNHK趣味の園芸出演ほか、園芸雑誌などに広く執筆。著書は『簡単に美しく咲かせる バラのコンテナガーデン』(小学館)、『イングリッシュローズのすべて』『バラ大図鑑 (別冊NHK趣味の園芸)』(ともにNHK出版、共著)等多数。
日本橋三越本店チェルシーガーデンの人気ローズアドバイザー。日本家庭園芸普及協会 グリーンアドバイザー 園芸ソムリエ。
つるバラ(鉢植え)の育て方のページです。
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