植物栽培ナビえだまめ【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

野菜のなかでもマメ類は、「畑の肉」とたとえられるほど、タンパク質を豊富に含んでいます。イネ科作物やイモ類とともに、世界でも広く利用される重要な作物です。

 

野菜として利用される際は、完熟したタネではなく、未熟なタネや若いサヤが用いられます。

 未熟な種子を利用するのがエダマメで、若いサヤを利用するものには、インゲン、ササゲ、シカクマメなどが該当します。

 日本で栽培されるマメ類は13種類あり、ダイズ(エダマメ)、インゲン、ササゲ、エンドウ、ソラマメ、ラッカセイ、フジマメ、ナタマメ、シカクマメ、十六ササゲなどです。

 

作型や品種の特徴:エダマメは、主に以下の5系統に分類されます。

①早生品種:生育日数が70~77日と少なく、初心者にも育てやすい。「奥原早生(極早生、70日)」「ビアフレンド(76日)」「白獅子'(77日)」など。

②中早生品種:生育日数が80日程度。「富貴」「涼翠」など。

③中生品種:生育日数が85~90日程度。「福獅子」など。

④茶マメ系品種:「福成(中早生、80日程度)」など。

⑤黒マメ系品種:「早生黒頭巾'(早生、78日)」「快豆黒頭巾(中早生、80日)」「濃姫(中早生、82日)」など。

 

菜園に直まきする場合:畝に穴あきのポリマルチを張り、1穴につき3か所のまき穴をあけてタネをまきます。初出葉が出たら2本に間引いて同様に育てます。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・タネ
・野菜用培養土
・直径9cmのポリポット
・クワ、またはスコップ
・苦土石灰
・完熟牛ふん堆肥
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・移植ゴテ
・ポリマルチ(黒)
・ジョウロ

 

ワンポイント

収穫時期が梅雨や秋雨の時期と重ならないように逆算し、生育期間のふさわしい作型の品種を選び、見合った時期にタネをまきます。

植えつけ方

タネまき適期:関東地方以西 4月下旬〜5月下旬
①野菜用培養土を入れた直径9cmのポリポットに、深さ1.5cmほどのまき穴を3か所あけて、タネを1粒ずつまいて土をかぶせ、水をたっぷり与えて発芽を待ちます。双葉の次に本葉が出たら(初出葉)、生育の悪い芽を1本間引き、2本を残して苗を育てます。初出葉が開き切る前に植えつけましょう。
②植えつけの2週間前に、1m²当たり苦土石灰を100gまいて耕しておきます。植えつけの1週間前には、1m²当たり堆肥2kg、適量の粒状肥料をまいて耕します。幅80cmの畝を立て、ポリマルチをかけて地温を上げておきます。
③2条で条間40〜50cm、株間20〜30cmをとって、ポリマルチの上から植え穴をあけます。
④植え穴に水を注ぎ、水が引いたら苗を植えつけます。株元にたっぷり水やりをして完了です。

 本葉3~4枚になったら、菜園の準備を整えて植えつける。

 

ポリポットで育てた苗を、条間40~50cm、株間20~30cmをとって植えつける。

 

ワンポイント

本葉が出るまでは、ポリポットにネットなどをかけて、鳥害にあわないように注意しましょう。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・手グワ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)

 

ワンポイント

畝の表面の除草を兼ねて、手グワなどで株まわりを軽く耕しておきます。

置き場所

 

風通しのよい日なたを選んで植えつけます。

 

水やり

 

発芽までは、土が乾いたらたっぷりと水やりします。植えつけ後、雨が降らず乾いている場合は、たっぷりと水を与えましょう。水やり回数の目安は以下です。4月中旬〜5月 2〜3日1回、6月〜8月中旬 2〜7日1〜2回

 

肥料

 

タネまきから40~50日経つと花が咲き始めるので、液体肥料(「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」)を水やり代わりに施します。その後、1週間に2~3回、同様に追肥しましょう。

 

間引き・土寄せ

 

追肥のたびに株元へ、土寄せをしておきます。

 

ワンポイント

マメ類は、根に根粒菌(窒素固定菌)が共生します。根粒菌は、マメの株から栄養素を分けてもらう代わりに、チッソ分を株に還元しています。このため、マメ類に施す肥料は、ほかの野菜の半分ほどでまかなえます。肥料を通常の野菜と同等に与えてしまうとチッソ分が多過ぎて、その結果、実がつかない「つるボケ」状態になることがあるので、施す肥料の分量には注意が必要です。

収穫

サヤを押すと豆が飛び出すぐらいになったら、根元から引き抜いて株ごと収穫します。また、太ったサヤのみを収穫してもかまいません。収穫したサヤは、できるだけ早くゆでて食べましょう。

ワンポイント

早生、中早生品種では、タネまきから75~85日後が収穫時期です。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

害虫・病気対策

写真を選んで対処薬剤へGO!

えだまめ【地植え】で適用のある害虫・病気と対処薬剤

害虫

病気

対象の「害虫」と「病気」を防除する薬剤は・・・

使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
えだまめ【地植え】の育て方のページです。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。
商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。